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「感情は名をつけたら俗物になるんよ」
『君は先週なにを残した?
10年後その7日間を覚えているのかな、あさって、その7日間を覚えているのかな、昨日なにを食べた? どんな夢を見た? 君は先週なにを残した?』
『「発見してくれ」
赤い血なのは
そういう気持ちがあったから』
『「いまなにがあっても悲しくはない」
「死んだって」「消えたって」
「きみが消えたって」
「家が海にしずんでも」「はじめから宇宙が嘘で」「みんなが」
「生まれていなくたって」』
『命のありがたさを感じるためには、いつでも死が必要なんだね。』
『本気で好きなのは命だ。命があれば、きみたちはばかだろうが、ぶきようだろうが、悪趣味だろうが、同じように平均的に区別なく愛そう。そう約束してくれたのは地球だろ。そう約束されて、いやがったのが人類だろ。差別してくれよ、あいつなんかよりぼくはずっと優秀だって、あいつなんかよりずっとうたがうまいよって、そればかりを、叫んで、そのうち愛を得られない人と、得られる人ができたわけだ。ばかだね。』
『未来が来ることはぼくがしぬこと。きみがしぬこと。かわいいあのこがしぬこと。おいぼれること。』
『赤い糸で人がつながっているんだと信じていた頃、絡まるのがいやで空に浮いていたかった』
『よろこびは毛布に、彩りは洋服に、60億人の人口は本の中に。』
『それでもきみたちは自分が、純粋で素直で素朴で、幼さを忘れない、心のすんだ人間であると、思っている。天使だと名乗るきみを、ぼくは絵にかき、地獄絵図として売ろう。』
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表紙が綺麗で買ってしまいました。
どっちかって言うとわからないところのほうが多かった。でもたまにすごくビビッと来る一節があった。何回も何回も読みたい。
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著者の作品は「星か獣になる季節」とネットにあげられたいくつかの詩しか読んだことがなかったのですが。これは読んで良かったと思います。あとがきも興味深いです。つくることは特別でもなんでもない。自己顕示欲の発露先でもない。誰かのつくったものが誰かの目に触れることができる時代だからこそ、誰かが誰かに「会う」ことができる。孤独を前提として。
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あとがきが良い。
あとがきに強いメッセージが込められている。
あとがきを読み終えると、また最初から読みたくなる。いのちについて作者がどう捉えているのか、考えたくなる。
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一部の詩はいったい何のことを言っているのか理解できなかった。
関連性のない言葉の羅列のような感じでつまんないと思った。
しかし、二部からがとてもよかった。
ショートショートストーリー性のある詩、とても考えさせられた。
文体を読んでいると作者はアラサーにも関わらず中二病にも思えてくるが、私たちは大人になるにつれて現実的になる。
そうじゃないと生きていけないからだ。
私も中二病のようなことを考えていた時期があったが、そんなことを考えていると仕事なんてできないし、生きていけないし、世間からは白い目で見られる。
それがイヤということではないが、個性を抑えてでも社会に溶け込むことが大事だと私は思う。
作者は、「それでいいの?」を問いかけているが、それでいいんだと私は胸をはって言いたい。
青春が最高とかいうけど、大人の世界だって私はそれなりに楽しいと感じるし、やっとこの歳になって子供のようなしがらみが無くなりつつある。
自分を大事にできたとき、他人を大事に思うことができ、そして世間に溶け込むことができるんだと思う。
最近ちょっとした軽い世間話ができるようになって、大人って楽しいなと感じている。
今までは、そんな無意味な話をして何が楽しいんだ?なんて思っていたのですが…w
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未完成の映画のCMをずっと見てるみたいだった。スケールがでかくて、人がどんどん死ぬ。観客は女子高生で、それを笑い飛ばしながらキャッキャ見てる。そんな残酷な映画館。でもすごく綺麗なんだ
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永遠なんてない、ことの絶望を理解できないのは
若さゆえの傲慢さ
それが眩しい
それが厭わしい
しかしすぐにわかるだろう、この世界に永遠はなく
子らはやがて父となり母となり
かつての自分が浮かべた冷笑を見せつけられるハメになるのだ
ざまをみやがれ、しかし、それは
自己愛の連鎖でもあった!
世界に永遠なんてありはしないはず
なのにな
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タヒさん二冊目!大人は、死者と同じにしか見えない、私たちにとって「夏襲来」―――が猛烈に喉元に何かがこみあげてきて好きだ。声に出して読みたくなるから、この人の詩はこんなにも魅力的なんだろうな
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ひっさしぶりの詩集。
僕の想像力を試されてる様な気がした。
負けない様に頑張って読んだけど、疲れました。
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タヒさん、小説は2冊読んだけど、それより詩の方が良いですね。詩、わからないけど小説よりいいと思う。余計なこと言わずに言えるから? 漢字のバランスも好きです。死とかはあんまりいっぱい言うと誤解されるよ、と老婆心。誤解されてもいっか。わたしはいいです。新潮文庫nexなんて最果タヒが出してなきゃ買わなかった(2冊目)。
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悔しい。というのが率直な感想です。
こんな風に世界を見て、感じて、表現するのを許されてる人が存在すること。
ページの上でたくさんの人を殺して、それが読者(とくにJKJD世代)に称賛される人が存在すること。
悔しいというか、羨ましいのかな。今後リリカルな大量殺人を謳った詩は皆「最果のn番煎じ」といわれるのでしょう。とんでもないことをしでかした人だと思います。
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殺人も、恋も、すべて空と呼べばいい。
今や誰だって言葉を発信できるし、どんな人だって言葉を受信できる。そんな現代に「特別な私」はどこにいる? かわいい。死。切なさ。愛。混沌から生まれた言語は、やがて心に突き刺さり、はじける感性が世界を塗り替える。昨日とは違う私を、明日からの新しい僕を、若き詩人が切り開く。萩尾望都ら21名の漫画家・イラストレーターと中原中也賞詩人が奏でる、至福のイラスト詩集。
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最果タヒの詩とイラストレーター、漫画家の絵とのコラボレーション。
イラストとタヒの詩は相性が良い。
数年前、かなり精神的に追い詰められていた時に、東京都写真美術館のミュージアムショップでこの詩集をパラパラめくって、展覧会でみた写真よりも数倍心に突き刺さった。
ページをめくるたびにまばゆい光を見るようなそんな気がして、まるで心の救いのきっかけをつかんだ気がして、すぐにこの本を購入した。
その頃は最果タヒがこんなに有名だと思わなかったが、ビビっと痺れ直観として手に入れた、そういう意味では芸術作品を非言語的に感じているのに近いと思う。
久しぶりに読み返してみたが、あの時の痺れはなく、どちらかというと難解に感じる。
気持ちがささくれて何に触れても敏感に痛みを感じるような数年前の気分の時には、言葉への感じ方、むしろロジカルではない音楽のような言葉への反応感性が昂っていたのだと思う。
ある程度心に平安がある現在、あまり変わり映えのない日常を過ごしている鈍感な時は、アート的な感じ方は鈍ってしまうのかも知れない。詩を文章としてロジカルに読もうとしてしまう。
「夕日」、「死」という言葉が多いなと思う。
それは「朝」、「生」という希望の言葉の裏返しなのではないか。
青春における恐怖は、生の、自らの生命感と現実のなにものでもないことへのギャップから生まれるのではないか。
歳をとって、おじさんになると、自分自身のポテンシャルも枯れているのがわかるし、たかがしれて、後はしぼんでいくだけの状況に納得感が出てきてしまう。
なので青少年時代に感じたような恐怖感は感じない。
でもこの詩たちを読むと、なんだかあの頃のヒリヒリ感がよみがえる。
これらの詩に出てくる「死」という言葉は、言葉そのままの「死」としてフラットに転がっているように見える。
現実感がない、夢の中の「死」のように。
独特のリズムで、音楽のように言葉そのままとして転がり散らばるような。
何度も読むとその言葉の音の連なりが、いつの間にか頭をジンジンさせてくるような。
それでいて読むのがしんどい。
そんな詩です。
今は、これらの詩の中で唯一散文的に普通の文として読める『おめでとうさようなら』が一番しっくりきた。
少し引用
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未来が来ることはぼくがしぬこと。きみがしぬこと。かわいいあのこがしぬこと。おいぼれること。それをすてきだという世界は呪いで、ぼくらは過去や歴史に服の裾をひっぱられて、じわじわと舞台からひきずりおおろされ、それと同時に未来の輝かしい幕開けが始まるのだ。ぼくはそれでも、新しい命や、ちいさな子供、夢や科学や占いや音楽に、拍手をしなければいけないのだろうか。いや、くだものぐらいなら、与えてもいい。花束くらいならあげてもいい。それぐらいの祝福ならしてあげようと、種を砂漠に植えているけれど、それでは足りない、きみは冷たい、残酷だと、みなが言うからやはり絶滅してしまえ。
『おめでとうさようなら(抜粋)』
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先に期待がもてない、おじさんに向けてのエールのように、
ノーフューチャーとさけびながら、元気をくれるパンクロックのように
感じられるところが嬉しいのかも知れません。
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毎度のことながら、詩集に挑戦しては、敗れてしまう。やはり詩という表現形式は、ワシには難しく、苦手だ。
著者の詩に、そうそうたる漫画家、イラストレーターの絵が付いている本作、その豪華さはすごいが、言葉を嚥み下すことができなかった。残念。
でも、何故詩が苦手かが少し分かって、ワシは自由すぎるものが苦手なんだな、ということ。言葉運び、句読点、展開。詩はわりかしルール無用でそれらを運用できる。それが苦手であることは、自分の一つの限界を感じることでもあった。
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この本を読んでいると、もう2行前の内容が頭から消えてしまっているという状態がエンドレスで続いた。文章が支離滅裂であるからだろう。自分の読解力の無さのせいもあるだろう。箇条書きで書いていた昔の自分のネタ帳を思い出してしまった。
ただ、その、常に数秒前の文章の記憶が消えていく状態が何故か心地よくあったりもした。胸にグサリと刺さる言葉もあった。感想をうまく言葉で表せない。