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みんなに愛されたロシア亡命者で画家のアーリク
彼の妻と元妻と愛人と、友人と隣人、近所の人…
彼の死の床は決して沈痛な雰囲気ではない、死してなお。
別の作家の言葉であれなのだか、「先が見えないせいではない、希望」と思えるものがそこにはあるみたいだった。
訳者あとがきにある「無理解」をときほぐすためのキーである寛容さも。
無宗教というより多宗教である日本(それも色々な宗教の人がいるのではなく、複数の宗教を信じている)みたいなことがどれだけ珍しいことか、と思いをはせる(日本でも混じるまでは大変だったんだろうなぁ)
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死期が迫るラビボエームな亡命ロシア人画家とそれを取り巻く人々の最後の過ごし方。
うーん、私も陽気に贈られたいものだ。
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すごく魅力的なお話しだった。
本に語られた話の前も後も知りたい。
この作者の他の本も読んでみよう。
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ロシアから亡命してきた画家アリークの最期を描く。
病床の彼の元には、妻はもちろん、友人、愛人、元恋人など様々な人々が集う。常にたくさんの人に囲まれるということは、なんて幸せなのだろう!
思わず口元が緩むエピソードや、終盤ほろりとしたり、とびっきりハートフルな作品でした。
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物語最初から主人公の画家アーリクは死にかけてるし、その妻はアル中で、しかもアーリクのアトリエには愛人、元カノとその連れ子、その他ごっちゃごっちゃの人たちがいつも集まる。もう設定がカオス。舞台になったアメリカという国の縮小版みたいな場所。
意味不明な人たちばかりなのに読み終わるとどの人物も愛しく思えるから不思議
「この世界には自分にはわからない人もそこにいるし、(自分も含めてそこに)居ていい」みたいな寛容さが心地よい
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N.Y.にたくさんの移民がいるのはもちろん知っていたが、ロシア人がどう移り住み、暮らしていたかという一例を知ることができた点が、ストーリーとは少し離れた視点にはなるが、興味深かった。
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すごく魅力的な人物像、というわけではないのに「誰からも好かれている」主人公アーリク。でも周りの人たちとの関わりを読んでいると段々とこちらもアーリクを好きになってくるから不思議。
死の床に際して洗礼を受けさせようと神父を呼んだのに対してアーリクがラビを呼べといったところが面白かった。
それぞれの人物の背景を想像すると(みんな亡命者である)味わいが深くなる気がしました。
こんなふうに陽気に送ってもらえたらどんな人生でもいい人生だったと言えるかもしれないですね。
最後にイリーナとマイカは遺産を手にしたのかしら、などとすごく俗なことが気になっちゃうところが私自身の残念なところかも(苦笑)
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1991年夏、ニューヨークで死の床にいる亡命ロシア人・画家のアーリクは愛人や友人や見知らぬ人に囲まれて迫りくる死を淡々と待っていた。
死を迎えるアーリクよりも過去も現在も様々な背景を持つ周囲の人々が詳細に描かれていてそれがまた面白い。アーリクはアーリクで死に逝く人物だけど世界や光に愛されてる人だと感じられる。(こういう人、現実にもいますよね。)
ウリツカヤ作品の中ではとても読みやすいと感じました。人にお勧めしやすい一冊。(人物紹介に「自閉症ぎみ」という一言があるのはちょっといただけないけど。)
2024年、年初に「まさかこんなことが」ということが連続した中で読み「こういうふうに逝けたらいい。」としみじみしてしまいました。