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2018/12/30 09:29
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんより辛そうな話に思うが、妻の秘密を探る辺りから、謎解きの要素が出てきて惹きこまれる。
最後は、とんでもない悪女だったら面白いけど、まあそういう感じではないだろうな。
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★ざっくりとしたあらすじ
不慮の事故で妻がなくなり、突然のことで呆然とする男一人残された旦那が妻の携帯電話のロック解除に日々チャレンジしながら、明かされてゆく妻の本心と男の思い込み。
後悔先に立たずの事例を表したような、どうにも救いようのないだんまり男のふらふら劇です。
★本の感想
ご、ごめんなさい。面白くなかったです。
淡々とした小説で、妻が死んだあとの男の人はこんなものなのかなと多く疑問が残りました。
一般的に男性は最愛の人が亡くなると、精神的にぼろぼろになるときいていたので、主人公はお酒を飲んでも思考はしっかりしているので、ずいぶんと落ち着いた男性だなと思いました。
男性が最愛の妻を不慮の事故で、しかも若くして無くしたとあれば、こんなに冷静に受け止められるはずがありません。主人公が現実的な思考の女性ならまだわかりますが、男性はもっとぐちゃぐちゃに人生まで崩してしまう人が大多数だと感じます。
それぞれのキャラクターが個性的なので、もっと活躍する場面を読みたいと感じました。
特に、妻の悩み相談役だった栄人のキャラクターは強烈な印象でした。
栄人は物事をはっきりといい、一見冷たい印象ですが、亡くなった絵美に正面から対応した態度には好感が持てます。事故後に栄人の会話でしか絵美の様子が伝えられませんでしたが、絵美が栄人に悩み相談していた過去の情景は回想の形で読みたかったです。
もっと物語の前編から絡んで、主人公の北野を翻弄して欲しかったです。
男性の嫉妬や思い込みがもっと表現されていたら、素晴らしかったのではないかと感じました。
主人公の北野がどこにでもいそうな思い込みで判断して、黙ったまま時が過ぎるのにまったく気がついていない人物で、一般的にダメ夫と言われる典型。
多くの男性が小説を読んで、自分もそうかもと向き合うきっかけになることを祈ります。
本書を読んでいてとてもいらいらしました。
黙っていてもいいことはないと、身に染みてわかってもらうために世の男性にぜひとも読んで欲しいです。
女性の私からしたら非常に頭にくる主人公で、事故で亡くなった絵美が身近な男性に寄りかかりたくなるのはごもっともと思います。
北野が高校の時に思いを寄せていた幹恵と上手くいくのは腹立たしく感じましたが、きっともう同じ過ちはしないのだろうなとも感じました。
どうしてもなくなった妻の絵美視点で読んでしまうので、最後までイライラしっぱなしでした。
視点を変えて読めるようになれば違った面白さがあると思いますが、人生修行が足らなくてまだ私には無理です。
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夫婦でもわからないことってあるよねー
携帯の履歴とか画像とか削除チェツクしょうと思った
絵美さんって…めんどくさいって感じ×××
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北野俊英、33歳。インスタント麺メーカーの営業職。
妻の絵美が旅先で事故で死んだ。3ヶ月が経つが、俊英はその喪失から立ち直れずにいた。
カップ麺と6本のビール、絵美が残した携帯電話のロック解除を目差して淡々と番号を打ち込む毎夜。
ロックを解除した電話に残された死の直前のメールでそんな日々が動き出す。
大きな喪失とビール。まるで春樹の小説だなと思いつつ読み始める。
春樹なら2行で描くところを8行かけて描いているようなまどろっこしさ。
申し訳ないけど、私には合わない本だった。
主人公に終始イライラして、共感することができない。自分を可哀想がってる人が好きじゃないし。
彼の歪んだ視界で見ているからかすべてが歪んで見える。
爽やかな、人好きするような、さっそうとしている彼、彼女が欠点だらけに思える。
妙に俊英が上から目線。
登場する人物たちに違和感も多い。
高校時代とはいえ好意があった異性が既婚者なのに連絡とろうとするとか。
子どもを引き取って別れる可能性が高いのに社内恋愛を同僚に洩らしちゃうとか。
いくら兄嫁でも二人きりで遊園地はないだろうとか。
妹の死の原因なのに、浮気な婚約者の痛みに同情する姉とか。
不満があるにしても、義理の弟へそこまでする?
変だと思うのは私だけ?
絵美も、その家族も、気持ちが悪い。あまりの価値観の違いにうっすらと寒くなる。
絵美を過去にできて心機一転なんだろうけど、どうにも後味が悪い。
ラストもどうなんだろう。
妻の本当とその家族のいやらしさを目の当たりにしてすっきりしちゃったってことなんだろうか。
「愛」というより「打算」と「外聞」の匂いがぷんぷんしちゃうのはなぜなんだろう?
いろいろと悶々とする。皆さんの感想を読みたい。
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夫婦って結局いつまで経っても、何年一緒にいても、最後まで他人のままなんだなぁ、と。
お互いに愛し合って信頼し合ってともに生きていこう、と誓ったはずなのに。
4年間一つ屋根の下、暮らしてきた妻がある日突然事故で亡くなる。それだけでも言葉にできないほどのショックだろうに、そこに自分には秘密の関係があったとしたら。
知らないほうがいいこともあるかもしれない。知らずにずっと亡くなった妻を愛し続けた方がいいのかもしれない。でも。でも、やっぱり知りたいと思うだろう。自分がかけさせたスマホのロックを一日に50ずつ試して、一人の時間を埋めて、その向こうにある何かを知りたいと思うだろう、きっと。
何が本当だったのか、もうわからないけど。この壁を超えていかなければ次に進めない、そういうひとつの喪の作業だったのだろう。
だれもかれもが自分のことしか考えていない。救いのない物語の、かすかな光にすがりつく。
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妻と夫。
元は他人。
そんな二人が何かの縁で巡り会い、愛を深め、新しい結びつきができ、協力して家族になる。
ゆえに結婚はおめでたいもの、喜ばしいものとされている。
日本国内における現民法では、配偶者は法で手厚く守られ、名実ともに夫婦は互いに誰よりも近い人、のはずなのだ。
だがそれはあくまでも予想的なもの、「はず」であり、心の中では最も近いとは限らない。
秘密を全く持たないことが近いことの証明ではないが、秘密を持っていればそれが相手の心をざわめかせることもあるのだ。
いま一度問おう。
夫婦は、「近い人」なのか。
俊英は妻の絵美を亡くした。
突然の事故だった。
そして悲しみにくれる彼の心に追い打ちをかけるような出来事があった。
どうも妻は誰かと一緒に出かける途中であったようだ。
調べるうちに彼は妻の別の姿を知る。
姉からも嫌われていた部分、近くにいた人にすぐに頼ってしまうところ。
絵美を不安にさせ、そうした行為に移させるきっかけは俊英自身だった。
子供が欲しいねと言わなかったから、諦めてしまったように思えたから、夫が冷たいように感じたから、だから頼った。
そう、夫婦は他人なのだ。いくら近いと思っていても、家族であっても、他人なのだ。
いつもいつも以心伝心で事足りるはずもない。
いくら感謝しても、愛していても、夫婦をつないでいるのは言葉なのだ。
当たり前だと思って言葉にしなければ、気を使ったつもりになって話をしなければ、届く思いなどほんのわずか。
愛とは難しいもの。
けれどもとても単純なものでもある。
直球勝負、それが一番二人を近づける。
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交通事故で妻を亡くした夫のその後の日々が、多分そんな感じになるんだろうなと淡々と書かれている。好きや嫌いという個人的な感情ですら、実はだいたいにたりよったりなんだな、となんか残念な気分になってしまう。作者の若い男性客の心理描写は駿逸。
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向き合うべきときに、ちゃんと向き合わないといけない
そこで逃げたら、相手も逃げる
装画もチェック!と、とり??
2016.05
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「近いはずの人」と思っていた妻は「近いはずだった人」になった。主人公は事故で妻を失う。それから始まる彼の枯れたような淡々とした日々。妻の残した携帯のロックを解除する番号を「0000」から順に打ち込むのが日課だ。そしてロックは解除される日はきた。そこから見えてくる「近いはずの人」の本当の顔。彼が目をそらそうとしていたのか、妻が彼を軽く見ていたのか。これならば、むしろ携帯のロックを解除しようとしていた日々の方が、まだよかったのではないかと思えるほどだ。彼を救いあげてくれる人がいつか登場することを待ちたい。
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初めて読んだ作家さんです。本の紹介記事であらすじを知り気になって手に取り。
ビールをガブガブ…というのがリズムになっているのかな、主人公の悲しみとは違う空虚感というか喪失感は良く出ています。
他の方も書いていますが、夫婦というのは結局一番近いところにいる他人なんだよなーというのは自分も感じますね。
そういうことはふと感じてもわざわざ人に言ったりしないので、小説でこういう話を読めるのは 面白く感じました。仕掛けとしては「配偶者(他家族や近しい人)が亡くなって生前の秘密事が露見する」というのはありがちな気もしますが。
たぶんこう展開するんでは、という予測がついてしまうのがちょっと残念ですが、落ちとしてはそうなるかなと。
時は良くも悪くも止まらず、生きている限りは流転していかざるを得ないのですね。
本書は面白く読めましたが、同じ作家さんの他書に手が延びるほどでも非ず。
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小野寺史宜 著「近いはずの人」、2016.2発行。この作品は、私は嫌いです(^-^) 愛してる妻が、「友だちと一泊旅行に行ってくる」と言って、(夫はあの女性の友達だなと思い何の疑いもなく)でも、温泉に行く途中、タクシーの崖からの転落で死亡。死亡は妻とタクシーの運転手。一緒に行く予定だったのはだれか・・・。残った妻の携帯から(4桁の暗証番号を順に入れて解除し)、思ってもいなかった不倫の事実が。そのあと、いろいろありますけれど、読了して、なんとも、その夫が情なく、そして切なく感じました!
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友達と行くと言っていた旅先の不慮の交通事故で妻が死んだ。
しかし事故にあったタクシーには妻しか乗っていなかった。
夫俊英の手元には、ロックのかかった妻のスマホが残されている。スマホには妻の秘密が隠されているのか。
妻の死、ロックのかかったスマホ、ロック解除、妻の秘密。
読みたいと思わされる気になるストーリーです。
ロックを0000から解除していく少しずつの作業が突然の妻の死と向き合う気持ちを表しているようで痛々しい。
絵美の本心はなんだったのだろう。
夫との間に出来たと思っていた溝、その寂しさを埋めるために身近な人に頼ったのだとしたら、事故に合わなかったらどうなっていたのか。
俊英が絵美の死を乗り越える1年が、静かに描かれていた。
穏やかな性格の男性目線の話。
著者の作風が好みです。
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妻を交通事故で亡くした俊英。日常の中の喪失感を持て余している。「友だちと旅行に行く」と言って出掛けた先で事故に遭った妻だが、死んだ時は1人だった。妻は何故嘘を吐いたのか、本当は誰と一緒だったのか。知らなかった妻の姿を知った夫の姿を描くている。
職場の人や家族との関わり方など、妻を亡くし、嘘を吐かれていたという衝撃を受け入れようとする姿がとても共感できる。
全体淡々としていて、でも見えないところで足掻いているのがリアルな感じでいいと思った。他の作品も読みたい。
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夫婦関係にもやっとしたものを抱えていた時に、図書館で手に取った一冊です。
【妻が旅先で亡くなった。
友達と一緒のはずが、事故に遭ったタクシーには妻1人。
妻は何故嘘をついたのか、本当は誰と一緒だったのか。】
妻のケータイのロックが解けるまで、淡々と話が流れていくので、最初は読みにくい印象でした。
ロックが解けてからは、内容が内容だけにするする引き込まれるように読みました。
ただ、「え、もしかしてこの人?」と思ってからがスムーズ過ぎてひねりもなくてやや物足りない感。。。
しかしどんどん明らかになる妻のびっくりな部分。
やはりどうしても死んだ人の印象って良くなりがち、だけど、そうでもないよなって思いました。
そうでもないというか、悪人ということじゃなくて、人だもん。ということ。
自分にも身に覚えがあるように。
それから、兄弟なら話さなくてもなんとなく確信がもてることってあるけど、夫婦は違うよなということを思いました。
兄弟には年に数回会う程度で、夫婦は毎日一緒にいてもそれは変わらなくて。
夫婦は1番近くにいる他人なんだなと改めて思いました。(実感も含め。)(良くも悪くも。)
「人にはいろんな事情がある。知っておいた方がいいものもあるし、知らなくていいものもある。知るべきかどうかは、人同士の関係性によって変わる。そして人は、知っている情報だけで、充分、振りまわされることができる。」
この部分には妙に納得。
そしてこの話では相手が死んでしまってるから、よけさら自分の中で納得して完結させるしかないのだよね。
ただ相手が生きていたとしても、結局納得するのは自分なのだよね。
最後の終わり方は、え、それいる?笑 という感じでした。
自分に落とし込んで考えれば、もっといろんなこと夫婦で話さねばな…と思いました。
小説としてはあまり引き込まれなかったけど、この本から考えられたこととしては、星4つくらいかな。
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夫婦三部作「その愛の程度」「近いはずの人」「それ自体が奇跡」の第2弾作品。
・後退の九月
・懐胎の十月
・携帯の十一月
・重体の十二月
・倦怠の一月
・招待の二月
・敵対の三月
・停滞の四月
・忍耐の五月
・進退の六月
食品会社で働く北野俊秀は、数か月前に事故で妻・絵美を亡くした。
どん底の生活で酒浸りの日々の日課が、絵美の携帯のロックを解くこと。
しかしロックが解けたことで、旅行先での事故に8という謎の人物がいたことを知ってしまう。
自分は絵美に真摯に向き合ってきたのか、自問自答する。
小さなボタンの賭け間違いから、大きく人生の歯車が狂うこともある。
甘くもなく、切なすぎもせず、リアルにありそうな話。