紙の本
しみじみ高砂
2017/01/14 09:21
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
頼み込まれて大家になって、という下りは『深川にゃん〜』と同じだけれど、こちらはその大家になった夫婦の物語。夫は×3、妻は×1。この罰印の威力が若い夫婦の離婚を抑える力になる話には深く頷く。離婚はしようとおもったらできてしまうのよ。だから高をくくってはだめ。妬みや貧乏や詮無いことで、心が荒んでしまった長屋住人や知人たち。彼らに常に気を配り、話を聞き、できるだけ寄り添うこの夫婦。とてもやさしい。江戸の大家の役割がよく分かった。最後の又兵衛の決心にはじんと来た。高砂〜しみじみいい歌だ。門出はいつでもやってくる。
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親の残した遺産のために籍を入れなかったり、その遺産を育ての子に残すために籍を入れたり…
なんだかなぁ…
主人公たちが町内で起こるトラブルを解決していく人情話は面白いけれど、記憶力の衰えた私は、本を読み終わった頃にはは始めの方のストーリーを忘れてて、こりゃエンドレスで読み続けられるぞと、苦笑。
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3.5
材木仲買人・伊豆屋の当主・又兵衛は三度の離婚を経て、従姉妹のおいせと所帯を持ったが、長男・利兵衛の嫁との確執を危惧し、身代を利兵衛に譲り日本橋へと移り住む。
裏店の差配を務める幼馴染・孫右衛門の世話で、堀留町の会所に住み、住人の世話をすることになる。
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宇江佐真理の江戸市井人情もの、ブレない王道。
江戸を舞台にしているものの、現代の夫婦や家族の在り方についてちょいちょい匂わせるあたり、あとがきに出てきた「ふつうのおばちゃんやで」評がぴたり当てはまる。
この本に登場するような、元気で噂話が好きでちょっと下世話な時もあるけど、それも含めてやや過剰なまでに世話焼きで人情もろい…そういう性善説なおばちゃんこそ、おばちゃんのあるべき姿。老人ホームがうるさいだの、子供の声がうるさくて寝れんだの…、良きおばちゃん絶滅の危機やなぁ(おばちゃんと書いてますが性別関係なしです)
宇江佐作品も未読残りわずか、こういう読んだらほっこりするような市井人情ものを書く作家さん、発掘しておかないとなぁ。
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日本橋堀留町の会所の管理人、又兵衛とおいせ。ご近所のトラブルの仲裁、夫婦の悩みごと相談など日々大忙し。懸命に生きる男と女の縁を描く人情時代小説。
夫婦間のことは夫婦じゃなければわからないとばかりに、又兵衛とおいせの二人が次々と揉め事を解決する。面白いのは、実はこの二人が籍(当時は人別)に入ってないこと。形じゃなく、心で繋がる二人の姿がとても美しい。
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宇江佐真理さんの著作を読んでいると、心が温まります。
段々と未読の本が少なくってきました、残念です。
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いとこのおいせと4度目の結婚をして,やっと落ち着いた生活を送った又兵衛は材木の卸問屋を大きく営んでいた。
嫁姑戦争や継子いじめなどで、3度の離縁状を出した又兵衛は幼馴染でいとこのなんでも言い合える親友とも戦友とも言えるおいせは血が繋がらない子供三人も愛情深く育て一人前にして,隠居を界に二人で日本橋堀留町に移り住んだ。
そこは又兵衛の子供の頃から続く大親友,孫右衛門の住まいに近いからだ。
会所の住み込み、賃金ももらう仕事付き。
そこでの町民とのふれあいの物語。
なんと言ってもこの文庫版のあとがき。解説。
作家宮本昌孝があると聞きやすくまるでおばちゃんのように、つかつかと近寄り会話を交わしたことから始まる賀状の付き合い。それこそ「おばちゃんマジック」と宮本さんが呼ぶそのスタンスで語られる宇江佐・ワールドは,一番難しいかんたんな言葉、さりげない日常会話から表現する宇江佐さんの文章力世界観を表すとても素敵な解説&あとがきになっている。機会があればここまでお読みください。
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宇江佐真理さん「高砂」、2013.9刊行、2016.4文庫、連作6話。どれも味わい深い話でした。会所管理人の又兵衛55歳とおいせ50歳夫妻、裏店の差配をしている孫右衛門とお春夫妻が、うまくいっていない夫婦や幼馴染みの女性2人の仲を取り持ち、みんなを幸せにする物語。私は、特に、第4話の「女丈夫(じょじょうふ)」がお気に入りです!