零戦神話の虚像と真実 零戦は本当に無敵だったのか みんなのレビュー

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投稿者：もじょ吉　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

零戦ものと言えば、大空のサムライが有名だが、本著は良い意味で、これまでの「常識」を裏切られる。２０ミリ弾の話しや空戦の実態など、生々しく語られていて非常に興味深い。解説も元航空自衛隊パイロットが自身の体験を織り交ぜて語るなど、重く説得性があるものとなっている。同様の内容で陸戦戦車モノの続編が出る事を期待したい。

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投稿者：瀬戸内在住の猫　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルとは裏腹に「虚像」だけが一人歩きしている本だと思います。

内容は、著者の清水氏と元航空自衛隊のテストパイロットで、後に三菱重工に移籍してF-2支援戦闘機の初飛行を担当した渡邉吉之氏との対談形式で零戦を語ると言う内容ですが、その内容が推定だらけと言うお粗末な代物なのです。

もちろん、本書で指摘されている様に旧軍関係の史料は零戦に限らず多くが敗戦以後に処分されていますから、推定を主に論じざるを得ないのは致し方ありません。
しかし本書では、それ以前に史料すら読まずに零戦を語っているのでは、と疑わざるを得ない部分もあるのです。

ここでは一箇所だけ重大な疑問点を指摘します。
本書第4章でガンカメラ(日本海軍では写真銃という)について論じている所がありますが、実は零戦では写真銃は機内に内蔵せず、主翼上面(二一型46号機までは左舷、以降は右舷)に取り外し式で装備されていたのを、どうやら知らずに議論している様なのです(もちろん、零戦の写真銃について本書では一切記述がありません)。
この様に、零戦の細部を知らずに議論している疑いがある以上、本書は余り読む価値がないと言わざるを得ません。

最後に一言。
著者の清水氏は「最強の素人」を目指しているそうですが、どんな分野であれ最強を目指すなら素人ではダメですよ、皆さん!!