紙の本
自浄作用に希望を見出す
2016/03/27 01:12
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投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
決して潰すことができない巨大組織ということでは、警察と電気会社は似ていると思う。警察は表面的にはよくわからなかったが、内部で改革が行われていたという話は読んでいて胸をなでおろした。同じように十年も経てば、東京電力などもきちんと改革が行われるのか、それとも反省は風化してしまうのか。上司との関係などの苦労話は身につまされるところもあり意外な程惹きつけられて読めた一冊。
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著者は元キャリア警察官僚のミステリ作家で、「警察内部の視点」を保ちつつ、「市民としての視点」で警察を見、警察に接していると自認している。その著者が、桶川事件、神奈川事件、新潟事件、石橋事件という警察四代不祥事のそれぞれについて、①事案そのものの概要をまとめた上で、②「市民としての視点」からの批判、③「警察部内の視点」からの説明を検討していき、④「今は市民である元警察官としてどう考えるか」という、著者なりの総括を試みている。この本の試論を通じて、「警察官の視点」と「市民の視点」の橋渡しをすることを意図している。著者の小説『新任巡査』のこの本のフィクション版であるという。
先に小説『新任巡査』を読んでいて、それもとても面白かったが、本書もたいへん興味深かった。不祥事について、『腐ったミカン型』(個人の問題)か『腐った果樹園型』(組織の問題)かを区別して分析するなど、警察組織に限らず、組織の失敗はなぜ起こるのかを考えるのに有益な内容だった。また、普段なかなか窺い知れない「警察内部の視点」からの分析は読みごたえがあった。元警察官僚ではあるが、著者が言うように、警察の視点、市民の視点から中立的に分析されていると感じた。
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警察自体に問題がある場合と個々の警察官に問題がある場合を、元警察官の著者が、警察と市民の視点から分析しています。
「なんでそんなんすんの?」ということでも警察の内情を知ることによって腑に落ちることが多かった。
勉強になりました。
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