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上巻による極悪な引きからの下巻です。
いったい全体この人達どうなるの!? という冷や汗展開で幕開けですが、もう最初っから飛ばしてますね。
異国での受難に続く受難に、いい加減心折れそうってところで本当にぽっきり心を折って下さった和泉さんには感謝したいです。
絶望の淵で慟哭する国貴の不憫っぷりにニヤニヤ……いえ、胸が押しつぶされそうな気分になりながら読み進めてましたら、ですよねーそうきますよねー、な安定のBL展開にほっとします。
正直ここにきてまだ風呂敷広げるのか、と驚いたものですが、NTR書きたかったのでしょうね……安藤のクソっぷりにイラつきながらも、不憫で健気な国貴とヘタレで全く動けてない遼一郎の関係に少しだけ萌えました。
最後の最後になって、BL攻のお約束が発動しましたが、どうにも私の中でこの攻はそこまでの魅力があるように思えなかったので、下巻は盛り上がった気持ちがしゅううぅと萎んでしまった気がします。面白かったですけど。
脇役がもの凄く魅力的で、そっちに持って行かれてた感があるのも残念でした。
そして和貴編も、これまた初っぱなからフルスロットル。
大概ヤバいやつだと思っていた鴉川ですが、大概とかいう次元の問題じゃないほどにヤバかったです。もう読んでて不気味を通り越してこわい。
話が通じないおかしな人相手に、和貴はよく頑張ったのではないかと……ぐるぐる同じとこを回ってた和貴CPも、この鴉川事件によって今度こそ丸く収まり、二人が仲睦まじく熟んだ泥の中にずぶずぶと沈んでいく様は、これだこれが読みたかったんだよ!!(転がり萌)という感じで、いやもう大満足でした。
そこからの兄弟再会、冬貴CPで締めという流れも最高に良かったです。
やっぱり清澗寺家を締めくくる最後の人は、この人達じゃないとね!
円陣さんの挿絵も、いっちゃん最後の二人の後ろ姿はもう何とも言えないほど神々しく、ここまで読んできて良かった……と満足のため息が漏れました。
この作品に出会えたことに感謝したいです。