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唐の第2代皇帝「太宗」こと李世民(在位 626〜649年)と、それを補佐した名臣たちとの政治問答集。『書経』と並ぶ、帝王学の教科書。
創生ではなく守成の時代の書。臣下からの諫言(かんげん)をいかに受け入れるか、その重要性が説かれている。
<キーフレーズ>
★忠臣と良臣の違い(p.84〜) ※魏徴の言葉
良臣とは、みずからが世の人々の称賛の声につつまれるばかりでなく、君主に対しても名君の誉れを得しめ、ともに、子々孫々にいたるまで、繁栄してきわまりがありません。一方の忠臣は、みずからは誅殺の憂き目にあうばかりか、君主も極悪非道に陥り、国も家も滅び、ただ、「かつて一人の忠君がいた」という評判だけが残ります。
※伯夷と叔斉 の話がベースになっているのではないか?(レミさん)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%AF%E5%A4%B7%E3%83%BB%E5%8F%94%E6%96%89
・欲望をおさえて万民の手本となるような私生活を送ること(p.31- 守屋洋さんの解説より)
欲望の再開発
欲望にも、開かれた(分配可能な)欲望と、閉ざされた(分配不可能な)欲望とがある。
※公欲→志→心願
<きっかけ>
2019年8月の人間塾 課題図書。
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帝王学の教科書ということで読む。これが出る前は書経か教科書だったという。
唐の太宗による問答集。
太子の廃嫡と高句麗出兵は誤り。
昔から優秀な人材をいかに集めるかが大切だと認識されていた。
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西の「君主論」東の「貞観政要」
ともに君主としての要諦を後世のためにに書き記したものではあるものの、「君主論」は他者を支配するのための書であり、「貞観政要」は他者を治めるための書、といった印象であった。
もちろん両方とも長年語り継がれてきただけあって名著である。なので、両方のエッセンスをしっかりと頭に入れておく必要はあるものの、今の時世から見ると「君主論」よりも「貞観政要」の方がリーダーの書として役立ちそうに思う。
本書は貞観政要の内容がすべて書かれているわけではないが、漢文書き下しの他現代語訳も用意されており、古典を読んだことがない人でも理解できる内容となっている。ただ、、例えば、出口治明さんの「座右の書『貞観政要』」などに当たると、より理解が深められるのではないか。
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唐の時代、平和な世の中を実現させた太宗の、家臣たちと交わした議論や問答が収められた本。文庫サイズでコンパクトながら読みごたえは十分。
この手の本は、読むときが変われば響く場所も変わる。社会人になって間もない頃に読むか、中堅になってからか、管理職に近いポジションになってからか、その時々で面白いと思える場所は異なる。なので、本棚のすぐに手に取れる場所に並べておいて、都度、パラパラめくるのが良い。
今の自分にとっては「第二章 諫言の機微」と「第三章 人材の登用」が面白い。人を率いる立場になれば、もっと後の章が役に立つのだろう。
「人を統べ、導く立場の人」にとって有益な内容が主だが、若手人材でも読めば学びになる部分は多い。原文(漢文)と書き下し文、解説のほかに、ものによっては詳説まで載ってるので、気軽に読めるのもプラス評価。
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貞観政要の内容がわかりやすくまとめてある。
自分が感じたのは、平和な時にも緊張感を忘れない、
諫言を受け入れる姿勢を作る、といったところが重要か。
上に立つものは常に謙虚であるべきだ。
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貞観の治という言葉は知っていたが、 李世民とは素晴らしい人物だ。それでも失敗をするのだから...。
ヒトは失敗をする葦だということだ。
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隋が、40年程度の治世しか無かった事を参考に、約300年長安に都を置いて政治を行う基盤を作った、李世民とその臣下のお話。特に中国では既に紙が発達したこともあり、兄弟を殺害した皇帝として風評されるのを恐れて、自身の帝王として、後の世に名を残すまで善政を行った。トップとは?リーダーとは…適材適用、公平、委任、換言…こういうキーワードが本文中にもいくつも出てくるマネージャー必須。
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・率先垂範して身を正す
・部下の意見に耳を傾ける→自分と意見が違っても聞き入れる
・態度は謙虚、発言は慎重に
・周りをイエスマンで固めない。
・部下からの指摘や忠告を積極的に聞き入れる
・相手の短所と長所を良く理解してその長所を発揮させるような使い方をする
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唐の太宗(李世民)が臣下を交わした問答を史家・呉競がまとめた。
トップマネジメントのあるべき姿勢をまとめている。訳者によると以下の5点
・安きに居りて、危うきを思う
・率先垂範、わが身を正す
・部下の諫言に耳を傾ける
・自己のコントロールに徹する
・態度は謙虚、発言は慎重に
3番目はなかなか出来るようでできない。王だけでなく、部下がいる人には大なり小なり当てはまると思う。
王の言葉、行動を逐一記録する役人が居て、王はそれを検閲しないのが常だったらしい。太宗は生前にこれを提出させ、自分の宜しくない行状を更に詳しく書くように言ったとか。
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トップは孤独。その中でも無私であること、常に謙虚に諫言をされやすく、受け入れる器の重要性を説き続けている。人間の器とか人格といったことは研鑽を積み重ねなので、磨いていきたい。
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帝王学の源流と言われる。
組織のトップはもちろん、上司と部下が存在するのならば
1度は読むべき本だと思う。
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古典の中では1.2を争う読みやすさ。
4コマ漫画を読んでいるような簡単、明快。
聞き慣れない古典だから敬遠しがちだが、考え方は今にも通用するものでスッキリするものが多い。
内容は専制君主が今でいう、不正の3要素を持ちながらいかに不正に流されないか、いかにすれば正しい道を歩めるかを記している。
李世民の心構えはリーダーをはじめ、誰かの上に立つ人として心得ておきたいものだと思う。
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【感想】
唐の太宗の政治に関する言行をまとめた書であり、「帝王になるための心得」よりも、「良き帝王を続け、国を安泰にするための心得」に重きを置いて記述したものとなっている。
年代的には、太宗が元号を「貞観」と改元した627年前後になるが、古くから脈々と培われてきた心得は、現在の世の中においても納得いくものが多い。
特に、「社会的に高い地位にあればあるほど、失言の影響は大きい」「記録を重んじろ」といったものは、まさに今の時代においてこそ意識しなければならない警句である。当時こそ国のトップに進言できる人物は限られていたが、現代においては、トップであっても気軽に声を発信できるようになったし、国民もそれに意見することが簡単になった。
それは民主主義的には好ましい発展であるが、君主と臣下と民のパワーバランスが一層複雑になった結果、トップはより一層言動に注意を払い、透明性を確保しなければならないのも事実である。
今よりも不透明な場で意思決定が行われていた寡頭政治の時代から、こうした「民への説明責任」が既に重んじられていたというのは、刮目に値するだろう。
※古典はエッセンスだけを抜き出しては味気ないものになってしまうが、一応まとめを作ってみたので、どういう内容があるかをサッと見たいときに参考にしてほしい。
【本書のまとめ】
貞観政要は守成(守り)の心得。トップを取ることよりも、トップを死守するための心得を説くものである。
●心得
・我が身を正し、度が過ぎた贅沢を控え、万民の手本となるような私生活を送ること。
・臣下の諫言をよく聞き入れること。安心して相談できる相手を持て。
・好調なときこそ気を引き締め、慎重を旨としろ。
・情報のパイプを幅広く確保しろ。
・例え身分が上であろうとも、適切を欠くときは遠慮なく諫言しろ。
・君は舟なり、庶民は水なり。水はすなわち舟を載せ、水はすなわち舟を覆す。
・組織の経営・維持にあたっては、まず原理原則を確立し、トップが率先して実行にあたること。
・部下の諫言は苦くとも薬になる。進んで受け入れよ。
・説得力を強めたいなら手本を示せ。
・手厳しい批判や未熟な提案でも、頭ごなしにやりこめず、喜んで耳を傾けよ。
・人の短所と長所を心得、長所を発揮できるような登用をしろ。
・礼をつくして相手に仕え、謹んで教えを受ける。これなら自分より百倍すぐれた人材が来る。相手と対等にふるまう。これでは自分と似たり寄ったりの人間しか集まってこない。
・人材を登用するときは、泰平の時代には人物にウェイトを置き、波乱の時代には能力にウェイトを置け。
・人を知る者はせいぜい智者の水準だが、自分を知る者は真に明智の人である。自分を知るということは至難の技であるため、自己推薦制はやめたほうがいい。
・仁義による政治を執れ。
・臣下の献身を期待するためには、まず、君主の側が相手の価値を認め、それにふさわしい待遇を与えることが肝心である。
・部下が言うことを訊かないときは、まず自分の言動を省みろ。
・生活水準の膨張には、ふだんから気を配れ。
・常に謙虚に生きろ。人の頂点に立ったとき、上から天が見てくる。
・社会的に高い地位にあればあるほど、失言の影響は大きい。
・学問教養を身に着けろ。
・公平清廉たれ。
・記録を重んじろ。歪曲せずに文字に残すことの重みを知れ。
・法令はすべからく簡約なるべし。
・兵は凶器なり。戦争は最後の手段として用い、兵を軽々しく動員するな。
・兵は凶器であるが、軍備は怠るな。備えあれば憂いなし。
・嗜好、感情をセルフマネジメントせよ。
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唐の太宗と名臣の政治問答集。
諫言の重要性。懐深くそれを受け止める。後継者育成に失敗する太宗。育てようとしたが、策謀好きになってしまい、凡庸な方を選ぶ。
皇帝は船で、人民は海だ。疎かにしてはならない。
礼を尽くして相手の言うことを聞くことで、名臣が来る。
公平に相手に対する。
率先垂範。
謙虚に、発言は慎重に。
自己コントロール。
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リーダーシップについて学ぶために、古典の名著を選書。
中国史に名を残す名君(最高のリーダー)太宗が、
部下からおもいっきりダメ出しをされて、それを改めるという事例集。
ダメ出しを素直に受け入れる懐の広さが後世に名君として名を残すことになった。たとえ君主に昇り詰めたとしても、そこからの平安〜繁栄は未知の領域。
名君太宗が部下から辛辣なダメ出しを受けたり、葛藤をする様は、親近感があり、命を賭けた部下のダメ出しは説得力のある内容となっている。
1400年前から人間は大きく変わっていないな、と思った。
自分の自制心だけで自分の欲望を制御したり、
問題に気づく事は難しい。