紙の本
人の脳と学習法について科学的に説いた学習の科学の決定版です!
2019/01/13 17:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、人間の脳と学習法について科学的なデータに基づいて解説された「学習の科学」の決定版とも言える書です。認知心理学と学習を結び付け、その関係を明らかにするとともに、効果的な学習方法や学習のあり方を最新のデータから導き出した画期的な書です。これを読めば、どのような学習が脳を刺激し、効果があるのかがすぐに分かります。私たちのこれまでの学習が変わるかもしれません。
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基礎的な内容の反復学習の効果のなさを批判しており、「脳が認める勉強法」と似たような内容ではあるが、より広範な話題を扱っており、よい内容。一般的ではない訳語が使われていたりするのが少し気にはなるが翻訳の文章も読みやすい。
・ひとつのことに集中して根気よく取り組む方が学習効果が高いと信じられている。実際、そういう経験を持っている人は多いが、それは習得段階における「一時的な力」で好結果がでているだけで、「定着した習慣の力」ではない。間隔練習、交互練習、多様練習が重要。
・われわれの世界観は「物語への飢え」によって型作られる。あいまいで不確かな物事には不安を感じる。思いもよらないことが起こるとわれわれはなんらかの物語(説明)を求める。携帯電話で話している人が気になるのも会話の半分しか聞こえてこないため、残りの半分を推測しようとする強い力が働くためだ。
・流暢性の錯覚
教科書の再読などで勉強していると、すらすら読めるようになったことを知識が身についたと勘違いしてしまう。単純な反復が実力にならず、間隔練習が重要な理由もここにある。本当に知っていることと、知っていると思っていることを検証するためにはテストと想起練習を繰り返す
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心理学、行動経済学の知見をまとめたもので、類書にありがちなノウハウ本的な方向性ではなく、事実をまとめている。基本的には知識や動作を頭や身体に刻み込むには範囲および期間で集中した学習を行うのではなく、長い期間をかけて、多様な方法で行うのが良い。またテストを行うことで想起学習を行う努力をすることが定着には重要。一夜漬けで1科目を集中して勉強するのではなく、様々な科目を分散して行い、ちょっと前の内容は自分でテストをしてどのくらい思い出せるか確認しながらやってみると急がば回れを回避することができる。短期的な集中学習はその時は覚えたという満足感はあるが長持ちは全くしない。
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<目次>
第1章 学びは誤解されている
第2章 学ぶために思い出す
第3章 練習を組み合わせる
第4章 むずかしさを歓迎する
第5章 知っていると錯覚しない
第6章 「学び方」を越える
第7章 能力を伸ばす
第8章 学びを定着させる
<内容>
脳を鍛えること=学ぶこと、だが、そのやり方は王道が記されている。アメリカでも教科書を読むだけ、ノートを見るだけの学習が多いことが窺われる。それでは学びは定着しない。定着させるためには、脳を働かせる必要があり、そのためには「想起」(フラッシュクイズでもいいからテストを行う)。それをできるだけ繰り返す(時間を少し開ける方が効果的)。また間隔を空ける際に同じことの練習ではなく、違うものを混ぜた方が効果が高い(スポーツのようなものでも)。ただし、難易度は上がる。最初は両方できない。しかし、続けた結果、より応用的なものもこなせる様になる。「想起」(テスト)はともかく繰り返すが、その際に「判断の手掛かり」が大事。また「フィ-ドバック」を与えるように指導者は腐心する。なお「記憶術」もこの本では紹介される。記憶術そのものもそうだが、やはりそこまでの過程やその訓練そのものが脳の活性化につながり、「学び」を進捗させる。
目新しいものはない。そして、「想起」(テスト)が繰り返される。その難易度も高めがよいらしい。今までの教員人生の感覚とズレるものはない。
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人は、「知っている」「できる」と言う錯覚に陥りやすい。
集中練習(詰め込み学習)の場合、直後のテストでは高得点を記録しても、想起練習に比べて忘れるのが早い。
授業中にテスト(想起練習)を1回行うだけでも、学年末試験の成績は大幅に改善される。
テスト後に修正のフィードバックを与えることで、学生は間違えて覚えたままにならず、正解をより確実に学べる。
練習は間隔をあけて行い、間に他の練習を挟んだほうがずっと効果的。思い出そうと努力することで学習は強化されている。少し忘れてから思い出そうと努力することで、統合が促され、記憶がさらに強化される。
交互練習をするうちに、どこが似ていてどこが違うか注意するようになり、より複雑で微妙な違いを符号化できるようになる。
解答を暗記するより、問題を解こうとする方が良い。諦めて試さないより解いてみて間違う方が良い。
まるごと書き写した版より、自分の言葉で書き直した範囲について、明らかに成績が高くなり、単に概念を知るだけでは学習効果が得られないことが示された。
長期記憶の容量に実質的な限界はなく、知識が増えれば増えるほど、新しい知識を加えるための結びつきもたくさん作れるようになる。
長期記憶には膨大な知識が蓄えられるので、その時に必要な知識を見つけ、思い出す能力がカギとなる。知っていることを、ここぞと言う時に思い出すには、その情報を「繰り返し使う」ことと、記憶を再活性化する強力な「手がかり」を使っておくことが大切。
練習の条件をいろいろ変えたり、他の練習と混ぜて交互に思い出したりすることで、「判別」と「想起」の能力が高まり、後日新しい条件で学ぶことにも応用できる。
【主体的な学習の方法】
自分で体系づける、自分で階層化(インデックス化)する、自分が既に知っている事柄と関連づける。(共通、差異…)
別の言葉で説明する。具体例を考える。要約する。まとめる。
きちんと理解して説明する。この知識をどう使うか、どう応用するか考える。
知識を元に、何ができるようにならないといけないのか?と問う。
知識の目的について考える。何のためにこの分野のこの内容を学んでいるか考える。
基礎を重視する。学んだ(でいる)知識の前提知識について考える。
全体像をつかむ。実行のために知識を整理する。
主体的な学習計画を立てる。学習を規律化する。
楽な勉強をしていないか?と問う。
・研修にせよ、講演にせよ、引継ぎにせよ、どうやって主体的に学習するか?
を意識する必要がある。「つまらない」と思うのは主体性が足りてない証拠。
・記憶の「正しさ」が重要になるケースは思ったよりも少ない?
←簡単にわかった気にならない事。きちんと説明出来ないなら、分かっていないということ。
・忘れた頃にやる。わかっていない事を勉強する。
←その辺を上手に管理する仕組みを。
・ある分野に関して、主要な概念を取り出して、その関係性とその概念を説明。
というのが、主体的な「想起練習」となる。
・忘れているから「こそ」再度の学習の効果が高くなる。という前向きな考え方。
『課題の内容を忘れるほど、長期記憶を形成する効果的な再学習ができる。』
・経験を振り返る。
・テキスト読んで、重要だと思う、考えた内容を抜き出して…としているが、
この行為をもっと生産的に行う方法はないのか?
←昨日(一か月前)読んだ本の内容を思い出そうとする。
・自分の目標を達成するために必要な能力を整理して、そのための学習方法を考える。
・どの分野でも学ぶ能力は必須
・事実や概念や出来事を記憶から呼び出す「想起練習(≒テスト)」が
テキスト再読で復習するより効果的な学習法。
忘れたころに思い出そうとすることが効果的な学習となる。
月一度の記憶のメンテナンスは非常に
効果的。
・再読は短期の記憶で長期の記憶にはならない。
再読はわかった気になるけど、記憶には残りにくい。
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想起練習、交互練習、多様練習。計測手段ではなく学習ツールとしてのテスト。短期的な詰込み学習で目の前のテストで良い点取っても、長期的には身につかない。
本書の主張は、ペーパーテストで比較的良い成績を出しながら、大人になった時に科学リテラシーや読解力を取得できていない日本の現状へのヒントになるのではないだろうか。
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学習内容は一夜漬けや、教科書に蛍光マーカーを引いて見るだけでは根本的に身につかない。必要なのは少し間を置いた後のテスト、クイズなどの反復学習らしい。確かに一夜漬けとかあとでまったく覚えてなかったわ。
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何回も本だけを読み続けるのは科学的に間違っている。
じっくりと頭に落とし込むためには、自分なりにまとめたり、クイズをして確認をする等アウトプットが必要。
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ひたすら繰り返す勉強は間違っていた!?
読んでみるとなるほどと思える話でポイントとなるのは想起学習。
納得できる内容だが、全体的にもっと短くまとめてくれた方が読みやすかったかな。
面白かったです。
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●科学的に学習の効率に最適な方法は何かを説明している。テキストを何度も読むより、クイズをして思い出すことのほうが記憶に残るというのは新鮮な驚きだった。
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自分でクイズを作ること、それに対して考えること、時間をあけて行うこと、思い出そうとすること。
これらが平面的な反復学習よりも効果的である。
日常の勉強に役立つコアとなる部分を学べる。
重要箇所は太文字で強調されておりそこだけ読むのでも価値あり。
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テストと想起練習が重要。想起練習は忘れかけた頃にする。
再読ではなく自分でクイズをする。
重要な概念は何か。用語をどう定義するか。
その後、知ってることと知らないことを正確に把握する。
きちんと答え合わせする。
自分にとって難しい問題ほど記憶に残る。分からなくても諦めずに解いて、どこが間違っていたかをフィードバックすることが重要。
学んだことを自分の言葉で説明したり、自分の生活にどう関わるのかなど、学んだことと知っていることを結びつける。
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「効果的な学習法」についての本。
ただ読んだり聞いたりするだけでなく、自分で思い浮かべること=想起練習が非常に有効であることが強調されている。
あとは、それを間隔を空けて練習したり、違う要素の練習を組み合わせて交互練習したりが有効。
困難な練習、努力を要する練習が効果的なのだ。
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理解していると錯覚してしまう学習法は危険。
自分はどこまでわかっているのか質問しながら効率的に学習しよう。
生来の能力より、計画的な継続、決意、自己効力感が大事
学習は難しく時間がかかるもの。
簡単な学習は長期記憶に意味なし
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初めて省察という言葉を知りましたが、頭の中でのリハーサルと実体験をすることでより学習能力が高まるという。限られた時間を効率的に利用するための知恵がたくさん書かれている本。