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拉致被害者で2002年10月に、小泉首相の日朝首脳会談の成果で日本に帰国することが出来た5人のうちの一人蓮池薫さんの兄・透さんが書いた本。
安倍晋三は当時から拉致被害者の問題で何もして来なかったというのはよく分かるが、表題は少しオーバー。
それよりも家族会が決して一つになっていない、というのがよく分かった。
帰国出来た被害者の家族とそうでない家族、多額のカンパ金の管理と処理、夫婦の性格の違い、家族会の政治利用、加害国と被害国の立場etc.
巻末の青木理さんとの対談が、少し偏ってはいるけど、より裏側が分かって、一番良かった。
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あの青いバッジを付けてる輩は、拉致に取り組んでますよ感を出しながら何となく胡散臭さを感じてたが、"やはり"と言う感想。特に安倍なんて解決の能力も無ければやる気もないんだね。
家族会も被害者と言う一点で繋がっているだけで、考え方も違えば帰還と死亡宣告を受けた家族では立場も違うから、仕方はないけど一枚岩ではなかった。何となく暴露本のような感じで後味は良くなかった。
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拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々 単行本 – 2015/12/18
2016年5月5日記述
拉致被害者へのカンパ金は横田滋ファンドに渡り本人に渡らない
北朝鮮拉致被害者蓮池薫氏の実兄の蓮池透氏の著作。
題名が過激で2016年1月の国会でも取り上げられ話題となった。
当初いわゆるトンデモ本なのかと疑いすら持った事を覚えている。
しかし世間に少しでも注目してもらう為にあえてこういった題名にしたのだなと読後は思った。
拉致事件の報道の裏側で何があったのかがよく分かる。
驚いたのは5人が帰国する際の対応する参与室に人員が居なさすぎで蓮池透氏が事務業務をおこなっていた。
また5人を迎えるにあたり花束が必要だというので購入しようとしても参与室に予算がなく家族達が自分たちで用意したものだった・・
薫氏が拉致された1978年7月31日から書かれている。
警察に届け出たものの全く動きがない。
結局、国に対して大きな期待は出来ないということだろうか。
自己責任などとは言いたくない。しかし自分の身は自分で守るしかない。
悪質なのは北陸で捕まった北朝鮮の工作員と思われる在日朝鮮人(李秋吉)を釈放してしまうなどの致命的ミスを犯した石川県警。(宇出津事件)
この1977年に起きた事件情報をマスコミが報道し各県警が共有していたら拉致被害者数はもっと少なく済んだのは間違いない。
北朝鮮による拉致事件は人災の面もあるのだ。
蓮池薫氏は北朝鮮で生き抜く為に指導員達への読心術、
相手が何を望んでいるのかを推測する力が向上したのだという。
いわれる前に行動すると非常に受けが良い。この辺の能力は日本でも役立つことは間違いない。
もちろん全ての項目に対して著者に同意しているわけではない。
例えばP132の家計に対する補助の融通が効かない点。
税金、公的資金を入れる都合上、厳密な区分け(薫氏の分だけ)が必要なのはやむを得ない。政治資金とこの点は似ている。
また巻末の青木理氏との対談もやたらと北朝鮮に甘い青木氏の言動に違和感を覚えた。
日本の自称リベラル派は拉致問題が無かったとしても力を失っていたと思う。
社会運動を行うことの難しさを改めて痛感した。
小林よしのり氏の薬害エイズ問題の運動について著した脱正義論や新しい歴史教科書をつくる会の運動、それに伴う内部での権力争いを描いた作品をかつて読んだけれどもそれと似たことが拉致事件の運動でもあったのだ。
蓮池透氏もかつで過激派、右派的な言説が目立った。しかし今は当時とずいぶん考えも変わり柔軟になった。また当時の過激発言に対し赤面の思いを持っていると述べているなど素直に反省している点は好感を持った。
右派の欺瞞に気付いた事もあったのだろう。
蓮池薫氏の母校が甲子園に出場し見に行った際にTVカメラが薫氏をとらえだすと地元の国会議員がこぞってカメラにうつるために薫氏の近くに陣取ろうとする姿は確かに醜悪だ。
安倍総理の近くでいつも映ろうと努力している世耕弘成���閣官房副長官への批判でもある。
本書には傾聴に値する指摘は数々あった。
安倍晋三氏、中山恭子氏は薫氏達を当初北朝鮮に戻すつもりであった。
拉致事件は政治利用され尽くしてきた。
ブルーリボンバッチ、各種選挙での講演の依頼。
日本政府・外務省の手柄にならないことは全て排除する。
(非公式ルートの死滅、山崎拓、藤本健二)
家族会は救う会のオルグにより右翼的な主張をするようになった。
増元照明氏は2004年参議院選挙に立候補、落選。
その後事務局専従となり手当てをもらっている。
増元氏の結婚や子供の誕生がある度に扶養手当を増額している。
*蓮池透氏も事務局長を勤めた。しかし著者は一切報酬は受け取っていない。
増元照明氏は自分の一存で飯田橋の一等地に20坪、家賃20万円の事務所を借りて家族会事務所を構えあとで承認を得るということをしている。
2014年には次世代の党公認で宮城二区から衆議院選挙立候補。落選。
拉致被害者へのカンパ金は横田滋ファンドに渡り本人に渡らない。
全ては家族会、活動費にあてられる。
家族会の収支は不明確。不明朗な支出がある可能性高し。
著者が横田滋氏に何度も収支決算書など透明性を図ることを提案してもお金の出入りは家族会の預金通帳を見れば一目瞭然との説明があるだけ。
2004年6月に蓮池薫氏が上京し横田一家に伝えた内容
1
めぐみさんは精神的にかなり病んでいた
2
めぐみさんのDVが激しく、娘のウンギョンさんは、たびたび同じ招待所に住む蓮池薫氏の家に非難してきた。薫氏はウンギョンさんを歓待した。
3
めぐみさんは、自分の髪の毛を自身の手で切る、洋服を燃やすなどの奇行を繰り返していた。
4
めぐみさんは何度かの自殺未遂をしている。
5
めぐみさんは、北朝鮮当局に対して「早く日本に帰して」「お母さんに会わせて」と盛んに訴えていた。薫氏は何度も止めるように促したが、めぐみさんは受け入れなかった。
6
夫の金英男氏は、めぐみさんとの結婚については、当局に騙されたといっていた。
7
めぐみさんは2回、招待所からの脱走を試みた。1回は平壌空港を目指し、もう1回は万景峰号が係留される港を目指した。その際、北朝鮮当局に発見され、拘束された。
8
このため、薫氏一家や同じ招待所に居住する地村さん一家は連帯責任を問われ、「山送り(強制収容所行き)」の危機に晒された。だが、薫さんたちの必死の請願により、それは免れた。その代わり、めぐみさんは、義州(ウィジュ)という場所にある四十九号予防院(精神科病院)へ送られることとなった。
9
その際、夫の金氏は、「何があっても一切の異議を申し立てない」という誓約書を書かされた。
10
1994年3月病院に向かうめぐみさんが乗ったクルマを見送った。それ以降、めぐみさんに会うことはなかった。
11
夫の金氏は、数年後に再婚し、息子をもうけた。
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なんとも刺激的なタイトルだ。著者はこれまでに何冊か拉致問題の本を出しているが、僕は読んだことがない。この本も、このタイトルでなければ手に取らなかっただろう。
僕の拉致問題への認識はそんな程度である。他の情報もよく知らない。これがどこまで真実なのかもわからない。
安倍晋三は拉致問題を利用してのし上がった第一人者だ、と著者は語る。他にも多くの政治家が登場するが、一緒に写真に写ることがメインの人も多い。拉致問題に尽力していますよ、という記念撮影だ。
「あらゆる手段を尽くしてまいります」が、この問題での常套句だが、本当にあらゆる手段を講じているのかわからない。強行姿勢といっても経済制裁ばかりで、これに効果がないことはすでにわかっている。
拉致被害者の「家族会」が支援組織「救う会」に事実上乗っ取られる。救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)は、政治活動を生業にしている人もメンバーで、そういう人は拉致問題が解決されては困るのだろう。外務省も根本的にアイデアはなく及び腰だ。北朝鮮に訴えなければならないはずが、まず日本政府に訴えなければならない、という辛さ。対話と圧力、というけれど、やっていることは経済制裁の他には広報用のトラックをつくったり、アニメをつくったり。
だが、この本をポジショントークとして、記号的に読むはもったいない。反安倍の人は溜飲を下げるかもしれないが、そんなことはなんの解決にもならない。それは著者の本意でもなかろう。人の悪口と自分の反省も多く、読んでいて愉快な本ではない。が、とにかく問題を動かすために、根底にある課題は何なのかを訴えたい、という気持ちはわかる。
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2002年の日朝平壌会談のあと、安倍晋三は、本当に拉致被害者たちの北朝鮮一時帰国に反対したのか?
その後、対北朝鮮強硬派として政治的な地位を高めた現首相、そして、その周辺に蠢いた数多くの人間たちの打算と裏切りを告発する、究極のインサイド・ストーリー!!
拉致家族被害者の会の一員として北朝鮮拉致被害者全員奪還を尽力した蓮池透。
彼は、なぜ拉致被害者家族会を非難し脱会したのか?
2014年5月下旬に日朝協議が行われて、日本側の経済制裁一部解除と北朝鮮側の拉致問題再調査実施で合意がなされた。いわゆるストックホルム合意である
だがその後、北朝鮮による拉致被害者再調査の報告はなく、期限も引き延ばされている。
なぜ拉致被害者家族会は、北朝鮮への強行姿勢の救う会に乗っ取られたのか。
小泉首相に随行した安倍晋三官房副長官は、当初から拉致被害者全員奪還を主張していたとして拉致問題を追い風に総理大臣にまで登り詰めた。
だが、安倍晋三官房副長官は、小泉首相が日朝協議を平壌で行った時、当初拉致被害者を日本に一時帰国させた後に北朝鮮に戻すことを規定路線としていたが、蓮池薫さんたちが帰国を拒んだため、拉致被害者全員奪還を主張し始めた風見鶏的な日和見主義な言動は、あまり知られていない。
さらに、拉致被害者支援法の支援金の低さや収入が発生した場合には返金すると蓮池透さんは危惧して抗議したが委員会審議で野党が吊り上げるからこの額のままにならないと自民党から説明されたが実際のところはそのまま可決されたので、蓮池透さんが「国の不作為を問い国家賠償責任訴訟を起こしますよ」と安倍氏を追求したら安倍氏はせせら嗤いながら「蓮池さん、国の不作為を立証するのは大変だよ」と答えた。
総理大臣にまで登り詰めた安倍晋三は、拉致問題を利用して北朝鮮に対抗するためと称して集団自衛権を強化した安保法案改正を強行するなど、拉致問題を自分の政治的野心のために利用して来た。
一番のストックホルム合意の問題は、どうなったら拉致問題が解決したかという具体的なゴールが描かれていないこと。さらに、拉致被害者再調査は北朝鮮側の合意事項では5番目と低い。
日朝協議には、拉致問題対策本部が形式的には参加したか。実務的な作業は安倍晋三官房副長官と外務省が行った。
拉致被害者家族会の頑なに収支報告しようとしたない不透明な会計問題など、拉致問題のタブーに踏み込んだ衝撃のノンフィクション。