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北村氏の本を読むと、現実とは違う時間の流れを感じる。
この作品の主人公は、私と同じような働く女性。
そして、同じように恋愛ベタ。
もっと、せかせかしても良いと思うけど、おおらかに見える。
それは、主人公が読書家だからかもしれない、と思う。
私も、もっと本を読みたいなぁと、思わされる。
さすがに、山に登ろう、とは思わなかったけれど。
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章立ては それぞれ山を登った数日間となっている。
きっかけは、同僚に「山」に誘われたこと。
そこから、「わたし」と「山」の関係がスタートする。
山へ登る前の、準備している時の描写が好きだ。
リュックサックに詰めている様子が
まるで自分がこれから登山にいくような
そんな気分になる。
あと本を持っていくところも、好きな部分。
解説にも書いてあったが
読んでいると 不思議と自分も山登りへ行きたくなる。
山小屋でのご飯。
休憩にたべるおにぎり。お菓子。
駅前のラーメン。
特別ではないはずなのに、すっごくおいしそうで食べたくなる。
さすがに一人で山にはいけないけど
ぶらり旅でも、したいなぁ。
もちろん、本を持って。
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〈書を持って、山へ出よう〉
山を登る。無心で歩く。
決してドラマチックな展開があるわけではないけれど、これこそまさに「非日常」。
読んでる最中から、自分がこれから山に行くような気分になって、じゃがりこを食べたくなって、、、。
山の景色は想像するしかないけれど、読んでいてふつふつとイメージが湧いてくる。
登っている最中の疲労感。山を降りる寂しい気持ちと、ほっとしちゃう気持ち。
よく、困難というものは山に例えられるけれど、山小屋や山自体が大きく腕を広げて温かく抱いてくれることだってある。
山の懐は、大きく深い。
※巻末にあるように、もちろん山には怖さもある。だから、困難な例えにもなるということを、忘れずに。
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全く山など登らない自分が、読んでみてほんとにかるーいハイキングくらいに行ってみたいなと思わせてくれる本です。
特に主人公がものすごく山に登って変わったり、とかはなく淡々と日々を過ごしながら休みの日に山に登る。
ちょっとした出会いがあり、そこからまた次はどこに登るか考えたりと、日常の延長のお話です。
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エッセイを読んでるような感覚ですらすらと読めた。まるで山登りを自分が体験したような気にもなり読後感は清々しいものでインドアの自分も登山したくなった。
日常と非日常の対比された内容も面白かった。40歳の編集者である私の気持ちに自然に寄り添うことができた。
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BSフジの番組「絶景百名山」で槍ヶ岳の回が再放送されていたのを数日前に見た。映像でも槍ヶ岳の美しさと迫力が十分に伝わってきて、何と言うか、凄いな、と思っていた。 この本を読みだしたら、あれ?槍ヶ岳?合戦小屋でスイカ食べてる!そこから山頂まで、文中に現れる景色が「見たことある」景色になっている。映像を見て感じたことが、文中から見事に浮かび上がってくる感じがした。
勿論、この本は単純な山行のレポートではなく、人間にかかわってくる部分がメインになる。それはわかるが、ものを書く人は大したもんだ、と単純に感心していたのだが、解説を読んで更に驚いた。
「山に登らずに書いた」(作者談)思わず固まってしまった。解説者のびっくりには共感する。
作中に出てくる上高地や白駒池では、キャンプした経験もあり、麦草峠のトイレにはツーリングで何度もお世話になっている。本当に、うまく雰囲気を捉えているなぁ、と読みながら思っていたのだが。
未経験という方がフェイクでは、と疑いたくなるくらいだ。逆に考えると、そんな筆力がなければ、「わたし」の姿も、これほど鮮やかではなかったかもしれない。
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初心者登山コースにチャレンジしたアラフォー女子の
5つの体験談。
山でのマナーとか、危険とか知識とか出会いとか
そういうのをサクっと知りながらも「わたし」が
色んな意味で学び、リフレッシュし、そして成長する
楽しいお話でしたぁ~
登山やトレッキングでも、経験者なら共感できる部分も
結構あると思いますよ。
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読みやすかった。小生登山初心者で雪山なんてとてもとてもと思っていたのに、「二月の三日間」で雪山も面白そうと考えが変わり来年2月に息子を連れてのスノーシューハイクツアーを申し込んでしまった次第です。でも作中のような長期山行は憧れますが当分無理かな、と。
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(01)
山域としては,北アルプスが中心となり,北八ヶ岳,裏磐梯などにも足を運んでいる.数日間の山行記録が独身女性の視点で綴られていく.
彼女はベテランの登山家ではない.初心者として山の魅力に山を目指す先行者「麝香鹿」や藤沢ちゃんとも山を供にするなかで,自然や社会や自らの人生に随想を加えていく.また,文学的素養,演劇や音楽に培われた連想に思いをめぐらすこともある.読者の視野は少し高いところへ,少し広いところへ導かれるかもしれない.道具や食事,楽しみ方など敷居の低い(*02)登山の入門本として読むこともできるだろう.
(02)
文明が野生へと切り込んでいく.そこにある野生味は,近代登山の開始から一世紀を超える期間を経て,別の局面へと移りゆくようにも見える.そこには人と会うための山,人間関係を回転させるための山があり,その素敵な背景としての山々が見えてこようとしている.
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図書館で。
友人が面白かったよ、というので借りてみました。後書きをよんで、山昇ってないのか、講釈師、見てきたような嘘をつき、という落語の一節を思いだしました。まぁでも調査されたり、体験談を聞いたりとまるっきりの嘘というわけではないのだと思いますが。
個人的に日常を離れた非日常とか一人旅にそれほど憧れが無いのでこの本を読んで旅に出たいとか、山に登りたいとかは思わなかったかな。特別な何日かがあれば残りの日常を乗り切れるという考え方もあまりピンと来ない。旅は行きたいなぁという漠然とした希望はあるものの、この頃は体力が無いので日常に戻った時のしんどい事を考えると無理はできない…。自分が無理しても良いと思えるのが多分もっと違う事なんだろうな、うん。そして人に合わせるよりは一人の方が圧倒的にラクってのはすごいよくわかる。わかるけど、自分は一人が好きなんですとか言ったらオシマイよみたいな気持ちが微妙にあったりもする(笑)
個人的には主人公はなんだか見栄っ張りで生きるのしんどそうな人だなぁと思いました。自分に対する理想が高いんだろうか。まぁみっともないとかカッコワルイ自分をさらけ出すのは難しいけれども自分に対しても見栄を張ってそうな所が辛そうだなぁと、そんな事を思いました。
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山行の部分は読んでいてワクワクした。
「わたしは山に心を開きに行く。そして、一人の方がより、そうなる。だから一人が好きなのだと思う。」この部分にも同意。
ただ、
夢の中の架空の本の話は自分の世界に入りすぎてる気がしたし、高校時代の演劇大会での爺さん先生とのやりとりで、寝ているのを指摘した後で、『君のことを分かっているのは、この中で俺だけだよ』という解釈や、爺さん先生の目に浮かんでいたのは愛だとか、何故そんな解釈になる?
はたまた、相手の勤務時間中に電話するか?
同業者とは言え第三者の結婚を勝手に報告したりカメラマンに向かってなんとなく上から目線な話し方をしたりする作家が出てきたり(話の展開上必要なことだったにしても…作家ってみんなこんなに不躾なのか?)、
主人公の元上司との会話(p.249-250。特に「親子で言いようのないことがあるとね、わたしは、自分がいつ死んでたら、この子は幸せだったんだろうーーって思うよ。(中略)男と女は、そういうのとは、また違うね。他人なんだ。ーーそれはね、微妙だけど、でも、人間にとって有り難いことじゃないかな」。何故そうなる??)
等々、少々感性の合わない部分があった。
「ターン」は好きだったんだけどなあ。
→アマゾンレビューを読んで分かった。出てくるこの年代の登場人物像が古すぎるんだ。40過ぎて結婚してない人なんてザラにいるのに主人公も周りも腫れ物扱い。メールの文体も何か古い。
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登山好きもありとても面白かった。
登山目線からはルートを確認したり、行っていない山行のシュミレーションになったり…。
またそれと並行した日常や主人公の心の葛藤が描かれていて面白い。
深い悲しみや不安がサッパリと書かれておりとても好感が持てる。
好きなタイプの小説。
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夏に登らせて頂いた野口五郎岳の直下にある野口五郎小屋の本棚で手に取ったのがきっかけ
で、下界に下りてから購入し、つい先ほど読了させていただきました
ハラハラドキドキするシーンがある訳ではありませんけど、山を登ることにより得られる感覚というか感情、心情みたいなところを描いてくれている作品だと思います。
私自身も山登りを続けていますが、果たして成長した部分があるのかなー、と疑問に思ってる部分はあるのですが、主人公の『わたし』(←結局最後まで名前は分からず)が山登りをする前と現在とで、少なからず心境の変化を垣間見せる場面がある様に、やはり山に登らせていただく事で得られる、というか変われるところはあるんだと思います(思いたいです)。
ガツン!と響くという内容ではありませんが、とても優しい物語という印象に感じられました
オススメできる物語です(*^^*)
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無心になるために山に登る。人は苦難の多い生活の中で、無心になる場面が必要である。それには瞑想がとても有効であるが、瞑想を定期的に行うのは難しい。瞑想に代わるのが登山である。
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読んでいるときも、読み終わったあとも、清々しい気持ちになれる一冊。
山登りの爽快感だけでなく、過酷さや、予定していたルートを諦めることの重要さなどが伝わり、登山未経験者が読んでも、山を登っているような気分になれるだろう。
日常での主人公が仕事にうちこむシーンも格好いい。