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好調『隠蔽捜査』シリーズの長編第5作。今回、竜崎は神奈川県警に赴くことになる。実際のところどうなのか知らないが、警視庁と神奈川県警の仲が悪いとは、よく聞く話である。完全アウェイに単身乗り込む竜崎。
衆院議員の牛丸が、地元から羽田に到着後、消息を絶った。やがて、大森署管内で車と運転手の死体が発見される。ところが、牛丸を誘拐したという電話の発信地は、神奈川だった。神奈川県警との合同捜査が決定し、横須賀署に置かれた前線本部に、竜崎が派遣されることになったのだが…。
竜崎が横須賀署に到着した時点で、逃走ルートや手段は、ほぼ目星がついていたが、肝心の前線本部がさっぱり整っていない。相手が神奈川県警だろうと、言うことは言う竜崎だが、今一つ動きは鈍く、叩き上げの捜査一課長は対抗意識を剥き出しにする。時間はない。さすがの竜崎も、手を焼くか…。
超合理主義の竜崎だが、人の心の機微は読み取れる。誘拐現場は都内だが、監禁場所は神奈川県内。主導権を巡りせめぎ合うが、無駄に相手を刺激せずに動かそうとするのは、さすがの手腕だ。何しろ戸高を使いこなすのだから。ザ・警察官僚だった竜崎だが、いつの間にやら推理力も備わっているし。
『果断 隠蔽捜査2』で活躍したSITが再登場するが、竜崎とは信頼関係ができており、連携はばっちりである。神奈川県警をなだめすかしつつ、仕入れた情報を分析し、惜しみなく展開する。やっぱりスーパーマンだよあなた。着々と包囲網は狭まっていく。
いよいよクライマックス。神奈川県警のSTSが現場で待機する。ところが、伊丹は警視庁のSITの到着を待てと言う。そして、確保した被疑者を巡る綱引き。終わってみれば、神奈川県警の面々も、竜崎に心酔していたのでした。決して竜崎になびかない、第二方面本部の野間崎は、ある意味骨がある人物かもしれない。
今回、恒例の家族事情は不要だった気もするが、竜崎も人の子である。色々あった息子のことは気にかかる。すっかり現場主義が定着したこのシリーズ、今では第1作だけが例外になったが、まだまだ続くのだろうか。
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311
主人公竜崎は、階級は警視長だが、警察庁からの降格人事により、大森署の署長の職にある。頭が堅く合理主義だが、毎回、難事件を解決していく。
今回は行方不明となった衆議院議員が、誘拐殺人事件に遭った可能性があり、神奈川県警と合同捜査をする事になる。犬猿の仲である警視庁と神奈川県警。その間を取り持ち、事件の解決に向けて指揮を執る。
毎度のごとく後半に向けて事件解決に向けて一気に進む。爽快です。
同著者、読了8作目
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スピード感ある展開で、アッという間に読み終えました。
このシリーズは、登場人物個々の仕事に対する熱、熱さを感じることができ、好きなシリーズです。
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傑作シリーズ「隠蔽捜査」の5巻目です。高圧的なキャリア官僚を絵に描いたような、四角四面だと思われた竜崎が、実は公務員としての義務を最大限果たすべく、原理原則を貫き続ける男だったという所からスタートしたこのシリーズ。ある意味水戸黄門的な流れが出来つつあるのですが、痛快な事には変わりなく上手いなという印象です。毎回必ず家庭のトラブルも盛り込まれていますが、今回は1巻で竜崎の降格人事の原因となった息子が東大受験をするのと、議員誘拐事件が重なり内心苦悩する辺りが人間臭さ醸し出しポイントでした。やはり隠蔽捜査シリーズは好きです。
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再読。とにかく安定感のある面白さ。今回転がされるのは神奈川県警の面々。前回までより転がす相手のスケールが小さくなった?と思わせておいて、警視庁と確執の深いお隣さんということで、結構大変な相手です。神奈川県警のSTSを動かすあたり、かっこよかったなあ。伊丹の竜崎に対する一方的な好意の表し方が子供っぽくって微笑ましい。最後の最後で意外な真相にびっくり。
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いつもながらの竜崎節が炸裂。伊丹部長とのかけあいも絶好調。
警察の厳しい上下関係では、このような態度はありえないが、そこは現代のお伽話ということで。
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合理主義の権化である署長竜崎が国会議員誘拐事件の捜査に乗り出す。息子の東大受験と平行して事件は違った展開に。上司も部下も家族すらも合理と正論でひっぱっていく男!
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私は、いきなりこの5巻を読んでしまったからそれ以前の事象については、分からない。
ただ、主人公の竜崎伸也という人物は恐ろしいほどにロジカルな人間だ。全ての事件を多角度から分析して、細かい事まで一つ一つキッチリ裏を取って押さえておく印象を受けて、前の会社の上司を思い出した。竜崎ほどロジカルではなかったけれど、それに近いものがあって一緒に仕事するのは、ちょっとやだなー!と思っていたから、竜崎みたいな上司もやりずらいだろうなぁ、なんて思いながら読み進めた。
しかし、この竜崎の理論的かつ、多角度から分析して常に正しい判断を下すというのは上に立つ人間には不可欠で、彼の行動、言動はいわばプロフェッショナルと呼ぶに相応しいだろう。
それを差し引いてもこの物語からは普段、社会人として仕事をしていく人間にも勉強になる様な部分もある。
たまに、家族の事で心配する心理描写は父親としての顔を覗かせていて、彼も人の親なんだと思いださせてちょっとほっこりする。
文章も多くなくて読みやすいので、おすすめ!
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たまに読みたくなる「隠蔽捜査シリーズ」
今回も、国のためにいかに効率よく働けるかを石頭に考え抜いて行動する、石部金吉な「竜崎」は健在。好きやわぁ、こういう人。現実におったら5分でイヤ気さしてるやろけど。
今回の事件は、現役国会議員の誘拐事件。で、舞台が東京と神奈川にまたがる。この都県がクセモノらしく、警察同士の仲が非常に悪いらしい(現実もそうらしい)。効率フェチの官僚キャリア竜崎が神奈川県警でどういう活躍をするか、ここが物語の核心部で、確かにそこは非常にオモロいのだが
(以下かなりネタバレます)
俺は最後の数ページが大好きである。伊丹と竜崎の「謝れ」「謝らん」合戦、なんだかとても微笑ましいのである。
ユルくなってきた竜崎、世俗に揉まれてこれ以上はユルまなくてもいいので、これからも頑張ってもらいたいものである。
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またまた2日くらいで読み終わってしまった最新刊(?!)。この本では、竜崎の家族への想いも垣間見ることができて、前よりもいい関係になってきているのではないかとほっこりした。本編の警察官としての活躍としては、周りに反発されつつも自分を信じて進むところがやっぱり竜崎らしくていいと思った。
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同期で幼馴染みである伊丹刑事部長から「衆議院議員と連絡が取れなくなっている」という連絡を受けた大森署の署長の竜崎。
衆議院議員の足取りを追い始めた矢先、その議員の公用車が乗り捨てられているのが発見され、その中から運転手の他殺体が発見される。
やがて、その衆議院議員を誘拐したという男から入電が。その発信地が神奈川県内ということが判明し、神奈川県警内に前線本部を設置することが決定した。
伊丹からその前線本部の指揮官を命じられた竜崎は神奈川県警に赴くが、警視庁と神奈川県警の間は昔から反目し合う間柄であった。
2016年6月29日読了。
久々の隠蔽捜査シリーズです。
やっぱり、竜崎、カッコイイなぁと痺れてしまいました。
伊丹との関係性がさらによくなっているのも、またいいですね。竜崎はまるで変わっていないのに、伊丹が竜崎をより信頼している感があって、とても微笑ましくなりました。
一作目で崩壊しかけた竜崎家も少しずつ明るい方向に向かっていて、それもファンとしては嬉しいですね。
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こんな人物が身近にいるとやりにくくて仕方ないのでは・・・という触れ込みですが、複雑に絡み合った感情や人間関係を彼独自の思考でシンプルに整理しながら進むあたりは見事です。思っていてもなかなか実行に移せない人が多い中(自分も含めて)、読み進むたびにスッキリ感が充満してきます。その中で竜崎と、家族・大森署内の、そして神奈川県警の前線本部などなどの人間関係の中で、やっぱり伊丹との関係は何とも言えず光っています。
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#読了。
隠蔽捜査シリーズ。羽田から事務所に戻るはずの衆議院議員が失踪したとの連絡が、伊丹から竜崎へ。そして大森署管内で、運転手が死体で発見される。誘拐犯からの連絡が横須賀市内と特定し、神奈川県警との合同捜査となる前線本部へ竜崎が副本部長として赴くが。。。
安定した読後感。そのまま竜崎の活躍で流れるのかと思いきや、ラストは意外だった。どうせなら、最後にやりあう竜崎を見てみたかった。
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隠蔽捜査シリーズ第6弾。衆議院議員が誘拐され、警視庁と神奈川県警の合同捜査が決定。最前線の指揮を命じられたのは竜崎伸也大森署長。かねてからの確執がある両組織をどう束ねるのか。
組織のトップとしての考え方や在り方がとても参考になる。無駄なことを省き、効率的に部下を動かして成果を得る。当然、しがらみや反目が邪魔をするが、目的を果たすことを最優先にすれば、相手は納得するしかない。男が男に惚れる世界がここにある。
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今回は竜崎が我慢、調整をするシーンもあり。家族の物語が並行して描かれるところもこのシリーズならでは。変わり者感はやや少なめだか、面白かった。