紙の本
日記から読む戦前日本の戦争と日常
2018/07/20 09:06
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投稿者:文学少年A - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は張作霖爆殺事件から敗戦まで七つの分岐点での指導者や古川ロッパや高見順などの市井の人々が書いた日記を読む事により戦前日本の日常が描かれている。
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永井荷風が井伏鱒二を嫌っていたことをどこかで読んだ気がするのですが、それは、荷風が井伏の『昭南日記』を読んでいて、日本軍のシンガポール空襲から避難するときにある現地人が身の回りの金品を寺院の僧侶に預け、にもかかわらず僧侶が持ち逃げしたことに対して井伏が「何の応援をしてやろうというつもりもない」という日記の記述に、永井が失望したのかと想像してみました。
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<目次>
第1章 張作霖爆殺事件
第2章 満州事変
第3章 日中全面戦争
第4章 第二次欧州大戦
第5章 日米戦争
第6章 アジア太平洋戦争
第7章 敗戦
<内容>
政治家、軍人、官僚、作家などの日記を駆使して、歴史的事実の裏側の各人の想いを描きながら、また歴史を浮き彫りにさせる内容。当然本来の歴史的事実を知らないとわからない。新書いう関係上(もともとは日本経済新聞の連載)、その読み込みは浅いが、見えてくるものはある。
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エッセイ程度の読み物なら成り立つだろうが、歴史家が日記のつまみ食いで好きなように論旨を展開するのは反則だ。第一章の張作霖爆殺事件だけでも読む気が失せた。
人為的な事件を事故か天災のように記述し、事後の対処にのみ焦点を絞れば自ずと権力中枢の献身性が印象に残ることになる。その視点からは陸軍という権力機構そのものが事件を引き起こしたという大前提がこぼれ落ちる。
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張作霖爆殺事件から太平洋戦争までを、いろいろな日記の記述から読み解くもの。
生々しいけど、日記なので当然主観的だし一方的な記述の採択が多い。もちろん誰の日記のどの部分を紹介するかが筆者の企てということになる。ちょっと何だかなぁ。あんまり納得できなかったな。
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その日の出来事と感想が書かれた日記は、時代の空気を閉じ込めたタイムカプセル。開戦の熱気、原爆の噂、突然の敗戦…その時、政治家は、作家は、何を書いたのでしょうか。昭和の戦争を日記で追った歯ごたえのある本。
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別著で論じられている「昭和デモクラシー」からファシズムへの流れを追いかけようと思ったのだが、政治史と民衆史が混在しており、かつ日記を史料としているため断片的で少々読みにくいし、説明不足な所もあって流れを追うには物足りない。ただし、当時の「生の声」を元に叙述されてはいるので、時代の雰囲気を感じるにはよいのかもしれない。とはいっても、著者のストーリーに合うように日記の編集がされているので、総じて不平不満というかグチが多い内容にはなっている。