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シリーズ第三弾!!奥田さんの書く中年がとてもすきです。言い方はよくないけど、くたびれたサラリーマン生活を送っていた中年が何か新しいことをしたり新たな気持ちになっていくのを読むとなんだか嬉しくて応援したくなる!特別な何かがあるわけじゃないけど日常生活の中のちょっとしたしあわせが書かれていてだいすきです!
最後の作家と奥さんのはなしはまた続きがある!と思ってわくわくして読みました!他の作品を読んでるとわかるもじりとかも楽しい…
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家族の中で起こる小事件、出来事を通して、家族のあり方を書いた、短編集。”我が家の問題”の続編かな?
相変わらず、奥田さんの本は読みやすい。
実のお父さんが有名な舞台監督であることを知り、その華やかな世界にあこがれて、そちらになびいてしまう娘。離婚した負い目で、強くいえない母親、普通の現在の父親。ラストでの娘の気づきが泣ける。
そのほかも、読んでいて軽い感動を覚えるものが多く(記憶に残らない程度)読後感はいい。
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6篇からなる短編集。
涙腺がゆるい私は、本を読んだ時も、読み終わったあと余韻に浸りながら涙が流れるということはよくあるけど、この本は読みながら涙がこぼれました。
「虫歯とピアニスト」は、私も結果的に子どもを授かれなかった夫婦なので、出来づらいらしいと気付いてから夫婦二人の人生も悪くないと割り切れるまでの心の過程が思い出されて、きゅっとなりました。
どの話も本当によかったです。
いかにも泣いてちょーだいという、おしつけがましさが全然なくて、自然でリアルでさっぱりした読みやすい文章なのに、登場人物の感情がスイスイ心に入ってくるので、どっぷり感情移入して、幸せでほろ苦い涙が勝手に流れるという感じ。
あったかい気持ちになれて、ふと父親にメールでもしてみようかなんて、普段絶対しないことをしてみようかと思ってしまった。
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我が家シリーズ第3弾。今回も家庭をめぐる短編が6つ。
しかしだんだんまあるくなってきてる気がする。
「妻と選挙」では突然市議会議員に出ると言いだした妻を応援する夫と家族の話。「家日和」の”妻と玄米御飯”のロハスにはまる妻が、「我が家の問題」の”妻とマラソン”ではマラソンに出場し、今回は選挙である。 次は総理大臣か?宇宙飛行士か? それとも小説を書き始めるか?
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奥田英朗のいえシリーズの短編、第3弾。どこにでもいる家族のささやかな秘密を描く作品。虫歯とピアニスト、正雄の秋に共感。設計図、計画通りにいかなくても、別を探ろうとする姿勢が大事。読了後は、ほっこり。メモ。
(1)みんな若い時は自分の人生を大袈裟に考えるじゃない。過大評価もいいところなんだけどさ。
自分の人生は有意義で輝いてないといけないと思い込んでた。人間なんて呼吸をしているだけで奇跡だろうって。
(2)理想の展開なんてものを端から信じていない。理想を言い訳にして甘えてもいない。逆に言えばそれが一流の条件だ。
(3)船のキャプテンは一人だ。二人はいらん。腐らないでくれ。
(4)思いやりがないのではなく同情するに至る思考回路がまだないのだ。
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自分に当てはまることも書いてあったので涙が出た話もあった。まわりから見たらささいな自分や身内で起きるやりとり。家族って絵に描いたようにうまくいかないものだけど、ギクシャクしながらジタバタしながらもそれでもいいじゃんと、改めて感じさせられた。私は今この本と出会えてよかった。井端さん一家シリーズみたいに伊良部医師シリーズ(とは呼ばないかもだけど)を期待してしまうけど(笑)
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【要旨】どうやら自分たち夫婦には子どもが出来そうにない(『虫歯とピアニスト』)。
同期との昇進レースに敗れ、53歳にして気分は隠居である(『正雄の秋』)。
16歳になったのを機に、初めて実の父親に会いにいく(『アンナの十二月』)。
母が急逝。憔悴した父のため実家暮らしを再開するが(『手紙に乗せて』)。
産休中なのに、隣の謎めいた夫婦が気になって仕方がない(『妊婦と隣人』)。
妻が今度は市議会議員選挙に立候補すると言い出して(『妻と選挙』)。
どこにでもいる普通の家族の、ささやかで愛おしい物語6編。
どの短編もうまくまとまっていて非常に面白かった!
『家日和』(2007年)『我が家の問題』(2011年)に続くシリーズ3作目らしいので、未読の『家日和』を次は読みたい。
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色々な家族の形がある。
憧れのピアニストが通う歯科、小説家の妻が議員立候補など。
知らず知らずのうちに、家族がやさしさを分けあっているような短編集。
H28.1.20 読了
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自分たちに子どもができないと気づき始めた夫婦や、長年勤め続けた会社の出世レースについに負けてしまった夫を心配する妻、実の父親に会ってみたい女子高生や、選挙に出たい妻……。いろいろな家族が、寄り添いあいながらささやかな幸せを見つける短編集。
どれもこれも優しい話。我が家シリーズ?は前作の短編集も好きだった。例えば「アンナの12月」は赤ちゃんの頃離婚した実の父親が有名人だったと知って舞い上がって今の父親をつまらなく思う話だけど、実の父親がほんとはクズでした!とか痛い目を見てほんとの家族の良さが分かりました、とかみたいな展開が簡単なのかなと思う。でもそうじゃなくて、派手なことは何もなくて、ただ親友たちとお互いの父親の良さを話し合って落ち着くっていう、なんて平和な女子高生たちなんだと。あっさりしてるっちゃそうなんだけど、優しく生きようと思えば生きられるんだなって思える短編集。
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更新が遅れましたが、昨年末「本屋大賞ノミネート予想」の1冊として読んだ本。短編集だが、どれも温かく優しい後味の作品ばかり。しかも、現実に起きた問題をそのまま受け入れて(乗り越えてと言うとこの作品に似合わないけど)ちゃんと着地点があって、、、って、なんとなく朝のNHK連続ドラマ「朝が来た」の新次郎のような感じの作品(って意味わからないけど(笑))
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結婚して数年。どうやら自分たち夫婦には子どもが出来そうにないことに気づいてしまった妻の葛藤(「虫歯とピアニスト」)。
16歳の誕生日を機に、自分の実の父親に会いに行こうと決意する女子高生(「アンナの十二月」)。
53歳で同期のライバルとの長年の昇進レースに敗れ、これからの人生に戸惑う会社員(「正雄の秋」)。
ロハスやマラソンにはまった過去を持つ妻が、今度は市議会議員選挙に立候補すると言い出した(「妻と選挙」)ほか、全六編を収録。
どこにでもいる平凡な家族のもとに訪れる、かけがえのない瞬間を描いた『家日和』『我が家の問題』に続くシリーズ最新作。
笑って泣いて、読後に心が晴れわたる家族小説。
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「虫歯とピアニスト」 「正雄の秋」 「手紙に乗せて」 「妊婦と隣人」 「妻と選挙」
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タイトルには「ヒミツ」とあるが、差し迫った重大な秘密というわけではなく、五つの家族、それぞれの物語である。その家族なりに深刻だったり、真剣だったりはするのだが、傍から覗き見していると、そのシリアスさが少なからず滑稽なところもあって、ますます面白いのである。人は日々、こんな些細なヒミツをなんだかんだ言いながら解決し、家庭生活を恙なく送っているのではないだろうか。シリアスでコミカルで暖かい一冊である。
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シリーズ第三弾の家族にまつわる短編集であります
とっても心が温かくなる物語(#^^#)
他人にとっては何でもないことでも家族にとっては大問題
そんなエピソードをユーモアを交えながら語られる六つの短編
「虫歯とピアニスト」
「正雄の秋」
「アンナの十二月」
「手紙に乗せて」
「妊婦と隣人」
「妻と選挙」
特に「うるっ」とさせられたのが
『手紙に乗せて』
妻を亡くした男とその子供たちのお話なんだけど
弱い男たちの共通した想いとやさしさにやられてしまいました
息子の上司・・・・サイコー!(^^)!
家族にはその家族だけが知っている大切なドラマがあるんよ
そうだよねー 我が家!!
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奥田さんの家族物は本当に文章の上手さを感じさせられる。
題の通り、家庭の中での他人にはあまり覗くことのできない場面をこっそり覗き見させてもらっているようでドキドキしてしまう。
近くにいても生じる心の温度差、わかり合えない部分があっても家族の根底にある温かく強い絆があれば何でも乗り越えられるに違いないと思えたのが良かった。
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我が家シリーズの三作目。
いろいろな出会いと家族のそれぞれが面白く描かれる。
自分としては、妊婦と隣人と妻と選挙が面白かったかな。
うちの隣人が実は・・・だったらと実際に泣き下非ずな感じが何とも。
妻と選挙は、このシリーズのいつもの家族が登場。
今度は市議会選挙に妻が挑戦。なんかいつもほろっとくる。
悠々自適な生活をしたいって思うけど、そうなるとうちの妻も何かぽかぁんとしてしまうんだろうか。
そのためにもこのくらいの稼ぎがいいのかな。と口が裂けても言えません(笑)。頑張って働いて少し偉くならないと。。。
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ヒミツというから、家族に対して何か後ろめたいことがあるのかと思ったら、そういうことでもなかった。
普段、あまり家族のことなんて関心なさそうにしていても、やっぱり最後は家族は絆でつながっているんだなぁ、頼りになるんだなぁという気持ちにさせられた。