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すごくよかった。
少しずつ水が染み込んでいくように、じーんときた。あくまでもフィクションだからこそ、各々のコンディション次第でぐにゃぐにゃ姿を変える。
わたしは調子が悪い時期なので、ほんとうに数ページずつ、それこそ山を一歩一歩登っていくように読んだ。だんだんと景色が変わっていったり、変わらなかったり、綺麗なものをありがとう。
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北村薫の八月の六日間を読みました。
アラフォーの女性編集者が主人公の山歩きの本でした。
仕事上のストレスを解消しようと同僚の女性編集者藤原ちゃんから誘われて山歩きを始めた「わたし」は厳しいけれど達成感のある山歩きに挑戦していくのでした。
副編集長から編集長へ役職があがってストレスの種類も変わる中、山での山歩き仲間との出会いという喜び、幼なじみの心の友との別れという悲しみをとおして山歩きが描かれていきます。
「わたし」は編集者なので山歩きに文庫本を持って行くのですが、山歩きのエキスパートからは不要な荷物だと言われてしまうところが、本好きとしてはツボにはまりました。
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北村薫の“山歩き”連作短編集
アラフォー独身女性編集者が、友人から誘いを受けた山歩きの魅力にはまり、仕事や私生活も絡めた「日常と非日常」を行き来する姿を描いています。
山歩きはしませんが・・・山登り、ちょっとしたくなりました(^_^;)
それにしても・・・相変わらず北村氏は上手い!上手過ぎるっ!!山に登らずしてこの描写!!!ちょっと北村作品を色々読み返したくなりました(^_^;)
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心がすーっと軽くなる、そんな本だった。
一人で黙々と山登りをする、人前では弱音を吐かないその姿勢は、私には真似できそうもないけれど、日常を離れた山での出会いや自分の内側と向き合う時間はとても価値があるものだと思った。
特別な数日間が、残りの日常を支える。
私にとって、その支えとなる「特別」は何だろう。どんな体験、どんな時間だろう。
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今年から夫と息子とで山歩きを始め、夏休みにキャンプデビューも果たしたので、山の魅力にどんどん引き込まれている真っ最中、日常に疲れて大好きな本屋でぶらぶらしていて見つけた本。一気に読んで、癒されました。毎日疲れるけど、特別な数日間を山で過ごすことでリセットだったりチャージができるよね、と再認識させてくれました。
私にとっての特別な時間は、何だろうなと考えたら、読書と旅行でした。
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アラフォーの「わたし」が登山によって自分に向き合い、心の部品を取り戻す過程がとても良かった。山に登る前のパッキングの場面では、子供の頃の遠足の前日、持って行くおやつで悩む高揚感を思い出したし、山の美しい情景も苦しい上り下りの行程も主人公と同じように味わうことができました。日頃、忙しくてストレスがたまっても、自分にとって特別な何かがあれば、乗り切っていけるという部分にも共感できました。私には本格的な登山は無理だけど、ハイキングには行きたくなりました。
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山登りに魅了されたアラフォー山女の登山本。
正直惹かれたのはタイトル。山登りには全く興味がないのだけれど、全く興味のないものを読む事もしてみたくて手に取ってみた。読んでみて、楽しそうだなぁと思ったのは正直出かける前の準備のところ。あれやこれやお菓子を入れているところ。遠足の前日が楽しいみたいなやつ。
八月の六日間。1年365日の中で最も大切な6日間。他の359日を支えてくれる6日間。無理をせず今の自分を見つめ直す6日間。肉体ではなく心を鍛えてくれるのかな。
ちょっとだけ、登山も良いかもって思えた。
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仕事帰りに立ち寄った書店で、「今、私が読みたいのはこの本だ!」と直感し、買って帰りました。
期待通り、読んでいると心がほぐれます。
主人公が山に登って自分を取り戻していくように、私はこの物語を読んでいる間、心が解放され、癒されました。
あー、山に登ってみたいなぁ。
大自然の中に自分を置いてみたい。
と本気で考えてしまいます。
人間って、自分と向き合う時間、大事な自分の時間があるからこそ、また毎日がんばれるんだな。
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年齢や登山レベルが自分と近くて親近感たっぷりに読みました。主人公の働き方や友人との付き合い方やいろいろ、共感。山に登らずに書いたとは信じられないリアルさ。自分と同じレベルの山あるあるが楽しかった。小説としてはあまり面白みはない。でもそこが、凡人の自分に近いし、気に入った。冷えはよくない、山に行くといい、という占い師の言葉もよかった。自分で答えを見つけなきゃいけない、自分だけの苦しさを山登りで癒してもいいんだよ、と言ってもらえた気がした。縦走したい!(私は単独行はムリですが)
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日常での辛い出来事に遭った時、非日常を求めて山に登る、独身の女性編集者の登山の単独行日記。
自らの30数年前の山行を思い出しながら読み進めた。
そして、その行程のリアルさから、主人公と一緒に登っているかのような臨場感を味わえた。
しかし、著者はこの作品を、一度も山に登らずに書いたとか。作家の想像力たるや、畏るべし!!
主人公の山行の準備の記述で、携行する本の具体的な書名を出しているのはうれしい。今後、何を読もうかと考えた時の参考にもなる。
また、毎回ごとに山に持ち込む食べ物を、これでもかこれでもかと列挙しているのは、何ともおかしい。
すなわち、グミ、キャラメル、柿の種、ゼリー、じゃがりこチーズ味、ドライマンゴー、マドレーヌ、ドーナツ、etc。
思わず、生唾を飲み込む読者もいたことだろう(笑)
最近、山女が増えているという。この作品を読んで、山に登ってみようという女性がさらに増えるかも。
しかし、単独行はくれぐれも控えるようにとの、著者の言葉。
この作品、映画化の企画も進んでいるらしい。キャストが誰になるかも楽しみ。
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なんとなく見かけて20ページほど立ち読みして、気づいたら購入してました。衝動買いだったのだけど、しみじみ買ってよかった。
物語に疾走感があるわけでも予想外の展開が繰り広げられるわけでもないのに、読みだしたら止まらない、静かで力強い魅力を持つ作品。
こちらの本に限っては、解説は読まずに買ったほうが、気持ちのいい驚きを体験できると思います。
驚きだけでなく、著者自身の言葉が書かれているのですが、それがまた本編を読んだあとだと心にじんわり染み込んでくるので、ぜひ本編読了後に解説をどうぞ。ちなみに解説は瀧井朝世さん。
わたしもいつか、山に登りにいこう。まずは初心者向けの山へ。
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雑誌の編集をしている主人公。山に出会い、ひとりの山登りを始めます。山での人々との出会い、地上での日々の出来事が綴られます。日常を離れ山小屋にいるとき、険しい山道を登っているときの主人公の回想が心に残ります。編集の仕事をしているくらい本が好きな主人公が、山に持っていく本のチョイスも本紹介として面白いです。東京のどこかですれちがっているかもしれない女性の物語として読みました。(本格的に登山をやっている方は細かいところはこだわらず、ツッコミをいれずにストーリーのみ追って楽しんでほしい。)
【野菜ジュース】
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自身も山歩きが趣味。山岳ルートの採り方、登山中に起こるアクシデントや人との交流、食糧服装などの装備に関することなど興味深く読んだ。でも、著者は山の経験がないという。これには驚くとともに、少し、いや結構がっかりした。
購入してから1年近くほかの本を読みながら積読に近い状態だったが、白山登山の直後に読んだら3分の2以上を一気に読み終えた。山登りの魅力を十二分に読みとれる本だと思う。けど、やっぱり登山未経験者が書いた本なのはがっかり。
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北村薫さんの作品いつも暖かい気分にさせてくれる。都会で忙しく働く編集者である主人公の女性が、時間を見つけては山へ行く。そこで出会う様々な人たちとの交流、個性は強いが皆暖かい心の持ち主。この本を読んでいると自分も山に行ってみたくなる。きっと大変だけれど素晴らしい景色や自然にいやされるんだろうと思う
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知人に紹介いただき読んだ本。主人公は女性ではあるものの、自分も山登りはするので「そうだよね、そうだよね」と思いつつ読了です。本作品を読了後に読んだ解説に「なるほどなっとく」した文庫本でした。
~我々はこういう、特別な時間を持つことで支えられているんだと思います~