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紙の本
東京はなんて眩いのだろう
2016/10/06 08:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の著者である書評家岡崎武志氏が東京に出てきたのは1990年。
1957年生まれであるから、すでに30歳を過ぎていた。けっして早い「上京」ではない。
そのあたりのことは本書の中の「これが私の東京物語」に詳しく記述されている。
岡崎氏は「上京する理由の何分の一かは、永島慎二描く『フーテン』」に描かれた新宿のシーンだと告白しているが、岡崎氏より十年以上前に「上京」した私も、永島慎二の漫画の影響はあったように思う。
地方の人間にとって、東京は実に時代的であり蠱惑であった。
それは私や岡崎だけではない。
本書の中で描かれる佐藤泰志や開高健、あるいは出久根達郎や庄野潤三、司修、友部正人にとっても同じであったかもしれない。
いや、八王子で生まれた荒井由実(ユーミン)にとっても、東京の灯りはまばゆく輝いていたに違いない。
きっと東京という都市の持つ、永遠の青春性というものだともいえる。
ところで、佐藤泰志である。
岡崎氏は自身も書いているように佐藤が現在のようにブームになる以前から佐藤の作品をしばしば発言してきた。もしかしたら、岡崎氏がいなければ今のような大きなブームになっていなかったかもしれない。
その点では、本書に収められている「佐藤泰志 報われぬ東京」は佐藤泰志小論としても読めるし、青春と東京の残酷性すらうかがえるエッセイといえる。
そういえば、永島慎二の一連の漫画に描かれた東京も、残酷であった。
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