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文部科学省の不正研究調査チーム”タスクフォース”に所属する水鏡瑞希の活躍を描いた、シリーズ第二弾。
今回は瑞希の小学生時代の友人で、画期的な人工血管を開発に成功した如月智美をめぐる疑惑が大きなテーマとなります。
”世紀の開発”という点に加え、その開発者が25歳という若さと美貌を持っていたことから、一躍マスコミに注目されるようになる智美。しかし、研究ノートの窃盗騒ぎに始まり、ついには実験のねつ造疑惑と、実際にあったかのような展開をたどり始めます。はたして人工血管は本当にあったのか、という点に加え、なぜ研究者チームは不可解な行動を取るのか、という謎もそこから生まれてきます。
そして、徐々に明らかになってくる研究者たちの苦悩。理論は完成していても、それを実証するには予算がない。その予算を得るためにねつ造や不正をしてしまう研究者。その裏には、すぐに金になる実験にしか予算を出そうとしない、政府の方針があります。そのために研究者たちは有名になり、予算の配分を得ようとしたり、結果をねつ造してしまいます。
そして、松岡さんの問題意識は、そうした政府の姿勢だけでなく、研究者にも向けられます。知識を持っているが故に、一般の人を見下しがちとなり、自分を特別視する研究者たち。そうした知識を持つが故の高慢さも描かれます。
近年のSTAP細胞騒動から着想を得た作品だと思うのですが、そこから現実の社会問題をあぶりだしていく手法がとにかく見事!
ラストの締め方も松岡作品ならではの爽快さです。
前回から主人公以外の登場人物を一新するなど、新たな人間関係と、今後の展開も気になるところです。
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サブタイトルのインパクトファクターに興味をもった。雑誌への投稿についての科学者の考え方とか研究費とか。捏造を暴く箇所よりも文科省と研究者の内情が面白い。
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文科省一般職のヒラ女性職員が、研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォースに配属され、不正研究(ねつ造)の謎を暴くシリーズ第2弾。
前作では、小保方さんを徹底的にこきおろしたんでしたが、その後のリベンジという空気を読んで、今度は、小保方さんも擁護するとこうだったかもしれないと、小説の上で再現したんでしょうかね。
ノーベル賞級の(胡散臭い)論文を科学誌に掲載した小保方さんもどきが、主人公の幼馴染だったということで、主人公の微妙な立ち位置から始まる、やや先の読めない展開で、惹き込まれ感は今ひとつでした。
タスクフォースのメンバーは、都度入れ替わりだそうで、今回は自分と同じ苗字の相棒も出てきたので、好感度プラス1でした。
(2016/3/28)
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同僚キャラを一新しての続き方。しかしそうなると、前作のイケメンとか、いい仲になりそうだった事務官仲間とか、使い捨てなんでしょうか。
STAP騒動をもとにしているが、
インパクトファクターが不正を呼ぶ、という指摘には納得。
全体としては好きなんですが、一番の肝になっているトリックがちょっと…
主人公のキャラがまだ見えない。今回はちょっとヒガミっぽかった。
作者の女性主人公の中では年長組のはずなのだが。
この作品で、紗崎玲奈か凜田莉子との絡みがちょっとでもあると、探偵の鑑定2へのつながりがよくなったと思うんだけどなあ。
次作以降でゲスト出演したりするのかな。
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一作目に続き、文科省の不正研究調査チームの水鏡瑞希が人工血管の研究の調査に乗り込む。
研究のリーダーは旧友だった。
旧友がかつて犯したカンニングから疑念が晴れない瑞希は旧友の智美を問いただす。
次第に明らかになる真相は、まぁそれほどびっくりとはなりませんでしたが、疾走感の、ある作品で読みやすいです。
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前回からの登場人物が水鏡しか出てない!
公務員って人事異動激しいんだ、、
科学雑誌から始まった事件。
まさかのST◯P細胞をモチーフにされてたので時事ネタとしてもタメになった。
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今回は瑞希が、小学校の同級生・智美が発表したFOV人工血管に関する捏造疑惑を解明しようとするストーリー。
流れはまんま、STAP細胞の捏造疑惑。若い女性が発表した研究で一躍有名になり、マスコミに持ち上げられ、でも捏造疑惑が持ち上がり、日本全国から袋叩きにあうという…。不倫疑惑から、自殺(未遂)までまるまる。読みながら「松岡さん、これどう収拾つける気⁉︎」とハラハラしてた。ここまで似せて問題じゃないのかと。
でもそこは流石、きれいに、なんというか納得がいくかたちでおさめてくれたわ。スッキリ。
ただ最後の記者会見の場面は、そこまできれいじゃなくて良かった気もするんだけど。
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まさかのタスクフォース人事異動でメンバー変わってるとは思いもしませんでした。
翔馬〜!
でも周りを認めさせていくところはさすが。
友達の嘘を指摘してなおかつ救うって相手を思う気持ちが強い人ゆえ。
尊敬します。
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今年2月に出てたんだ。
シリーズ化されて3作(?)、今後も続きそうなので楽しみ。
相手のことを信用していればしているほど、簡単に騙されそう。何の疑いもなく論文執筆。確認しようとしても実験がうまくいかない。何かコツがいるのか? と思うわなぁ〜。
自分自身の実績も大切なのかもしれないけれど、それだけがすべてじゃないだろうに。
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買ってしまっているから読まなければ!
と、
読み始めたら祈りの幕が下りる時が出て急いで読んだ!
結果的には、
祈りの幕が下りる時は単行本で読んでいたのでゆっくり読めばよかった2巻目の水鏡さんです。
インパクトファクターですね。
インパクトは衝撃的ですな。
ファクターは要因ですね。
インパクトのある「何か」をすれば評価されてご褒美が貰える的な。
いい論文を書いて、
有名な雑誌に取り上げられればインパクトのある行動とみなされ、
得点が加算されていく。
得点が加算されればされるほどに次の年の予算が多くなると・・・。
ゆえに、
得点のためになんでもやっちゃうから水鏡瑞希さんの出番もあると。
水鏡瑞希の同級生の如月智美は、
FOV人工血管なるものを作りあげ美人リケジョは有名になるが、
水鏡瑞希さんが異を唱える形に!
職場の2人と、
インドのアヴァリさんしかでてこない。
めっちゃ登場人物が少ないので、
わかりやすくいうと犯人はすぐにみつかる。
1人しかいないしね。
300ページくらいありますが、
上に書いてる程度のことしか内容はないのでいかに無駄が多いか。
なんとなく、
探偵の探偵でライトノベルっぽさがなくなったけど、
この、
水鏡推理2巻目だとまだまだライトノベルっぽくて、
人が死なないミステリーというか、
読み物ですよね。。。
これ小説か?
犯人当てがミステリーのファクターですよね。
1人しかいないし。。。
動機が何なのかがミステリーのファクターですよね。
アヴァリならば、
解けることはないし解く必要もないし、
如月智美ならばアヴァリを信じすぎたってだけだし、
トリックはただの手品だし、
ミステリーなのか?
と、
そこに疑問がのしかかりますなぁ。。。
と、
水鏡さんの探偵時代の恩師が登場。
個人的には問題点として、
水鏡瑞希のキャラの弱さですね。
1巻の時から同じで弱い。
そこに恩師の探偵が登場!
もう、
探偵ものをちゃんと書けばいいんじゃないか?
本当は、
ちゃんとした探偵ものをミステリーを書きたいんじゃないのか?
講談社から新潮社にでも移ってちゃんとミステリー書けば?
ちなみに、
STAP細胞はあるの?
時事に関係したことを書いていくってのにも無理があるんじゃないか?
理系ミステリー?
ちょっと無理がありすぎるし荷が重いよ。。。
で、
パレイドリア・フェイスはおもしろいの?
読んだほうがいい?
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○STAP細胞事件の裏側!?とも読めるリアリティ、関わる人間にも感情がある。その内面に迫る
文部科学省「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」に所属するコッパンの水鏡瑞希シリーズ第2弾。
あるときテレビで中継されていた「FOV人工血管に関する論文が某雑誌に掲載された」記者会見。合成高分子材料に培養人工血管を~~と語ってもよくわからないので説明はできないのだが、自然と再生できる人工血管を作成できたという内容のようで、人類にとって重要な発見をしたというのである。
そこには瑞希の同級生の智美が映っていた。智美は昔、カーボン紙でテストの際不正をしたことがあり、瑞希は少し疑いの目を向ける。
しかし再現実験を世界各国でやったが確認できず、疑問の声も多く上がり、文部科学省としても調査することになった。
研究所の志賀や滝沢、智美を問い詰めるも、不正の確証が得られず、そしてその不正が何のために行われようとしているのかがはっきりしない。
いったい誰が何のためにこんなこと不正をしようとしているのか。
メディアから智美の尊厳を傷つけられたと感じた瑞希は誤解を払拭したいという思いとともに奮闘する。
この物語を聞いたときに真っ先に思い浮かべるのは、まだきっと記憶に新しいだろうSTAP細胞の事件である。本書でも、「STEP細胞」などとして示されることもあるが、実にこの不正の流れ自体がSTAP細胞事件の裏側を想像でフィクション的に肉付けしたかのようだ。
実際に本書での結論がSTAP細胞の結論ではないだろうけれど、研究者が悪意を持ってやっているというわけではない可能性だってもちろんあるわけで、メディアの報道の仕方も揶揄し、かつ前作に引き続き研究者に対し「やむを得ない不正などないのだ」と視点を与えてくれているような気さえする。
もちろん悪意を持って研究している人ばかりではないし、やむにやまれず不正に手を染めてしまう感情があるのは理解できる。しかし、瑞希にとってはやむにやまれなかったとしても、不正は不正なのだ。瑞希の判断推理の能力はピカイチ、その能力によって最終的には同級生の智美を救えるのか!?
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【170冊目】ジャンル的にはあまり読まないライトノベルに該当するのかもしれないけど、かなり面白かった!STAP細胞の話をモデルに、本当に目に見えていたことが全てなのか、あの騒動の真実をきちんと明らかにする必要はなかったのかというみんなが抱えていたモヤモヤを、ノンフィクションですっきりさせてくれた本。
まぁ、オチは水鏡が得意とするいつものチープなインチキを暴くっていう感じなので、ご都合主義なのは否めないんだけど笑。ただし、そこに至るまでの騒動の展開の仕方や、水鏡たちの態度の方が興味深かった。自分だったらどうするだろうと考えざるを得ない!
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第2巻になって、相方総入れ替えとはね
今後もこのパターンか?
今回は論文と掲載紙の黒い一面をチクチク突いてます
事件の真相は稚拙で、やや突拍子がないですが
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前作同様、瑞希の冴え渡る推理力で、事件の解説に導いていく。間違っていることは、きっぱりと言うが、怒りのあまり、理性が利かなくなるのは、抑えていて、丸くなっているような感じである。実際に起こった事件をモチーフにして、オリジナルにしているのかと思うが、事件の裏側、当事者の心情、その後にも、スポットを当てているのが、また違った物語として楽しめた。新しい登場人物も出てきて、仕事に使命や倫理観を持ち、瑞希の価値観も尊重し、共に仕事に邁進する姿が見え良かった。智美も、先生として新たに頑張っていて、安心である。
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再読。STAP細胞問題をモチーフにした話の構成。最後の瑞希の記者会見の中の言葉「道を踏み外した事実があったにせよ、人間性まで否定される謂れはないということ」という言葉はその通りだと思う。何故、そう思うかは上手くは言葉に表すことはできないけれど、真実を知った上でそういう事は考えるべきだと思う。インパクトファクターの件も然り。その実験が実証されたか否かに関わらず権威がある雑誌に載ったという点だけで公共機関が支援するというような仕組みにゾッとした。次からは始めて読むので、楽しみに読んでいきたいと思う。