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瀬戸内海にある白綱島を舞台に、島に残った人、島を出て行った人、島にやってきた人などそれぞれの思いが交錯する、ミステリー要素のある短編集。
あらためて、湊かなえさんは人間の心の奥に積もっている澱のようなものを描くのが本当に上手いと思う。上手すぎて、例えば島の閉塞感であったり、卑屈ともいえる鬱屈した感情がじわじわとせまってくるので、後味はあまりよくない。すばらしい筆致だと思うし、湊さんの読後感の良い他の作品よりもお話としての完成度も高いと思うので、これこそが「イヤミス」本領発揮なのかと。
自分が閉鎖的な土地で暮らしたことがないので、どのくらいのリアリティがあるのかはわからないけれど、もしも本当にこんなに閉鎖的な場所があるとするならば、暮らしていくのはかなりしんどいだろうな。でも、「海の星」「石の十字架」などは、人のつながりや静かな情を感じられて、ほっと気持ちが和む。
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島で生まれ育った人々が語る6篇のエピソード。限られた生活圏における閉塞的な人間関係は深い親密さと共に、時として強い嫌悪感をもたらす。そんな状況にあって心の闇から起こるそれぞれの事件は暗く重たいものだが、著者には珍しくどこか希望の光をのぞかせる結末が救われる。
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凄かった。
短編ひとつひとつが重たい。なのにどんどんページを捲らせる。暗めで気が滅入るのに読んでしまうし、最後に少し光(救い)をくれるので嫌な印象が残らない。
どの主人公も瀬戸内海にある白綱島の関係者で、島に寄せる思いは愛着であったり、憎しみであったり。
そこで織りなす人間関係がその場所の記憶となっている。
読んで受けた印象は正直、湊さんはご出身でもあるモデルの島があまり好きではないのかな、と複雑な気持ち。
物語自体は驚く展開もあり、伏線もあり、心理描写も巧みでとても面白かったです。
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湊かなえならではのイヤな文章もあるけど、これは読後感はそこまで悪くなかった。
でもいつもの読後感の悪さを求めると、全然満足できない。
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白綱島という架空の島を舞台にした、連作短編集。
島のモデルは著者の故郷の島だとか。
湊かなえらしい、人間の心理の奥底を穿り出す、ミステリータッチの6作品。著者の作品は、しばしばイヤミスの類型に括られがちだが、それぞれにに救いがあり、けっして後味は悪くない。
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短編集はあまり好きではなかったが、一つ一つの話が濃く(そして重く)、次々とページが進んだ。
白綱島を舞台に、島を出て行った人、残っている人、戻ってきた人、新たに来た人、と様々な人の視点からいくつもの物語が紡がれている。
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筆者の生まれ故郷である瀬戸内海に浮かぶ小さな島が舞台。美しき海にかけられた本土とを繋ぐ白い吊り橋をモチーフに、島に生まれ育った人々の屈折した人生を鮮やかに切り取った短編ミステリー作品。特に行方不明になった父親の帰りを健気に待つ母と幼き息子二人の前に現れた親切なオジサンとの関係を描いた"海の星"。オジサンが二人にあんなに親身にしてくれた真実とは。。特徴は愛赦憎闘など女性の複雑な心模様を鮮やかなストーリーに仕立て、きめ細やかに描いた事。そして、読者の固定観念を周到に利用し、物語全体に謎を絶妙に溶け込ませた事かな。読み易い文体にてスイスイ読めます。が、大事な伏線を読み飛ばさぬようジックリ読むのがオススメ。因みに日本推理作家協会賞受賞作、名作ですよ。
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文庫の裏のあらすじも読まず作者買いしてしまった。
またやってしまった・・・。
短編集は苦手なのに、これまた短編集だった。
これは島に住む人のあらゆる気持ちを書いたミステリ作品。
短編集が苦手な私にも十分楽しめる作品だったが、
もう少しその後とかが気になったものが何作か・・・。
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久しぶりにミステリーを読みたくなり、湊かなえさんの本に手をつけました。
最後の方まで長編ミステリーと信じて読み進めていたので最後に話がまとまらず、あれ、短編か。と気付いた始末だったのですが、一つ一つの話は心をゆさぶられ、ミステリーですが涙がたまった場面も多くありました。
もう一度読んでみようと思います。
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白綱島を舞台に島に残った人、去った人、戻った人たちの短編ミステリー集。
一つ一つの話は完結し、話の持っていき方はすごいと思うが、最後に全てが合わさるのかなと期待してた分、ちょっと落胆。
次は、短編集としてじっくり読んでみたい。
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作者の出身地とおぼしき白綱島を舞台にした連作集。
ミステリー大賞を受賞した作品だが、それほどミステリー色は濃くなく、普通の小説としても読める。
ただ、作品はいまだに因習にとらわれている住人(あるいはわざわざ自分で因習にいる囚われ行く人)を主人公としており、あまり後味がいい作品ではない。
私は、この舞台となった島に行ったこともあるが、ちょっと営業妨害かもしれない(笑)
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ミステリーなのかな?
海の星は面白くて、短編なのに頭に残る作品だった。1話目はミステリーらしくて、最後にドキっとした。歌手になった話も結構好きだった。
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2016,3,5読了
一つ一つの物語の中に島暮らしの閉塞感が詰まっていて、登場人物の心情を疑似体験すると息苦しい。
だけど主人公たちが抱える閉塞感の正体は、実は視点の狭さだけなのかもしれないとも思う。自分で自分をがんじがらめにしている様な人とは関わりたくないけど、そういう嫌いなタイプの人間が沢山出て来る作品。
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故郷だなんて呼べる場所がある人ばかりでないけれど、
人生を回顧する場所は欲しいなと思った。
私は大衆主義に批判的なので理解ができないが
イジメを根絶することはなぜできないのか、
どれだけ小さな社会でも
人が人に無関心になれない限り生じるそのくだらない負のスパイラルをどうして無くせずにいるのか、首を傾げて本を閉じた。
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良かった。泣ける話もある。短編だが一つ一つの完成度が高くよくできている。今まの作品と違い後味のよいストーリーもある。