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筆者の生まれ故郷である瀬戸内海に浮かぶ小さな島が舞台。美しき海にかけられた本土とを繋ぐ白い吊り橋をモチーフに、島に生まれ育った人々の屈折した人生を鮮やかに切り取った短編ミステリー作品。特に行方不明になった父親の帰りを健気に待つ母と幼き息子二人の前に現れた親切なオジサンとの関係を描いた"海の星"。オジサンが二人にあんなに親身にしてくれた真実とは。。特徴は愛赦憎闘など女性の複雑な心模様を鮮やかなストーリーに仕立て、きめ細やかに描いた事。そして、読者の固定観念を周到に利用し、物語全体に謎を絶妙に溶け込ませた事かな。読み易い文体にてスイスイ読めます。が、大事な伏線を読み飛ばさぬようジックリ読むのがオススメ。因みに日本推理作家協会賞受賞作、名作ですよ。
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文庫の裏のあらすじも読まず作者買いしてしまった。
またやってしまった・・・。
短編集は苦手なのに、これまた短編集だった。
これは島に住む人のあらゆる気持ちを書いたミステリ作品。
短編集が苦手な私にも十分楽しめる作品だったが、
もう少しその後とかが気になったものが何作か・・・。
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久しぶりにミステリーを読みたくなり、湊かなえさんの本に手をつけました。
最後の方まで長編ミステリーと信じて読み進めていたので最後に話がまとまらず、あれ、短編か。と気付いた始末だったのですが、一つ一つの話は心をゆさぶられ、ミステリーですが涙がたまった場面も多くありました。
もう一度読んでみようと思います。
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白綱島を舞台に島に残った人、去った人、戻った人たちの短編ミステリー集。
一つ一つの話は完結し、話の持っていき方はすごいと思うが、最後に全てが合わさるのかなと期待してた分、ちょっと落胆。
次は、短編集としてじっくり読んでみたい。
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作者の出身地とおぼしき白綱島を舞台にした連作集。
ミステリー大賞を受賞した作品だが、それほどミステリー色は濃くなく、普通の小説としても読める。
ただ、作品はいまだに因習にとらわれている住人(あるいはわざわざ自分で因習にいる囚われ行く人)を主人公としており、あまり後味がいい作品ではない。
私は、この舞台となった島に行ったこともあるが、ちょっと営業妨害かもしれない(笑)
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ミステリーなのかな?
海の星は面白くて、短編なのに頭に残る作品だった。1話目はミステリーらしくて、最後にドキっとした。歌手になった話も結構好きだった。
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2016,3,5読了
一つ一つの物語の中に島暮らしの閉塞感が詰まっていて、登場人物の心情を疑似体験すると息苦しい。
だけど主人公たちが抱える閉塞感の正体は、実は視点の狭さだけなのかもしれないとも思う。自分で自分をがんじがらめにしている様な人とは関わりたくないけど、そういう嫌いなタイプの人間が沢山出て来る作品。
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故郷だなんて呼べる場所がある人ばかりでないけれど、
人生を回顧する場所は欲しいなと思った。
私は大衆主義に批判的なので理解ができないが
イジメを根絶することはなぜできないのか、
どれだけ小さな社会でも
人が人に無関心になれない限り生じるそのくだらない負のスパイラルをどうして無くせずにいるのか、首を傾げて本を閉じた。
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良かった。泣ける話もある。短編だが一つ一つの完成度が高くよくできている。今まの作品と違い後味のよいストーリーもある。
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白綱島という1つの小さな島にまつわる話。
短編集の集まり。
最後はそれぞれの主人公たちが出会うのかと期待したけど、読み切りで終わった。
ただ、すごく面白かった。
湊かなえさん、気になっていた。
ドラマでNのためにを見て、世界観に惹かれて、湊かなえさんの作品、全て読んでみたくなった。
これはその初めの一冊。
期待以上に面白かった。
ミステリー小説だけど、あまり、ミステリーっぽく無くて、読みやすかった。
どの話も、最後に、謎が解けて、そうだったのか!と驚いた。
飽きずに楽しんで、ハラハラしながら夢中で読んだ。
最後はどの話も、ホロっと涙が出るような、感動的な話だった。
ミステリーなのに感動的。
不思議な感覚だけど面白い。
早速次の作品を買った。また読むの楽しみ!
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短編だけど、伏線をしっかり回収してくれて小気味良い。
田舎や島の独特な侘しさが詰まっていて切なくなる。
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再読。島を舞台にした短編集。田舎の島独特の閉塞感、そこから脱出し、外の世界に逃げ出したいとあがく切迫感、故郷に対する嫌悪感、それでも故郷を捨てきることのできない複雑な気持ちが「望郷」というタイトルに集約されている。確かに共感するのに、共感することが後ろめたいような気にさせられる、甘くない作品だ。
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思わぬところで自分の弱いところに触れられた気分。あらゆる家族のカタチ、ルール。他所は他所はなんていって冷めた気持ちでいては到底のめり込めない。
解説にもあった「可能であるのに、何かに阻まれてできない」。中の人にしか体験できない苦しみが、何かと何かが繋がることが光りの道とは限らないと教えてくれた。
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ミステリー要素がありつつ、ほとんどの話が読んで感動するものばかりだった。
特に「雲の糸」には涙がこみ上げそうにになるくらい。
噂が広まりやすい島特有の空気感や人間関係がどの話にも表れていた。
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瀬戸内海の白綱島が舞台の6つの物語
島に対して色々な思いを持った人々
ある者は島を出て行き、ある者は島に残り、ある者は一度島を出るが帰ってくる。
6つの物語主人公ほとんどが島に対していい思い出を持たず成長していく。
大きくなったからこそ分かる事実や思いが切実に書かれている。
最後の解説でこの白綱島は湊かなえさん出身の因島がモデルとなっていると書かれていた。
自分も瀬戸内海に面した街に住んでいるので何か心に響くものがありました。