紙の本
3度読む価値がある
2016/06/07 19:18
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投稿者:やまちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年の安保法制はそれほどの大事ではなく、戦後レジームとも言える「九条-安保体制」の枠内に収まったという。しかも、安倍首相の祖父、岸信介の安保改定と同じ結末らしい。一見、えっと思ったが、3度読み直して納得した。するとあの安倍政権のごり押しはなんだったのか、悲しくなった。その結果、アメリカに擦り寄り、アジアとは疎遠になる。中国が突き付ける挑戦に対して、日本の安保戦略を日韓豪の安保協力から建て直せという主張は、遠回りでも核心を突いているのかもしれない。
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9条-安保体制からの脱却と、国際主義に基づいた議論が必要だという主張である。
しかしながら、軍備を持てば使いたくなるのが過去の経験から明らかであり、軍拡競争に走ってしまう。もう既に軍拡は、始まっていると言える。
アメリカ依存のまま集団的自衛権を認めれば、アメリカの正義に巻き込まれる。
やはり、現状維持が最も現実な、平和な国の実現手段である。
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日本の戦後の安全保障政策について、内向きの右と左は結局9条と日米安保という軸に収斂してしまっていた、今後はそれだけではいかんでしょと、乱暴にいうとそんな内容。
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著者は、再三『ルサンチマン』がベースにあるアベ政治は一件望ましい政策を打ち出していても破綻する。としているが、『ルサンチマン』にとらわれて目が曇っているのは安倍晋三(や、麻生太郎)では無く、まさに著者なのでは無いだろうか。
『国際主義』を実際に打ち出しているのは、まさに自民党であり、アベや麻生はそれを打ち消すような動きはしていないのである。そして、著者の言う『自国主義』が『国際主義』をかき消すようなことは現実には起きていない。『国際主義』とは、自国に対する明白な『今そこにある危機』を見逃すこととイコールでは無い。現実としてある、中国の膨張主義、北朝鮮の核と弾道弾に対して『備えをとる』事が『国際主義に反する』という著者独自の見解には全く同意することができないのである。世界のどの国も、自国に対する脅威を見過ごして対処しないなどと言うことはあり得ないのである。そして、右派と左派の対話が成立せず、デッドロックになっているという著者の見解も現実と異なる。『左派』と衝突している。『左派』が受け容れられないのは、『右派』や『右派の主張』では無く、『国際社会の現実そのもの』では無いだろうか。『ルサンチマン』にとらわれている著者には見えないのかも知れないが。
そしてそれは、著者が平和安全法制や集団的自衛権の限定容認について『この程度のことはどの国でも普通にやっていることにも満たず、特に何が変わることもあり得ない』と正しく指摘しているにもかかわらず、結論がねじ曲がっていることからも、著者の理性が、ルサンチマンに負けていると判断できる。