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この新書に書かれている四人のミュージシャンが世に出てから今までをリアルタイムでなんとなくは見ているだけの僕でも十二分に楽しめる一冊になっていた。
知らない世代、1998年以降に生まれた人たちにとっては生まれて物心ついたらいた人たちなのでその頃にCDが売れまくっていたという時代のあと、デジタルネイティブの人たちはどう読むのだろう。
1998年から18年が経ち、どうやら今年宇多田ヒカルが復活しそうだという年に刊行されたことの意味も大きいだろうが、こうやって四つの軸から時代の流れがわかる、記された本はなかったのだと思う。
「世界がわれわれを無視続けるのと同じように
われわれもまた世界を無視しつづけているわけだ
しかし例えば一冊の本を読むことはそれに抗うことだよ
一冊の本を著すこと
一篇の詩を詠むことは
世界に無視され消えてしまうことこばむ行為だとわたしは思う
広大すぎる世界に圧倒されないようにふんばっているんだな」という西島大介さんの『世界の終わりの魔法使い』のセリフを思い出す。
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宇多田ヒカルが登場したあの時代、日本のポップミュージック界に何が起こっていて何が変わったのかを総括した書籍。自分は宇多田ヒカルのファンではないが同時代を生きてきた者としては「ああ、そうだったよね」「あれはそういうことだったんだ」と全て納得。自分の人生にとっての「あの時代」にも思いを馳せることとなった。
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1998年当時、18歳だった私は一気にあの頃の空気を思い出しました。CDが最も売れた当時、音楽業界はバブルを迎え、ものすごい才能が集まってました。そこで思春期を迎えた私は、音楽は世界を変える力があると信じていました。私や私の友人たちは、今も信じています。
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<目次>
第1章 奇跡の1988年組
第2章 1998年に本当は何が起こっていたのか?
第3章 1988年の宇多田ヒカル
第4章 椎名林檎の逆襲
第5章 もっとも天才なのはaikoかもしれない
第6章 浜崎あゆみは負けない
第7章 2016年の宇多田ヒカル
<内容>
CDが最も売れた時代に生きた同年代の4人の歌姫を分析したもの。彼女たちの立ち位置、関係性などがよくわかった。今のように音楽配信が行われる時代に、宇多田ヒカルのようなスタジオ型の歌い手はどうしていくのか、今後見守りたい気がした。
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ただの宇多田論ではない。
著者はロッキングオン出身の音楽ジャーナリストで、単著としてはこれがデビュー作。
史上最もCDが売れた年=1998年にデビューした宇多田ヒカル、椎名林檎、aikoを「日本の音楽シーンにおけるトップ3の才能」と評価し、ビジネス論や業界ウラ話、音楽理論的な分析に偏ることなく、ポップ・ミュージックの歴史の中にこの3人の「音楽家」を位置付けながら、ある種の「史観」を呈する思索的な音楽評論である。
何より、この本を読んでいると椎名林檎の「ありあまる富」が聴きたくなったり、テレビから流れるaikoの声がぐっと際立ったりする効果がある。そして、今年予想される宇多田ヒカルの本格復帰が一層待ち遠しくなるのだ。
だから、宇多田ヒカルに特別興味ない人にも薦めたい。きっと、聴き直してみたくなる。ある視点の導入で見える世界が変わる。これが、ジャーナリズムの力だ。
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タイトルには宇多田ヒカルとあるが、1998年に一斉にデビューした天才女性ヴォーカル(宇多田ヒカル、椎名林檎、aiko、浜崎あゆみ)について、音楽ジャーナリストの視点から書かれている。
帯にあった椎名林檎の文字に惹かれて手にとった本だが、これを読むと、同期のアーティストとの関係性は切っても切り離せないものだということがよくわかる。
まさに、彼女たちが同じ年にデビューできたのは「幸運」といえるだろう。
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シーズン3の亀田音楽学校がこの辺で、いま自分の中で熱いため思わずタイトル購い。あの頃の音楽ほんと楽しかったよなーと懐かしみたかったんだけど著者も言ってる通り懐古ではなく…業界のお話中心で思いの外ドライでありました。残念。でも宇多田も林檎ちゃんもaikoもあゆも、アラサー女子として漏れなく大好きなので、周辺の話ってだけで楽しめました。当時はMDなんぞに入れておったので、読みながらむしょーに暁のラブレター聴きてぇ!とか、SURREAL!あぁFree&Easy!!とか思っても聴けないのが悲しい。明日TSUTAYA行こ。
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20世紀末のJ-popを覚えている人なら面白いと思う。
この著者に限らないが、渋谷系についてのこの手の本を読んでみたい。
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結構面白かった。肝心の宇多田ヒカル、それと浜崎あゆみについてはもっと掘り下げて欲しいんだけどな〜という物足りなさはある。椎名林檎の考察はさすが!
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J-POPの歴史において最も重要な年、CDが最も売れた年『1998年』を、この年にデビューした4人のアーティスト(宇多田ヒカル、椎名林檎、aiko、浜崎あゆみ)を軸に解説する。
宇多田ヒカルはCDの売上枚数や、その知名度の割に極端にライブ本数が少ないらしく、生粋のスタジオアーティストなんだとか。
そんなうんちく本。ファンなら面白いだろう、という内容。
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memo
107
国内だけでなく海外を見渡しても、宇多田ヒカルほど極端なレコーディング・アーティストは他にいない。
215
300万枚とか400万枚とか800万枚とか言うCD売り上げの数字の総体は、その全員が音楽ファンのわけがなく、「なんとなくCDを買っていた」人たちが支えていた
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今このタイミングで読み終えることが出来て良かった。今、2016年の1月31日。昨年末の紅白歌合戦での素晴らしい椎名林檎のパフォーマンスが披露され、更に宇多田ヒカルの新曲の正式なリリースが発表された。2人の関係性を巡る下りはロキノンのライター、編集者であった著者ならではのエモさがあって小っ恥ずかしいような気もしつつ本当にそうあったらば素晴らしいなぁと思うことしきりである。
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1998年が最もCDが売れた年。確かに私が一番音楽番組を一緒に観たり、新曲を覚えようとしたり、実際にCDをよく買ってたのはこの年かもしれない。
宇多田ヒカル、aiko、椎名林檎、浜崎あゆみ。
どの歌手も好きだし、代表曲もほとんど知っているけど、その裏でどのような制作方法だったとか、細かいところはほとんど知らずに聞いていたので、この本を読んではじめて各々の「らしさ」とはどういうものかが少し見えた気がしました。
AKB、ジャニーズ、LDH以外のアーティストですごいって人、確かに最近いないよなぁ。。。
と改めて実感させた本でした。
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2016.01.27読了。
aikoのくだりが一番面白かった。
哲学を齧ってた人間にとって「論考」という言葉は重く、この程度ならば論考とまでは言えないのではないかとか、余計なことを思ったりした。
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1998年。それは日本で最もCDが売れた年。もう二度とはやってこないCDの黄金時代に、奇跡的に揃ってデビューした四人の歌姫。浜崎あゆみ、椎名林檎、aiko、そして宇多田ヒカル――CD文化とは、J-POPとは、1998年とは何だったのか。彼女達はいかに音楽の道に目覚め、歩み、そしてどのように衰退していくJ-POP界に存在し続けるのか。何を願い歌うのか。今まで誰も触れてこなかったあの時代と四人の歌姫――今も歌い続け、あるいは再び歌い始める彼女達を注目の音楽ジャーナリストが解き明かす一冊。
最初に言っておく。このブクログの主はただのaikoファンです!!!
去年の末くらいからちょいちょいRTで見かけていて、ヒッキーと同期のaikoについても書いてくれること、ツイートからも伝わってくる「aikoはすごいぞ」と言う意気に早く発売しないかな…どんなこと書いてくれるのかな~とわくわくしてました。手に入れるのはちょっと遅れてしまいましたが本屋さんの棚に平積みのごとくだだーっと並べられ、奥付を見るともう三刷り目じゃないですか。本の売れない時代だというのに、それだけあの輝かしい1998年とは何だったのかと思う人がいるということですよね。昨今のCDチャートの貧困さに憂えている人はみんな「あの時代は何だったのだ?」と、その秘密を解き明かしてくれるかもしれないこの本を求めたのではないかな。
本書の前半ではまずJ-POPがどのような歴史をたどって生まれたのか、80年代の歌謡曲、アイドルの時代、アイドルからアーティストになって、小室哲也らの時代を経て……と詳しく解説してる。J-POP史概論なんじゃないかこれ、と思ってしまうくらいいろんなことを初めて知れた。語彙力のなさがむずがゆいが、とにかくとても面白い。往年のヒットチャートは漠然とテレビで見ていただけの世代だったのでね。
最初に宣言したようにそもそも私はaikoファンでありaiko以外のJ-POP、アーティストの歴史はまったくさっぱり、興味の範囲外だったので当時絶大な人気を誇り時代を創っていたヒッキーと林檎さん(まあ私はもともと林檎さんファンではあったけど、正直初期しか知らんのだ)のバイオグラフィーに近い解説、音楽ジャーナリストならではの考察と今後についての考察及び意見は知らない世界の話ではあるけどどこもとても面白く読めた。それはまさに私が筆者の言う奇跡の1998年に、思春期の始まりと共にまさに音楽的趣味の目覚めを迎えたからかも知れない。何せ初めてCDを買った年が、本書で「日本で一番CDが売れた年」と定めている1998年なのだし。渦中にいて状況がつかめなかったからこそ、振り返ってとても興味深く思えるのだ。もちろん、懐かしいと言う意味でも。
で、私は盲目的なaikoファンなので大体aikoに寄った書き方しか出来ないんですが、宇野さんが直接インタビューしたことがないから仕方ないのか、ヒッキーと林檎さんに比べてaikoの章は薄味、と言うかもっと書いて欲しいんだけどなー、かゆいところにあんま手届いてないな~、と感じました。いえ、音楽ジャーナリストからaikoはどう見えるか、aikoがいかにすごいことをしてるかを文章化してくれたのは非常にありがたいし、私も読んでてaikoすごいやろ!(ドヤッ!)といい気持ちになれましたし、aikoファンは本当に買って損ないと思いますが。宇野さんaikoのライブには行ったことあるんだろうか……とか書くと私がまるでaikoライブの回し者のような気がしますが(今風の言い方をするとaikoはいいぞおじさん、ってところか)大体それであってるから今更だった
主にヒッキー林檎さんaikoの三人がメインテーマなのだけど同じ98年にデビューしこの三人よりもっと時代とトレンドを背負っていた(むしろ、背負わ「されて」いたと言った方が正しいのかも)あゆについての章もすごく面白かった。そうそう、ヒッキーとのCD対決あったなあ、って。忘れてたよそんなこと。ある意味では98年デビュー組では一番の被害者なのかもしれない、とも思ったり。これについても書ききれないので後日ブログにほかの雑感も併せて書きますが、あゆだっていつ引退とかしたっておかしくなかったのに(病気とかもあったし)それでも今も歌ってるしね、かつての実力は衰えてると(失礼ながら)思うけど、そう世間にどれだけ心汚く思われても彼女はめげないだろう。その姿はかっこいいし、純粋に応援したいと思います。
先述したけど、98年に思春期を過ごした、あるいは迎えた、あるいはそうでなくてもよくあの当時のJ-POPを聴いていた、少年少女男子女子そうでない人全員にこそ読んでもらいたい本書です。あの頃自分はどうしてた? どうやって大好きな音楽に巡り会えた? そんなことを考えさせてくれる、懐かしさにも浸れる一冊です。
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1/3くらい読んだ。示唆に富む記述も散見されるが、少々筆者の思い込みではないかと感じるところもちらほら。もうちょっと読んでみる。