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忘れたい記憶を消してくれるという「記憶屋」。都市伝説なのか実在する怪人なのか。大学生の遼一は真相を探り始める。
ホラーというよりも切ない青春小説の趣が強い。誰でも忘れてしまいたい記憶はあるが、忘れることが果たして幸せにつながるのだろうか。作品に込められたメッセージが読後に貼り付くように残る。
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話自体はなんというか…ホラーでもミステリーでもないのではというかんじだし。
人間関係の描き方も稚拙。
ただ最後のベンチでのやりとり、ラストは衝撃的で心に残る。
自分なら嫌な記憶を消したいと思うか?
答えはNO。
ただ自分のしてる仕事って、臨床家って一歩間違えば記憶屋と変わらないよなと怖くなった。
人の人生に職業として関わるのは……一言でなにか影響を与えてしまうことは怖い。それは記憶屋と同じことを感じた。
クライエントは治っていくけれどこちらには記憶が残る。たぶん一生忘れない。
それが唯一できる懺悔でもあり、クライエントからもらう贈り物でもあるんだろうって思った!
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遼一の感覚はまっとう。ただ、記憶屋の能力は個人的なことに使うのでなければ、いろいろ役に立ちそうだけど。犯罪の加害者側や政治家・軍人関係への働きかけとか。となると別のジャンルの話になるか。
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サラっと話に入っていけて、読みやすい話。弁護士さんの話のとこと最後は、ちょっと感動してウルっときた( ¯ ¨̯ ¯̥̥ )
主人公の考え方もわかるけど、実際に自分が依頼者の側にたったら、そうは思えないだろうなというところで、少し反発心があった。
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エピソードが断片的で、つながり方がイマイチだった。登場人物も唐突に出てきて、説明も少なくて何度か読み返しても背景が理解できない箇所がいくつかあった。
一般的なホラーの定義がよくわからないけど、自分が求めるホラーの感じが得られなかった。
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記憶屋をめぐり、人間模様が繰り広げられていきます。
都市伝説ではありますが、あまり伝播しないのもあり、主人公の調査も一進一退ですが、少しずつ真実に近づいていきます。
消えたのは自分の記憶か、周りの人の記憶か。釈然としないままストーリーは進んでいきます。
最後は何とも物悲しく、それでいて大切なことを教えてくれるホラーです。
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◎忘れられても悲しい。忘れさせても悲しい。
でも必要であり、使命だった。
主人公は心理学を勉強する大学生の遼一。
薄ぼんやりと、存在はわかっていたのだが、本格的に信じ、調べるようになったのは好きな先輩杏子が自分のことを急に忘れてしまったことが発端。
遼一自身も何かしらの違和感があったことがあった。もしかしたらそれも「記憶屋」の仕業なのでは。
文献で探してもほとんど見つからない。ネットでもそれほど大きく騒がれてはいない。しかも自分の周りの地域が発信源らしい。ネットやオフ会で真実に近づいては見るものの、周りでは奇妙な現象が起こり続ける。ネットでの噂はやまない。
核心に触れる直前、幼なじみの真希も「忘れさせてほしい」と願ってなければいいな、と思う遼一だったが・・・
人間にはきっと「忘れたい」記憶はあるものだと思いますが、それを本当に「忘れさせてくれる」としたら、現実世界では部分的であれば記憶喪失状態になるしかないのでしょう。そういう行動ができる記憶屋はある意味ホラーで、現実離れしているのですが、この物語の中ではどうしても、口裂け女と同列に語られていることもそうさせるのですが、本当にいそうな気がしてならない。
本当にいたら、わたしも忘れさせてもらおうと思うだろうか。忘れたい記憶などいっぱいある。けれどもそれを糧に成長していくのが人間の本質だと思うのだが、その人を精神的にも物理的にも救ってあげるためには、記憶屋は本当に必要なのかもしれない。
わたしも忘れさせてもらおうと思うだろうか。人間は、意外と都合の悪いことはそのまま覚えているし、都合のいいように解釈して記憶を捻じ曲げるものだ。捻じ曲げたい記憶も多いけど、それが糧になっているのだとしたら。そして他の人の中で息づいているのだとしたら。
いつまでも結論が出ません。
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忘れたい記憶を消してくれる『記憶屋』
読みやすいし、話にも入りやすかった。
ただ、ホラーでもサスペンスでもない。
面白い題材のお話。
弁護士さんと家政夫さんの章が好きだなあ。
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忘れたい記憶を消してくれるという都市伝説の怪人「記憶屋」。
大学生の遼一は、想いを寄せる先輩・杏子の夜道恐怖症を治そうとしたが、杏子のトラウマの恐怖は遼一でも取り除くことができなかった。
杏子は記憶屋を頼り、トラウマと共に遼一のことも忘れてしまう。
それから遼一は記憶屋の真相を探り始めるが、どんどん周りの人が不自然に記憶を失っていき・・・。
この小説は切ない物語。
ホラーとうたっているけれども、ホラー要素は全くなく、ミステリーで、切ない恋物語。
(ネタバレあり)
高原弁護士と家政夫の外村の関係がすごく良い。自分の終わりが近いことを忘れるように振る舞う高原。外村が記憶屋に高原の死にゆく記憶を消すよう依頼するシーンで、それを高原自身が拒むのがまた良い。
高原弁護士は単なるサイドキャラだと思いきや感動させてくるね。
高原の「特別好きってわけじゃないけど何かおもしろい奴だったなって」「死んでも泣く程じゃないけど、葬式くらい出てやってもいいかって思えるような」って思われる人が理想って考えはスマートですごい好き。
要と操の話もまた切ない。
幼馴染で大切な存在だからこそ、操の告白を「頼むからやめてくれ」と冷たく断ってしまった要。
操が記憶屋に自分の記憶を消すよう依頼した理由は今となっては推測するしかないが、「要と「友達」に戻るための唯一の方法だったから」という理由は哀しい。
誰が記憶屋なのか、終わりはどうなるのかなど謎は深まるばかりだったが、まさか真希が記憶屋だったとは予想外だった。
遼一は恋愛物語の主人公ばりに、真希を妹としか見ておらず、真希の気持ちに気づくそぶりすらない。
「守ってなんて、くれなくていいよ。あたしを守ろうなんて、思わないで」「そんなのいらない、から」
「一度だけでいいから・・・」
「あたしのこと、好きになって」
そう言って真希は遼一の記憶を消す。
おそらく、真希は過去に何度も遼一の記憶を消しているのだろう。その度に真希はやり直し、遼一に好きになってもらいたいと願うが、遼一は振り向かない。
振り向かずに記憶屋のことを調べる遼の記憶、好きな人の記憶を消さざるを得ない真希。
真希の気持ちは哀しく切なすぎるが、遼一が振り向かないのは、真希が遼一の記憶を消すがため、遼一の中では幼馴染の妹のような存在としての記憶しか積もっていないのではないか。
記憶の積み重ねで真希のことを好きになってくれる可能性もあるのに、真希は遼一の記憶を消してしまう。
その辛い悲しい経験を真希が繰り返しているのかと思うと、とても切ない恋物語だと思う。
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まあまあ面白かった。弁護士の話はちょっと悲しい。続編もあるらしいので,続編では成熟した記憶屋の話が読めるのかもしれない。
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自分の周りでおきる記憶を失った人たち。
主人公は記憶と共に忘れられるという悲しみのもと、「記憶屋」という都市伝説を追う。
弁護士の話が涙腺ゆるみました。
嫌な記憶を忘れる方が生きやすいのか、それとも記憶を消すことは過ちなのか。
とても難しいテーマだと思いました。
そして、オチには驚きました。切なさが広がります。
ホラー文庫なので不気味な展開ではありましたが、人間ドラマが描かれていたように思います。
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面白かったですが、ホラーではないです。記憶を消せる記憶屋という都市伝説にまつわる話。切ない系の恋愛オムニバス。
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★ネタバレありです★
途中までは”泣けるほど切ない”という本の紹介通りだと思って読んでいましたが、最後で、盛り上がっていた気持ちが少し醒めてしまいました。
高原弁護士のエピソードは泣けました(高原のような若くてハンサムな弁護士さんが現実に存在するかは疑問ですが…)。
要&操のエピソードも記憶を消したくなる気持ちは理解できましたし、忘れられてしまった要の気持ちを考えると切なくなりました。
でも、真相に近づきつつあった遼一の記憶を消してしまう、そんな記憶屋の動機には共感できませんでした。杏子先輩の記憶から遼一を消し去ったのも、ひょっとすると故意だったのかもしれないと思えてしまい…。
途中までは感動して読めたので、★3にしました。
成長した記憶屋を見られることを期待して、続編も読んでみようと思います。
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”記憶屋”と言われ人の記憶を消す人物。主人公は友人・知人の記憶が突如欠如していることを知り、その都市伝説を追うことになるが…。
こう書くとサスペンス調だし、多少そういう展開もあるが、なんとなく「エターナル・サンシャイン」を換骨奪胎した感がある。
例えアイデアがおなじでも話の展開がしっかりしていれば、そういう印象もなかったのだろうが、とにかく展開が間延びしていて退屈。同じ話や状況説明が延々と続く。元は連載物かなんかだろうか?
主人公のキャラもさほどのこともなく、どの登場人物も造詣が浅い。そのうえで展開がのろいと退屈。
文章自体は下手ではないので次回作に期待かな?
ただ、この続編はやめた方がいいだろうな。
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人の願いを聞いて、嫌な記憶を消してくれる記憶屋。
都市伝説と思われていたが、自分の想い人の記憶がなくなり、記憶屋を探す遼一。
記憶屋に関わった人たちとの出会いを経て、記憶屋にたどり着くが・・・。
もっと感動できる話になるかと思いきや、そうでもなく。
ミステリーがあるかと思えばそうでもなく。
自分には少し物足りない作品でした。