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前半はブラジルに宣教したイエズス会士がとまどったインディオ(トゥビ族)の「きまぐれ」の問題が書かれており、後半は戦争捕虜をとる食人の問題がかかれている。食人は集団外部によって保証される「栄光ある死」とかかわっていたが、イエズス会が「外部」となり、これの代替になったので、1560年代にはすでに滅びかけていたことが報告されている。理論化はまだ不十分であると感ずるが、シンディオの心情はよくわかる。モンテーニュ『エセー』の「食人族について」の記述をやや補っている。
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ブラジルのインディオ、トゥビナンバ族は、16-17世紀の宣教者達にとって、簡単にキリスト教に改宗するのに、またすぐに反キリスト教的な慣習ー飲酒、復讐、食人、一夫多妻ーに戻る「気まぐれ」な人々であった。
しかしそれは、「気まぐれ」ではなく、彼らの文化に根差すものであり、「信仰」という形を取っていなかったにせよ、彼らの信ずるところであった。
余りにも異なる在り方が興味深い。
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大学の授業で読みました。私はあまり人類学に明るくはなく、人類学の知識がないとわからない箇所がいくつかあった。それでも内容は非常に興味深く、当時の南米での宣教師からみた先住民インディオの「気まぐれさ」を分析している。復讐や食人など、彼らの「文化」はとても独特で、またカストロの考え方も大変勉強になった。