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まく子、っていうタイトルと表紙絵、そして中身とのギャップがなかなか強かった。
タイトルセンス抜群ですね。まく子。
「せいきょういく」を受けた小さな温泉街に住む小学5年生のお話。
女子がブラジャーをつけはじめた。
女子が小さなポーチをもってトイレに行くようになった。それを男子が「せーり」と茶化す。性に急激に敏感になり過敏になる男子。大人の男が気持ち悪いと思うぼく・慧の前にとてもきれいな女子・コズエがやってくる。コズエは「まく」ことが大好きだった。小石、木の実、ホースから流れ出る水、なんだってまきちらした。そして彼女には、秘密があった。
大人になることへの恐怖。人と違うということへの浮遊感。
慧が自身の金玉を2度浮気したことで憎しみの対象であった父親に見せたシーン、思わず泣いてしまった。みんなね、なんだか気持ち悪いんだよ。それぞれ色が違ったり形も違って、急速に変わっていくなかで自分のだけ変なのではと悩んで恥ずかしくなったあのころが懐かしくなった。
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わたしは子供の頃に何を思っていたっけ?「ずっとこのままでいたい…」と泣いた季節は、はるか彼方だけれど。叙情的な景色にアクセントを加えるような登場人物たちと、もどかしさに悶えながら過ごす子供時代。さすが、西加奈子作品。大人も子供も、純粋に楽しめる作品。
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どこで仕入れた情報なんだ?
少年が大人になるのは、下半身でしか気付けない?理想の女神と儀式のシンクロ。いま何割がくぐる道なんだろう?
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寂た温泉地で小学五年の少年がいろんな人達と出会い経験し成長してくお話。ラストの展開は西加奈子ワールド全開。受け入れる事や再生や魂や信じる心やいろんな著者のメッセージが込められた一冊。少年の初恋の物語でもある素敵な作品でした。
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サラバ以来の長編小説。
やっぱり西さんの本はいつ読んでもパワーが凄い。
不思議な設定でもそれをものともせず進んで、ちょっと笑っちゃう下ネタな話すら大真面目な話に変えてしまうんだから凄い!
世界は粒で出来ている、その事実にまさか感動するとは・・・
今の自分は今しかいない。
常に新しい自分が生まれてきて、永遠じゃないから美しいと言うことがぐっと伝わってくるお話でした。
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小学生。集落。宇宙人。祭り。集落にやってきた美少女コズエは慧の親が経営する旅館に母と住む。成長過程に悶々とする小学生男子の開眼。最後、新学期にまた転入生がやってきた時のみんなの反応や気配りがとてもいい。読みながらにやにやしてしまう。
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コジコジのような不思議でかわいくて面白くて、でも生々しくて核心的な素晴らしいファンタジー
作品でした。
ドノが話をするページでなぜだか涙が止まらなくなりました。きっとそれは私のなかにあったはずなのに忘れてしまっていた大切なことだったからだと思います。そういうものたちが本のなかに散りばめられています。
小学校の図書館の片隅におかれていてほしい。そしてそれが必要な子供に見つけてほしい。できれば沢山の子供たちに。
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図書館で。ちりばめられている西さんのイラストもキュート。こどもだった頃の気持ちに久しぶりに再会しました♪西さんパワーすてき。
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田舎で暮らす窮屈さがとてもリアル。少し哲学的な内容を含んでいて、読み応えがあった。
生命やそれらが刹那的であること、変化する意味。
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「サラバ!」とはまた違った味わいのポエムのようなストーリー。
とはいっても理解に苦しむ内容でどう評価していいのか…
再生の物語!という点ではなるほど、です。
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心身ともに、子どもから大人になる繊細でかつ針でつついたらすべてがあふれてしまいそうな時期に、大人になるのを嫌だと思っている慧と、コズエのちょっと変わった物語。話の展開は、え?って思ってしまったし、書かれていることも哲学ぽくってちょっとわかりにくい部分もあったけれど、読後はどこかすがすがしい。
西さんの『サラバ』や『舞台』と同じタイプかな...。
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素直でまっすぐな小説。
ドノ君おもしろい。
信じよう。人間を。宇宙人を。
みーんなおかしいんだ。
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少女の秘密が、ぼくの世界を塗り替えた。
なかなか不思議なお話でした。
なんだってまきちらすコズエ。
大人になりたくないという慧。
集落のちょっと変わったお祭り。
みんな宇宙人、違うことがおかしいのではなく、みんなおかしい。
人はみんなコズエと同じで「死ぬ」ことを、「生きる」ことを学ぶためにここにいるのかもしれない。
たくさんの粒で偶然できた生命体。私が誰かだったかもしれないし、誰かが私だったかもしれないということ。
気づいた瞬間、慧の視る世界が変わった。類の、ドノの、ミライの本質に気づけた。
人を信じ、尊重すること。
与えること、受けいれること。
変わっていくこと。
西さんの願いが込められた小説だなと思いました。
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小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいた。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちが恐ろしかった。そして、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきたのだ。コズエはとても変だけれど、とてもきれいで、何かになろうとしていなくて、そのままできちんと足りている、そんな感じがした。そして、コズエは「まく」ことが大好きだった。小石、木の実、ホースから流れ出る水、なんだってまきちらした。そして彼女には、秘密があった。彼女の口からその秘密が語られるとき、私たちは思いもかけない大きな優しさに包まれる。信じること、与えること、受け入れること、変わっていくこと、そして死ぬこと……。この世界が、そしてそこで生きる人たちが、きっとずっと愛おしくなる。
西加奈子、直木賞受賞後初の書き下ろし。究極ボーイ・ミーツ・ガールにして、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。
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大人になることに嫌悪感を抱き、女子からはもちろん男子からも距離を置きたがる慧が、「まく」ことが好きな転校生・コズエと出会うことで物語は始まる。田舎の温泉街の密度の濃い人間関係の中で成長していくことは、時に逃げられない窮屈な思いと闘うことでもあるのかもしれなくて、その思いが、一風変わったコズエを知ることで、外へ気持ちを向かわせるきっかけにもなっているような気がする。慧にとってだけではなく、ほかの人たちにとっても、コズエやそのオカアサンとの出会いは、あるべくしてあったことなのだろうと思われる。どんな人にもコズエがいてくれたら、と思わされる一冊である。
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小さな温泉町の小学生・慧の家は小さな温泉宿。そこの住み込み従業員の寮に同じ学年のコズエと母親がやってきた。
コズエはあっという間にクラスの注目の的になる。
性を意識し始めた少女や主人公。大人になりたくない慧も、少しづつ自分の体が大人になっていき、まわりの大人への意識も変わっていく。
最後までコズエが何者かわからないまま、慧は成長していく。
少年の成長物語ととらえるべきなんだろうけど、ちょっと不思議なストーリーだった。