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木星衛星探査船の事故から60年ぶりに奇跡的な帰還した甘南備(かんなび)とリハビリのために24時間付き添うムラサキ。そのムラサキもヘリコプター事故で脳の手術をして驚異の回復を遂げた元軍人の女性医務官だった。そして甘南備の亡くなった妻、葵がムラサキの中に蘇る...
記憶をテーマにした物語です。良くあるテーマですが、透明感のある文章で、甘南備とムラサキ、葵はどうなっていくのかと読者を引きつけます。
ラストは感動ものです。綺麗な映画の一コマという感じですかね。この終わり方は好きです。
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梶村啓二さん、2015年発表の小説。事故で冬眠状態のまま60年宇宙を彷徨った後救助された男のリハビリの物語り。出だしは素晴らしいのだけれど、竜頭蛇尾。
30歳過ぎの日本人宇宙飛行士が主人公。宇宙での60年間の人工冬眠からのリハビリというとても興味深い題材を非常にリアルに描いていてその点は見事だし、脳神経に関する蘊蓄も新鮮、また特に始めの方、静謐で内省的な押さえた筆致にとても感銘を受けます。しかし、二重の三角関係が明らかになる後半はかなり甘ったるくなり、気の抜けたようなハッピーエンドにも拍子抜けします。残念。
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一つの事を表現するのになんてたくさんの文字を使うのでしょう!
でも静かで美しい。
ストーリーも美しい。
この世界観が好き。
少しの疑問は無視しましょう。
これは小説なのだから・・
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全編に哀しさがありながら、流れは希望を手繰り寄せる話だ。未来とはきっとこんな風なのかなとも思わせる。よくよく考えられた小説だ。(ちょっと村上春樹風なところがあった)