紙の本
SF畑で活躍していた長谷敏司さんが久々にラノベに復帰!
2016/06/18 09:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nawade - この投稿者のレビュー一覧を見る
代理戦争として発展した宇宙競技、ストライクフォールに夢と希望をかけた兄弟の絆の物語。
ここのところSF畑で活躍していた長谷敏司さんが久々にラノベに復帰。
ラノベでは鬼門と言われるSFしかもスペースファンタジーとはガガガらしい野心作。
とはいえ、どちらかというと人間ドラマに重点を置いている作風で、距離とともにすれ違ってしまった兄弟の心の再生を丁寧に描いている。
文体も作者らしく読み易く仕上がっている。
アデーレが蛮族可愛かった。
チョイ役だったが加々美のツンっぷりもスパイスが効いててよかった。
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今時、見守るだけのヒロイン環。アデーレやロクサーヌの方がキャラが立っていました。
英俊が雄星の身代わりになった動機以外は、全般的に整合性がとれている思います。
世界観や小道具の設定に重点を置いたのか、スピード感を欠く説明をことごとくねじ込んでくるのは止めて欲しいものです。あと、舞台を宇宙にしたのでSFですな姿勢はどうかと。
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途中とかぼろ泣きだった。SF要素としては宇宙の王という謎の存在からもらった謎の技術がエネルギー源や重力発生装置になっている(カドか)。彼らの目的とかも明らかになることを期待してる
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SFは常に新しいことをしなければならないわりには普通のライトノベルなスポーツバトルもの
主人公の高いところからの描きかたや
個人でなくチームバトルであるなどの細部の描写はさすがによくできているが
『BEATLESS』と対比だからか
この作品設定を使って次に面白さが拓いていくようなところは感じない
『円環少女』はそう振り返ると奇跡の調製だったのか
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《宇宙の王》よりもたらした万能の泥。それを利用した兵器チル・ウエポン。長きに渡った宇宙戦争が終結を告げ、それにより戦争はストライクフォールという疑似戦争の競技へと成り代わった。この物語はストライクフォールのプロに魅せられた兄と、そんな兄よりも一歩先にプロデビューした天才の弟の物語である。
憧れの兄を弟が目指すという構図はよくあるが、その逆パターンは珍しく、天才である弟に抱えた鬱屈や嫉妬、誇らしい気分とがないまぜになった兄である雄星の心理は非常にリアルかつドラマティックである。引き取られた先の家の少女環との友達以上恋人未満の関係、兄と弟による三角関係などはテンプレートながらもラノベとしてのポイントをしっかりと押さえており、また古典的なその関係は今見ると逆に新鮮に映るのかもしれない。同じ顔である弟で、よく間違われる上に英俊の兄という扱われ方しかしないというのが兄のプライドを刺激する形で展開しつつ、よもやすればドロドロネチネチした流れになりそうな所を、持ち前の熱血さで乗り越えていくというのに心を打たれてしまった。
そんな物語としてのギミックだけかと思いきや、物語は中盤で大きく方向を変える。不慮の事故により弟の英俊が大会前に兄を庇って死んでしまう。弟が単なる悲劇の選手として扱われることをよしとせず、その名誉を守るために同じ顔である兄が弟に成り代わってデビュー戦に挑むというのはかなり熱い展開だった。自身の夢や野望よりも弟の名誉を夢を継ぐことを選んだのは、ややモヤモヤとしたものが残るものの、劇的なプロ相手への勝利の余韻に酔いしれる間もなく、不穏な言葉を残す幕引きにはゾッとしてしまう。これから先弟でないことがバレるのか?オールラウンダーだった弟と違い、接近戦しか取り柄のない兄、そして恋する環や兄のポテンシャルを引き出したチームパートナー、アデーレとの関係性など、次巻に向けての種まきは十分なぐらい済ませている。何かしらの代償を払うのか否かが気になってしまい、早急に次巻を買うことに決めた。いつもは最初の巻だけ読んで満足することが多いのだが、続きが気になったライトノベルは久しぶりである。
SF畑の出身らしい作者による設定の濃密さは素晴らしく、アニメ向きな題材でありながら、小説でしか表現できないロボットアクションになっており、また敵の強さの描き方も上手い。片鱗はあるものの、まだまだアマチュアにすぎない主人公と、プロ選手の絶望的な差、それでいながら闘いを挑むという構図には熱くならざるをえない。またどんどん上手くなっていくのがスポーツの楽しい部分だということもしっかりと描かれており、アマチュアとプロの試合の差など、スポ根競技ものとしても絶品である。このままスポーツとして終わるのか、はたまた戦争へと変貌していくのか現時点ではまだ分からない。1,2巻が序章とのことなので、しっかり既刊分は追いかけていきたいと思う。
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SFロボラノベ。読みながら宇宙空間戦闘シーン頑張って思い浮かべるのは久しぶりで少し疲れましたが楽しめました。