紙の本
ベテラン実況アナウンサーがスポーツ実況中継の神髄を語る
2016/04/18 16:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
1986年メキシコワールドカップでの「マラドーナの5人抜き」を当時実況で「マラドーナ」の連呼だけで表現し、その後も数々の名実況で知られる元NHKスポーツアナウンサー山本浩氏によるスポーツ実況の裏側や、著者の経験から述べられる「実況論」です。「ピッチャー第一球を投げました」というごくありふれたフレーズを投手のどの動作でしゃべり始めるのか、野球やテニスとサッカーなど競技によるリズムの違いなどの実況技術論、選手へのインタビューの際に厳守すべきこと、中継だからこそ発生する実況現場での数々のアクシデント、デジタル放送など放送技術の進歩によるアナウンサーの役割の変化など、「しゃべりのプロ」として1冊の本が書けてしまう事に感服しました。
最近のスポーツ中継で、絶叫系の実況や、中継対象の競技への知識が疑われるようなタレントをゲスト起用する中継スタイルなど、競技に集中できないスポーツ中継が増えたように感じます。またインタビューや解説者とのやりとりで、競技に関する深い知識や経験談などをうまく引き出せていないケースも散見されます。これらに対する山本氏の指摘は的を得たものと感じました。感動の押し売りみたいなショーではなく、勝負の駆け引きの緊張感や、分かりやすいルール解説など視聴者が落ち着いて競技に集中できるスポーツ実況中継が増えてほしいと思います。
投稿元:
レビューを見る
力作。
スポーツアナウンサーが書いた、実況を中心とした新書。
ラジオからテレビ、カラー、ハイビジョンと変わる中で、アナウンサーの仕事も変わってきた。これからも、変わっていくことだろう。
投稿元:
レビューを見る
かつてNHKでサッカーをはじめ、様々なスポーツの実況を行っていた著者が、実況の歴史(意外に浅い。そしてテレビ技術の進歩と密接な関係がある)から裏側までを紹介した本。思っていた以上に実況の世界は奥深かったです。
本書の中で紹介される劇作家・水木京太の「(実況は)目を耳に翻訳する工夫や、適宜のモンタアジユに依って生きて来る」という言葉がとても印象に残りました。「目を耳に翻訳する」って、なんて言い得て妙!!これほどまでに「実況とは何か」を正確に簡潔に表現した言葉は無いのではなかろうか。
投稿元:
レビューを見る
1986年メキシコワールドカップでの「マラドーナの5人抜き」を当時実況で「マラドーナ」の連呼だけで表現し、その後も数々の名実況で知られる元NHKスポーツアナウンサー山本浩氏によるスポーツ実況の裏側や、著者の経験から述べられる「実況論」です。「ピッチャー第一球を投げました」というごくありふれたフレーズを投手のどの動作でしゃべり始めるのか、野球やテニスとサッカーなど競技によるリズムの違いなどの実況技術論、選手へのインタビューの際に厳守すべきこと、中継だからこそ発生する実況現場での数々のアクシデント、デジタル放送など放送技術の進歩によるアナウンサーの役割の変化など、「しゃべりのプロ」として1冊の本が書けてしまう事に感服しました。
最近のスポーツ中継で、絶叫系の実況や、中継対象の競技への知識が疑われるようなタレントをゲスト起用する中継スタイルなど、競技に集中できないスポーツ中継が増えたように感じます。またインタビューや解説者とのやりとりで、競技に関する深い知識や経験談などをうまく引き出せていないケースも散見されます。これらに対する山本氏の指摘は的を得たものと感じました。感動の押し売りみたいなショーではなく、勝負の駆け引きの緊張感や、分かりやすいルール解説など視聴者が落ち着いて競技に集中できるスポーツ実況中継が増えてほしいと思います。
投稿元:
レビューを見る
実況中継のような文章でサクサクと読めた。
ありきたりの質問しかしない、どこかの芸能リポーターこそ読んでみたらどうだろう。
投稿元:
レビューを見る
『実況の真髄』という副題に違わぬ内容で、アナウンサーも非常に難しい職業なのだなあと感じた。
どの職業もそうなのだろうけれど、才能だけではだめだし、準備というものが非常に大切だし、かつ臨機応変に対応できないといけない。
難しい世の中になってきたなあと思う。楽な仕事はない。そうなると、もう好きなことを選ぶのがよいのだろうと。
学生はこういう本をいろいろ読んで、働く自分を想像してみるのがよいと思う。
投稿元:
レビューを見る
大好きなアナウンサです。
山本さんの実況でサッカーみてそだった世代ですので。プロフェッショナルぶりに敬服します。
自分の仕事を極めたいものです。
投稿元:
レビューを見る
スポーツ実況の現場がどんな感じなのか、アナウンサーは何を考え、何を気にかけながら喋っているか、について語られた本。
中継というものが始まったときから現代まで、技術や道具の進化とともに実況の現場も変わっている。ナマの映像しかなかったときから、過去の映像やデータの山など、資料がたくさん割り込んでくる現代。それぞれに、いいところと悪いところがある。
スポーツによって違ってくる、実況のリズムの話も面白かった。試合後のインタビューの心得なんかも。
全体としては少しクドい。同じような表現が何度も出てきて、あまり頭に入ってこない部分も・・・。もうすこし、図解とかがあるとより良かったかも。
投稿元:
レビューを見る
内容の全体が、鋭く簡潔に、かつ「伝わる」ように、必要十分な表現で貫かれている。
ラジオ実況の時代から、テレビ実況の時代に、そしてVTRを多用する時代に、それぞれの節目で実況放送の言葉の出し方は、変化してきた。いま、画面で見える情報を、実況者はどうサポートするか、リズムを保ちつつ、「受け取り手」が望んでいる情報をどのようにリアルタイムで編集し、発話するのか。また、インタビューでは「裸の質問」を避け、あくまでインタビュアーの「見立て」で骨組みを立てた聞き方をするべきだ、など、アナウンス技術にとどまらず、コミュニケーションにおける重要なポイントが解説されている。
投稿元:
レビューを見る
スポーツ中継を見るのが好きな人にはとてもお勧めの一冊です。
山本氏はNHKで大活躍されたアナウンサーです。
その山本氏はスポーツ実況について事細かく書かれています。
実はワタクシ、20歳代の頃は筋金入りのスポーツオタクでした。
その頃に読めば、本当に面白かったと思います。
しかし今は家にテレビがありません。
そのためスポーツ中継は一切、見ていません。
というかテレビが無いので見れません。
なので今の私には役に立たない本でした。