紙の本
夏に読むのが一番
2016/06/26 16:15
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投稿者:やっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
静かな部屋で一人で読むのが物語の中に入れるのでオススメ。冷房を少し低めにかけて読めば雰囲気でます。
紙の本
シリーズ中で一番バラエティーに富んでいる
2022/01/16 19:37
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
三島屋変調百物語第三弾です。ここには6篇収められている。この中に収められている作品群は、今までで一番バラエティーに富んでいる。なんじゃこりゃというのもあれば心温まるものもある。解説を読んで分かったのだが東日本大震災後に書かれた震災を想起させるものもある。再読してみたい。
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
泣き童子はやりきれない話だった。己が罪を告発するのが…だったら。ラストシーンの後 どうなったのだろうか。
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読んでいる間、いい時間が過ごせた。
宮部みゆきさんにお願いです。
おちかさんは、是非幸せにしてあげてください。
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「怪談語りをいたしますと、種々のお話を通して、神仙の御力、あるいはあやかしの不思議や恐ろしさに、自ずと身が引き締まることは確かでございます。人の知恵や理屈の届かぬ出来事を聞き知り、人の身の分際を弁える。魂魄震えて塵が落ち、我欲滅して気が澄み渡る。その効用の有り難みに、先代の跡を引き継いだ私も、怪談語りの興趣の虜になったという次第でございます。」
札差・井筒屋七郎右衛門の口上より
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三島屋伊兵衛の姪・おちか一人が聞いては聞き捨てる変わり百物語が始まって一年。幼なじみとの祝言をひかえた娘や田舎から江戸へ来た武士など様々な客から不思議な話を聞く中で、おちかの心の傷も癒えつつあった。ある日、三島屋を骸骨のように痩せた男が訪れ「話が終わったら人を呼んでほしい」と願う。男が語り始めたのは、ある人物の前でだけ泣きやまぬ童子の話。童子に隠された恐ろしき秘密とは―三島屋シリーズ第三弾!
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黒白の間での話は、聞いて聞き捨て、語って語り捨てが決まり。
今回は、三島屋の体制や方法が固まり、ちかの話ではなく、不可思議な話そのものを6篇の短編でじっくりと読ませる。
以下はメモ:
魂取の池
この池の畔に立つと、亥の神の悋気に触れる。お文の祖母の話。
くりから御殿
子供の頃、山津波で亡くなった幼なじみとの不思議な話。
泣き童子
悪事を秘めた人といると大泣きする子供。
その話のさらに先に怖〜い話が続いていた。
小雪舞う日の怪談語り
この章の中で4編の話が語られる。
1) 増築した家で迷子になって恐ろしい声を聞く話。
2) 橋で転んで不思議な場所に行き寿命を差し出す話。
3) 見えない目で病が見える母の話。
四番目はなし。
5) 最後は黒子の親分の話で、黒くなって行く病人に影法師のようなものが丑三つ刻に来る。
おちかは両国橋でおえいをよろしくと言うおこぼさんに会う。橋はこの世でない所に通じる。
まぐる笛
怪獣まぐる出現。その退治され方が悲しい。しかし、まぐるはまた復活するだろう。
節気顔
起叔父は24節気毎に死者に顔を貸すことになった。その仲介をあの世とこの世の合間で持ちかけた商人。
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http://takotakora.at.webry.info/201607/article_3.html
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怪異を描きながらも読後感がとても良い、いつもながらの宮部みゆき作品。百物語になるまで続いて欲しいシリーズ。くりから御殿、が3.11直後の執筆だったとあとがきで知り、余計に泣けた。
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宮部みゆきの泣き童子を読みました。
三島屋変調百物語(おそろし)シリーズの3冊目でした。
三島屋の黒白の間でおちかが百物語を聞き始めて1年、瓦版に評判が載ったこともあり、おちかはいくつものお話を聞くことになります。
今回も、怖い話、妖しい話が目白押しで楽しめました。
1冊目の重苦しい雰囲気、2作目のほんわりと温かい雰囲気とはまた違って感じられるのはおちかが少しずつ成長しているからでしょうか。
この巻では脇役のお勝が魅力的に描かれていてそこも楽しめました。
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再読。宮部さんの中で最も次が待ちどおしいシリーズ。「くりから御殿」が3・11のすぐ後に発表されたとは知らなかった。生き残ってしまった人にエールを送る温かい話にほろりとした。それぞれの話がバランスよく配置され、抜群の安定感。何事もなく百まで続いてほしいと願います。
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おちかが様々な人の不可思議な話を聞いていく、三島屋シリーズ三作目となる連作短編。
今回も宮部さんの技が、あますことなく発揮されている短編集となっています。
まずなんといっても今作は今まで以上に話のバリエーションが豊か! 第一話目は、おちかと同じ年くらいのまもなく結婚を迎える女の子が話の語り手となりますが、これがまさかの恋バナ(笑)
怪談的な要素もしっかりと含みつつも、女の人の嫉妬だとか欲だとかを、可笑しさを交えて語ります。これを読んで改めて宮部さんの作風の幅広さを感じさせられました。
続く二編目では、かつて鉄砲水で故郷を失った男性の語る不思議な夢の話。
なぜ自分だけ生き残ったのか、そんな疑問を持ち続ける男。一度生死の境をさまよったときに、男は友達の夢を見るのですが、その時に語られた男の思い。それを聞いた妻の思い。いずれもべただけど、心にじんわりと染み入ります。ほのかな暖かさを感じさせる、これもまた素晴らしい短編です。
可笑しさ、暖かさはもちろんのこと、人の怖さを感じさせる怪談もばっちりと取り揃えられています。表題作の「泣き童子」は、骸骨のように痩せた男が語る不思議な子供の話。一切しゃべらない男の子が、ある時だけ、火が付いたように強烈に泣き出すのです。その真相は?
これは語り口が絶妙な短編です。話を聞いていけばいくほどに、男が抱えた罪の重さ、闇に深まっていく感覚が伝わってくるのです。そういう意味では、この短編集の中では最も読み応えのある作品だと思います。
ほかにも村を襲う怪物の話や、一定の期間ごとに一日だけ顔が、死者のものに変わる男の奇妙な晩節、さらには
おちかが他の百物語の会に参加するなど、各編非常にバラエティー豊か! 特に驚いたのが、おちかが百物語に参加する回で、4人の人がそれぞれの物語を披露するのですが、これがいずれも、本編とそん色ない完成度だということ。いつになったら宮部さんのネタは尽きるのでしょうか…
シリーズ三作目となり、単に怖い、恐ろしいだけでない様々な味わいあふれる怪談物語が増えてきたという印象です。宮部さんによるとそれもおちかの聞き手のスキルが上がってきたから、ということで、今回の事件を通し、またスキルを積んだおちかがどんな話を聞いていくのか、非常に楽しみです。
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三島屋変調百物語シリーズ 三作目
六話なのだけれど、第四話では、その話の中に四話の物語があり、全部で十話。
おちかも少しずつ前に進んでいるようで、あの世とこの世を行き来する人らしき影も見え隠れし、百物語そのものについても、話は深まっていく様だ。
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シリーズ3段!
三島屋のおちかが聞く、百物語。
今回も色々な人が話を持ち込んでくるが、前作よりもちょっと恐ろしい話が増えてる気がする。
表題になっている「泣き童子」の話は結構怖かった。
今作一番のホラーだと思う。
今回は三島屋で聞くだけではなく、外に聞きに行く回もある。
この百物語を始めて、おちかの心境にも変化が出てきたのがわかる。
1巻で悪者だと思っていた「商人」の話がまた出てくるが、彼が善人なのか悪人なのかわからなくなる。
それぞれの考えによるのだろうが、わからなくにる。
次作以降でまた少しずつ商人の話が出てくるのだろう。
その時、おちかはどういう考えになっていくのか、楽しみ。
図書館で新着図書だったが、一番乗りで借りてこれた!
ちょっと嬉しいw
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三島屋変調百物語とあるこのシリーズも3作目。益々物語りの中身に磨きがかかってきたようです。江戸の袋物屋三島屋の主人、伊兵衛の姪にあたるおちかはワケありで実家を離れて叔父たちと過ごしています。傷心の彼女が依頼された客人の人には語れないお話を聴き取るうちに、少しずつ心の内に前向きな変化をもたらしていく様子が書かれています。とは言っても人には語れない話とは、怪談の類いでありため、時には招き入れるのも躊躇するような場合もあるのです。今回も六話の物語りで構成されていますが、どれもこれも不思議だっったりおそろしかったりで、‥人の知恵や理屈の届かぬ出来事を聞き知る効用は人の身の分際を弁える…魂魄震えて塵が落ち気が澄み渡る。と登場人物が語っている通り、一話読むごとに、ほお〜っとひと息つく感じがあります。家族にまつわる話やその地域に伝わる民話など、人の行いや連綿と繋がる怨念などの成れの果ての凄まじさに慄きます。
そして、おちかさんの心の内にある出来事が昇華されていく日も少しずつ近づいているようです。