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スタートアップの立ち上げ期にある人に「お前の革新的なアイデアとやらはもう市場にあるからちゃんと強豪分析しろ」といい続けること五章(そういう人からのトンチンカンな依頼を断るためにこの本を書いたらしいことは前書きからも推察される)。六章、七章でやっとプロトタイプの開発に着手したかと思ったら、八章は日本では全く参考にならないカフェで金をかけずにユーザーインタビューをするための店員へのチップの渡し方の指南。九章で唐突に著者の本業と思われる事業分析についてかなり駆け足で説明して(しかもほとんど説明になってない、そりゃこれが著者の飯の種だし…)、十章でほかの専門家のメールインタビューを出して「意見には個人差があります」として終わる。
とりあえず、今から事業を立ち上げる人の頭を冷やす本としてはいいけど、そういう人は最後までこの本読まないのでは。まぁ、著者本人が「世間のUX戦略と自分の意見は違う」と言ってるので、タイトルは出版社がマーケティング的につけたのだということにしよう。
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UX戦略という概念への読者の期待値コントロールがなされていないが、ビジネス戦略の文脈でUXデザインを推進するためのステップを最後まで細かく説明されている。どちらかというとビジネス要件をどのようにしてアウトプットに反映すべきか、に特化した内容になっている。
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UX戦略という題名に惹かれて。
優れたプロダクトを作るために必要なステップがUX戦略と理解した。
基本要素。ビジネス戦略、価値の革新、検証のためのユーザー調査、革新的UXデザイン。
顧客層、パリュープロポジション、チャネル、顧客との関係、収益の流れ、リソース、主要活動、パートナー、コスト構造。
バリュープロポジションの検証。
競合調査、分析。
バリューイノベーションのストーリーボードへの展開。
実験用プロトタイプ。
ユーザー調査。
顧客獲得のためのデザイン。
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UXのあれこれよりも戦略よりの話が中心。戦い、勝つためにどのようなユーザー体験を提供するサービス、事業にするのか。ここを起点に考えるべく、ユーザーの声の拾い方や競合サービスの研究の仕方などが事例やツール紹介など織り交ぜつつ展開される。洋書なので挙がっているサービスも海外のものだけどAirbnbやUber等馴染みの深いサービスなのでイメージもしやすいはず。
UI/UXの検討、企画、設計等を実務でやっていない経営層やリーダーには良いと思う。
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UX戦略とはビジネス戦略とユーザーを結びつけ、プロダクトの価値を作る戦略である。著者はUX戦略を以下のように定義し、この4つのテーマを解説している。
"UX戦略 = ビジネス戦略 + 価値の革新 + 検証のためのユーザー調査 + 革新的UXデザイン"
UX戦略は素早い仮説検証の実験サイクルの中で立案されるもので、リーンスタートアップやデザイン思考の考えを取り入れている。ユーザー中心にプロダクトを作り、検証し、戦略を立て直すものだ。「イノベーションのジレンマ」で有名なクレイトン・クリステンセンも「誤った戦略を推進して多額の資金を無駄にしないよう、実験にもとづく戦略が必要だ」と説いている。
個人的には日頃の考えを肯定してくれる内容であり、真新しい学びは少なかった。けれども最終章のUX戦略家たちのメッセージは、UXに関わる人々が抱える悩みに対して気づきを与えてくれる。UXを深く理解している人は、この章だけでも読んでほしいと思う。