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【巨匠が放つノスタルジックで切ない青春ミステリー】遊園地でアルバイトを始めた大学生のぼくは、幽霊屋敷に出没する殺人鬼と対決する……もう戻れない青春時代を美しく描く巨匠の新作。
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1973年の夏から秋のアメリカン青春小説。
ミステリーサスペンスやホラーはトッピング的なもので、愛と青春の旅立ちという感じでした。
失恋から始まり、遊園地での仲間たちや子供たちによる再生、大事な人たちの出会いと別れが圧倒的な筆力で物語られています。
現代からの視点で物語られているので、トムなどのその後のエピソードが語られるのですが、エリンの現代エピソードがないところが、サスペンスのネタバレにならないようにしていると思われてうまいと感じました。
キングにしては灰汁が強くなく、むしろセンチメンタルな感じにもなるので読みやすいと思います。
それにしても、この長さだと短く感じてしまう作者ってすごいですね。
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「スタンド・バイ・ミー」を彷彿させる作品。もう少し若い頃に読んでいたら、今以上に好きになる作品だと思う。ああ、やっぱりキングはいい!!
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まずはジャケットで、ん?クリムゾン・キング?と思わされ、早くも術中にはまる。キングと言えば藤田新策、藤田新策と言えばキング…というくらい刷り込まれている黄金コンビに、否も応もなく1973年に連れ込まれて行く。
夏、失恋の気配、遊園地、幽霊屋敷、かつての殺人事件、海辺の親子(美しい母親と病弱な少年!)、凧などの配し方も、緩急をつけたストーリーも、安定して適切で巧いなあと思う。
凧のシーンはやっぱり印象的だよね。
「感涙必至」はちょっと言い過ぎかと思うけれど、遠く甘い夏へのノスタルジーの造形は、見事と言うほかない。
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童貞小説でした。ミステリーもホラーもキングの基本アイテムですが巻き込まれた童貞の運命やいかに!
私にはちょうど良い長さでした。長い大長編にありがちな長い中だるみがなくてよかった。
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頑張ってペーパーバックで読んでいたので(今見たら2013年だった)結末は知っていたのですが、改めてハラハラしながら読みました。
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キングの青春小説。
オカルティックな要素を含みつつも、メインは一夏の体験の中、人々に喜びを与える遊園地の中で繰り広げられる優しさ、別離、人の儚さを細やかに歌い上げる。
個人的にはキング久しぶりのヒットでした。
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うーん、それほどはまらなかった。相変わらず前半は大きな出来事もなく、中盤で鍵となる親子がでてきてから面白くなった。ってことは自分はキングにスーパーナチュラル要素を求めてるのかな?
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ノスタルジックな青春小説。
ひと夏、海辺の街の遊園地でアルバイト。美しい女性と知り合って……。(それだけじゃない)
夏休みに読むのに最適。
キングの本はまず読まないな。読んだ本より観た映画(原作がキング)の方が明らかに多いな。
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キングらしいホラー要素に溢れているけれど、スタンドバイミーを彷彿とさせるノスタルジックな青春小説でもある。恐怖と、恋と、人間味にあふれた作品。おと、キングの描く子供はやはり、最高にクレバーで最高のヒーロー。
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切ない青春小説。主人公の成長とそれを取り巻く人々。ミステリー要素は少なが、スタンドバイミーにも似た、限りある生命の愛おしさが伝わってくる胸熱な一冊でした。
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ザ・スティーブンキングだった。ほんとにいつもの、青春と死。今回はその死の部分が弱かったけど、青春の描写はいつもどおりに最高だった。とくに、主人公がハウイーの毛皮を着て、遊園地の託児所でホーキー・ポーキーを踊る場面。人生でいちばん煌めく時間をこんなに嫌みなく、切ないほど鮮明に描くのがたまらない。キングが描くのは、スタイリッシュさとは程遠い、毒がなく田舎っぽいダサい青春だけど、格別にノスタルジーを換気させる。
その素晴らしく美しい青春からまっ逆さまに恐怖のどん底に落とされるのがまたいいんだけど、今回は恐怖の要素が薄目だった。そのため後半はタルい。でもまあ、前半だけでも読んで損はなかった。
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遊園地「ジョイランド」で働く青年のひと夏の物語。一応メインの筋書きとしては、ホラーハウスで起こった殺人とそこに出るという幽霊の噂、そして事件の犯人探しというミステリではあるのですが。読んだ印象では、あくまでもそれは要素に過ぎないような気も。ひたすら主人公の素晴らしくそして苦くもある青春の物語でした。
この主人公がなんだか好感もてるなあ。失恋しそうなのに気付かないふりをしてうじうじしてるところとか、少し笑えてしまうのだけれど。ジョイランドでの仕事にやりがいを見出して生き生きしていくさまにわくわくさせられました。そして不思議な少年との出会いも微笑ましくて素敵。完全に幸せばかりではなかったけれど、清々しい物語でした。
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夏休みに<ジョイランド>でバイトする大学生の話。
大学にはいって彼女ができて、でもなんかうまくいってなくて…。という悶々が続くのでなんか切なくなる。
うんうん、10代の終わりから20代の前半って、四六時中こんな感じだったよなって思う。自分が好きな人が、自分が好きなほど好きでいてはくれない、っていうのは本当に切ない。
それでも人生は続いていくわけで、遊園地というちょっと特殊なバイトを選んだことが、彼をいい方向に導く。
このあたりって上手いなって思う。人間、ちゃんと働けばお腹がすくし、お腹がすいてご飯食べれは、満たされた気持ちになる。そして、創造的な仕事はやりがいに直結している。
多分こういうことが人生において一番大事なのだろう。
大事なところを見せておいて、ふいに物語は幽霊譚になる。
そして、職場への行き帰りに会う、難病の少年とその母親。少年への哀惜が物語を動かす。
少年がちょっと霊感があるみたいな感じに描かれていたけれど、結局はすべての<愛情>が重なってのことだったように感じた。重なり合ったからこその奇跡で、結末なのだと思う。
も、涙が…。
最後の1行がしびれるほど、よかった。
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私の好きなタイプのキング作品だった。
(個人的な好みだが、SF展開のキングは好きではない。)
過ぎ去った≪古き良き時代≫を懐かしみ、慈しむ心が感じられて、かと言って「あの頃は良かった」と言うわけでもなく。
私にはキング作品が持つそういう雰囲気がどことなく心地良いのだ。
別に70年代のアメリカにいた訳でもないのに。
人に薦めやすいキング作品とも言えるかも。
映像化もしやすそう。