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装丁も美しく、話も美しい(^o^)しかし、その美しさが哀しい(T-T)辛いこと、苦しいことから逃れて、少しずつ神様に命を返しながら生きて行くって素敵だなぁ(*´-`)そんな世界に行ってみたいけれど、心が砕けてしまうくらい辛い経験が無いし、財力も無いから、本を読んで現実逃避します(^_^;)
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森さんの今までの作品からすると別テイストな気がしました。
人が何故生まれたのかと、『自分の人生にこだわりを持つ』けれど、神様から命をお借りしているだけと考えれば、すべてがちっぽけに思えて、ラクになれる。
自分の躰も『容れ器』に過ぎない。
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[図書館]
読始:2016/8/31
読了:2016/9/4
初めてまともに読む森博嗣(の小説)。
予約した理由は装丁からだが…装丁は予想どおり鈴木成一デザイン室であった。
まだ序章を読んだだけだがなかなか辛い。厨二な人が好きそうな文章だなぁ、でも父親に虐待?されていた女性の心情としてもはまったく真に迫らない、他人事として書ける立場の人の文章だなぁ(語り手が解離症状ぽいので正しいといえば正しいのかもしれない)、あの傲岸不遜そうなオッサンがこれ書いてるかと思うと受け付けないなぁ、という感想。今のところ。
読み終わって追記。
序章て感じた違和感がそのまま最後まで残った。小説としてプロットが面白いかと言うとごく単調でありきたりだし、「幻想小説」というからには文章そのものを味わうのかと言うと特に美しさを感じない文章だし、あだち充的な「雰囲気」に浸る小説なのかと言うと流れる空気は厨二向けだし…。
良い読書をしたとは言いがたかった。
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お金持ちの奥さまとそのまわりの死。夢と現実。実像と影。
途中ミステリーかとおもいきや精神世界。
C0093
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なるほど,谷崎風…って感想を書くほど谷崎潤一郎を読んでいないが~15歳年上の元華族で貿易商に嫁いだ彼女は幼い頃は父に支配され,嫁いでからも主人に叱られ叩かれることもあった。主人の会社の通訳をしている一つ年下のハセガワに惹かれるが,古いアパートの浴槽で手首を裂き血を失った姿で発見された。主人の従兄の妻の連れ子ススムが母を失って,医学部に進学するために家に住むようになったが,舞踏会で顔見知りになった代議士に押し倒されているところをススムに救われたが,代議士のタカヤナギは頭を打って死んでしまった。雨の夜,ベランダで雨に打たれた衣類を脱がしてくれたのはススムなのだが,ススムは庭の薔薇に囲まれ首を吊って死んでしまった。夢と現実の違いが曖昧になった彼女は,山奥の療養所で暮らすようになり,彼女の前にはハーモニカを奏でる少年が現れたが,誰も信じてくれない。やがて少年の姿を見掛けなくなり,主人が迎えに来て家に帰り,主人の謝罪を受けたが,その主人も心臓病の発作であっけなく死んでしまった。夢現の境がなくなった彼女は療養所に戻り,ハーモニカ少年にも再会するが,家の近くに病院が出来,その病院でのパーティ席上でナイフを振り回す男の前に身を投げ出して彼女は命を神様に返上した~プラトンによるとすべての事物はイデアの影で,イデアこそが実体を持つものだと言う。それが解っていないと,変な話で終わっちゃうよね。ま,異色は異色
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【あらすじ】
彼女は病院にいる。館を離れ、あの家政婦から逃れ。彼女は思う。彼らとの出会いと別れを――。理知的でリリカル、不可思議で繊細。ガラス細工のような「幻想小説」。
【感想】
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『それは、もう何度も何度も考えた。繰り返し疑問を言葉にした。でも、答はない。たとえ答があっても、元には戻らない。そして、幾度も言葉を重ねることで、その言葉を軽くしようとしているみたいで嫌だった。現に、今では涙も流さずに、それは考えることができる。
悲しさは遠ざけることができるのだな、と思った。』
「この丘に眠る者たちの影が踊っている」
「お墓のこと? ー あの石は、お墓なの?」
「優しく痩せ衰えて、綺麗に死のうとした人たちだよ ー 命というものを嫌ったわけではなくて、ただ、少しずつ、丁寧に、神様にお返しすることにしたんだ」
「墓標はなにも語らない。言葉がいらないことが、美しさと正しさを物語っている。羊飼いのラッパを聴いてごらん。それは、みんなの命をつないでいる。だから、迷っている命が集まってくる。愛情とか欲望なんて、土の中へは持ち込めない。悲しみだっていらない。静かにじっとしているのに、そんなものは余分なんだ。そうでしょう?」
『自分が弱っていくのがわかった。
これは、ゆっくりと、命を少しずつ神様に返しているのだ、と思った。』
『あのディーゼルカーに並んで座り、窓の外を眺めているときは幸せだった。幸せというのは、躰を寄せて、同じものを見ることなのだと思った。』
『何故、生きているものは死んでしまうの?
ずっとそのままでいられないのかしら?
ずっとでなくても、もう少しだけでも、そのままでいられないの?
悲しいことが好きなのね、きっと。』
『いつだって、影は彼女と一緒だった。楽しいときも辛いときも、喜びに溢れる一瞬も悲しみに沈む長い夜も。みんないなくなってしまったけれど、彼女はまだ生きている。自分はここにいる。命をすべて返しきれていない。
神様、もう少し待って下さい。
もう少しですよね?』
『神様から命をお借りして、この死というものを体験させてもらう。
そんなツアーを、人生と呼ぶのだ。』
『ここには、彼女しかいない。
この孤独が、彼女のすべてであって、同時に、この上なく愉快だった。
神様、どうもありがとうございます。
こんな、楽しさをいただいて、いえ、お貸しいただいて。
でも、いつ返せば良いでしょうか?
もう、そろそろですよね?
ちがいますか?』
「誰だ、お前は」
「私? えっと、名前は思い出せないわ。でも、もうお墓に名前が彫ってある大丈夫なの」
「あっちへ行ってろ、関係ねぇだろ」
「関係ないわ。でも、そうだ…、そのナイフ、それで私を刺してくれない?」
「何だとぉ?」
「良い機会だと思ったの。もう、これくらいで良いのかしらって」
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年の離れた夫と家政婦と暮らす彼女。会社社長である夫は、時折手を挙げるが二人は静かに暮らしている。
そんな彼女の周りに現れいなくなっていく男たち。心のバランスを崩していく彼女。
谷崎純一郎の小説にインスパイアされたのであろうか、章ごとに「細雪」の一部が掲載されている。
森博嗣は、こんな小説も書くのだ。
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図書館で、綺麗な装丁に一目惚れ。森さんのお話はシリーズものが好きなんですが、あまりに綺麗な本だったんで。
幻想小説……うん。そうだな。赤目姫に通じるような……通じないような……
生死感が森博嗣節(笑)ある意味四季シリーズに通じるものがあるような。
装丁も雰囲気も好きだけど、なんとなくモヤッともする一冊。
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千歳図書館から借り出し。
白い表紙に白いレースが描かれた透明のカバー。
レースは薔薇、梟、窓、メリーゴーランドの模様が描かれている。
各章のタイトルは、
プロローグ
薔薇の小径の人
異邦の少年の歌
療養所のハモニカ
季節を見送りながら
エピローグ
となっている。
内容は耽美趣味な、映画「ブラックスワン」が近いだろう。
谷崎潤一郎の没後50年(著作権が切れる)記念作品として書かれ、各章の冒頭引用文は谷崎潤一郎「細雪」から。
イデアとは、もともとは、ものの見える形、ものの外観という意味だが、プラトンはこれに理性によって認識できる真の実在という意味を与えた。感覚でとらえられる日常世界のものが生成消滅する不完全な時間的存在であるのに対して、イデアは移ろいゆく感覚的な物事の原型・模範であり、永遠不滅の真の実在である。
~プラトンは個々の事物はイデアの不完全な模像、イデアの影のようなものであり、イデアを分かちもつ限りで存在性をもつというイデア論を説いた。
濱井修、小寺聡(2014) 倫理用語集 山川出版社 p45
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せかいが、わたしが、壊れていく。ひと片ずつ。
銀でできた鳥籠、が、雲の籠掛けから落ちたとき、大空へ飛び立つのは一羽の白い鳥か。それとも。
喪うことの美しさを堪能する作品なのかな? と思ったりしました。
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神様、神様、私は美しく生きられましたか?
お預かりした魂を、美しいままに返せましたか?
私は美しいものを見れましたか?
世界は美しいですか?
私の見ているのは、現実ですか? 夢ですか?
現実って、なんですか?
私は生きていますか?
死んでいますか?
死ぬってなんですか?
生きるってなんですか?
あぁ、でも神様。
私はきっと美しいものを見ました。
ありがとうございます。
そんな言葉が溢れてくる一作。
内容は、「私」の周りで、親しくなった人が死んでいき、
「私」は療養所に行き、
出会い・・・別れ・・・
これは病が見せる幻覚?
現実?
そんな話です。
心に残る美しい一作でした。
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なんだろう…純文学のような作品はどちらかと言えば苦手だし、幻想小説はあまり読まないし、谷崎潤一郎も読んだことがないからどの辺りがオマージュなのかは分からなかったけれど、この作品は読みやすく、引き込まれた。文章が淡々としているからかな?温度がない感じが森博嗣っぽい。
色々考察は出来るけれど、作品の中で描かれたことを一旦そのまま受け止めてみてからかな。
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谷崎潤一郎没後50年・生誕130年の谷崎潤一郎メモリアルイヤーに
中央公論新社から出版された小説。
谷崎潤一郎の「細雪」が扉に引用され、オマージュとなっている。
ミステリーというよりかなり文学的。
不思議な雰囲気を纏った物語だ。
装丁も合っていて、真っ白な本に透明なカバーという
とても美しいものになっている。
イデアの影と言えばプラトンの洞窟の比喩。
段々と夢と現の境がわからなくなっていき、
そもそも何が現実だったのかもわからず、
ふと気がつくと底しれぬ恐ろしさを感じる。
「命を少しずつ丁寧に神様にお返しする」
「死の理由は生なのだ」
という言葉が良かった。
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綺麗な幻想小説だけれど、谷崎潤一郎没後50周年としては変態的要素が少なかったか。
とにかく装丁が良いので単行本で買うべし。例え読まなくとも。