紙の本
砂糖についての悲劇
2024/03/12 15:48
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
甘味はヒトにとって麻薬にも近い習慣性を持った食品であり、調味料であり、嗜好品である。砂糖生産の生い立ちから、奴隷貿易による生産、森林破壊、そして健康被害 と砂糖についての悲劇 を比較的客観的に記述している。具体的なエピソードの記述も多く、わかりやすく 読みやすい。
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ほとんどの人が好きと思われる「白い粉」。「白い粉」と言ってもあの元プロ野球選手が愛用していた危ないものではなく、健全な粉、砂糖。砂糖の歴史を紐解くと、苦い部分が出てくる。
それは、砂糖栽培で、奴隷がアフリカから中南米に連れて来られてこき使われるという黒い部分があったからだ。この犠牲なくして砂糖が今のように広くいきわたることはなかったのだから。
砂糖の起源はなんと約2500年前の東インドだそうだ。インドと言うとカレーが浮かぶくらい辛いものが有名だと思っていたので意外に思った。
砂糖と言えば、やはりお菓子が浮かんでくる。著者もキャンディーやチョコレートを取り上げている。砂糖のないチョコなんて文字通り「ビター味」しかないのだから。
砂糖の取り過ぎは腹回りの「エアバッグ」装着につながる。ぶよぶよと言えば、アメリカが浮かんでくる。著者は第6章で「砂糖大国アメリカ」として取り上げている。アメリカ人がどれだけ「甘ちゃん」かわかる例がある、それは、スターバックスの16オンス(475ミリリットル)のカフェ・バニラ・フラペチーノは1杯には67グラムの砂糖が含まれている。あそこのフラペチーノは甘いと思っていたがそれだけ入っていれば甘いわけだ。
とはいっても、砂糖がない人生なんて到底考えられないので、砂糖にこれからもお世話になるのは確実だ。ミシュランタイヤのキャラクターのようにならないように注意しながら砂糖を取っていく必要がある。
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砂糖の始まりは東インドと今のところ考えられているらしい。
植民地政策や奴隷制度の話から各国の砂糖事情。用途からお菓子〜歯や健康に至るまで幅広かった。
辛味や苦味より甘味の方が脳に来るというか快楽を感じるから最初に知ったインパクトはすごいだろうな。
快楽を感じる上に混ぜることによって保存もきく、どんなものにも使えるからかけがえのない存在だろう。ないなんて考えられない。