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クリープハイプのボーカルの尾崎世界観による私小説。
どこまで実でどこからが虚かは不明なものの、彼の生き方や人生観みたいなものが理解できた点は良かった。
反面、小説としては今一つだった。
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『子供たちを連れて動物を見に来たはずの父親が、いまでは逆に多くの見物人を集めている。自分では到底理解できないこの状況を、これについて書かれた解説も読まずに、周りに集まった見物人たちは理解できるのだろうか。そんなことを考える暇もなく、姉と二人で泣き続けた。』
『ベッドのなかで、単調な自分の動きに合わせて一定のリズムで揺れている瞳ちゃん。
瞳ちゃんが会場で買ってきたTシャツをめくり上げて胸に顔をうずめる。その瞬間、ロックフェスの何倍もの一体感を感じて確かに今はつながっているなと思った。』
『色んなことにすこしずつ慣れて、ボヤけていた輪郭がハッキリと見えてくる。思い描いていた理想とは程遠いそれに絶望しながら、それでもやめられずにいた。積み重ねた時間で身についてしまった知識が怖かった。夢を追いかけていたはずが、気がつくと夢から逃げていた。』
『確かに本気でそう思っていた。本気でプロを目指していた。それでも、長時間蛍光灯の不健康の光に照らされて茶色くなっていく紙のように、すこしずつ自分の気持ちの変化に気がついていった。いつの間にか、客の居ないガラガラのライブハウスが音楽そのものになっていた。真っ黒なフロアで、客の代わりに現実がうごめいていた。』
「それに、募金箱持って街頭に立ってる奴だってさ、本当に金を寄付したいならそんなことしないで働けば良いんだよ。その時間を使ってアルバイトでもして、そこで稼いだ金を寄付すればいいじゃない。あんなのは偽善を盾にしたタカリだよ。」
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尾崎世界観さんの自伝“的”小説。
どこまでが現実でどこからが物語?
もしかしてほとんどご自身のお話なのでは。。
最初の方がもったりしていて読みづらかったけど、ラストにかけての迫力はすごい。どうしようもなくて、悲しくて、だらしなくて、切なくて、汚いんだけど魅力がある。
どこにも救いがないのが逆によかったなあ、と。
どうしようもないなあ。
尾崎さんは自伝として読んで欲しくないみたいですが、ご本人を想像しながら読むのも楽しかった。
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2018.6.30
図書館
クリープのボーカルの自伝小説。クリープの曲も尾崎世界観も好き。
ご本人は「自伝ではない」と言っているそうだけど、このタイトルでその主張は無理がある。ほぼ自伝として読んだ。
文章は比喩&比喩。主人公だけでなく、周りの人たちも比喩&比喩。
ゲスい下ネタを文学的に書いているところが又吉の文と似ている。重い雰囲気も相まって、全体的にも火花に似ているなあという印象。又吉絶賛なわけだね。
自伝として読んだから、ところどころに出てくるフィクション感満載な登場人物に違和感。(Tシャツ交換の少年)
内容は、主人公が世間に怒り、陰湿に小さく反撃しながら夢を追う話。
特に報われることなく、リアルな成功していない人の生活が描かれている。
主人公の、世間への怒りや不満にとても共感できた。納得いかないよね、全てに。
けれども、反撃する行動力が私にはないところだった。反撃できたらすっきりするだろうなあとビビりな私は日々思っていたけれど、反撃によって面倒なことになっていたりしたから、そうかと。
その人に反撃できただけでもいいのかもしれないけれど。怒りの落としどころってむずかしいなあと思う。
結局、弱者に反撃はできないのか。
将来への不安、現状への不満などがよく出ていて、考えさせられた。
ただ、全体的に下ネタ、グロネタが多くて好きではない。
ご本人がいまや大成功者であるから、まだ希望を以って読めた。
音楽をあきらめなかったことがすごい。
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すかしたミュージシャンのかっこいいすかした小説家と思ったら、すごかった。文体は硬くてシリアスなのだが内容がゲスで、無様で貧乏たらしく、みっとものないばっかりでいいことが何一つない。特にクライマックスの姿を想像するとあまりのことに毎日思い出し笑いをしてしまう。
尾崎世界観さんはすかした人物ではなく、愉快な人柄なのではないだろうか。音楽はちょっと聞いただけであまりピンと来なかったため、聞いていないのだけどきっと素敵な音楽なのだろうと思った。
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世界観になる前の尾崎祐介の話
クリープハイプはすごく好きなバンドで、大好きすぎて本出すって聞いで出たらすぐに買いました。
なんというか、泥臭い。自分には味わえない、味わえなかった青春がそこには書かれてた。
最後の終わり方がすごく好き。まだ続くような気がして。
間違いない、まだクリープハイプは白髪になるまで続くんだから。
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まさに世界観が独特すぎて、正直よく分からなかった(^^;
ミュージシャンを目指し、バイトしながら客が集まらないライブを続けながら、いつの間にかメンバーもいなくなり、心機一転、京都でソロをチャレンジするも、全く奮わず、何がどうしてそうなったのかは、誰が読んでも明白であるが、最後は小学生、女子の体操服で力尽きる・・・ん〜理解したいが、届かなかったなぁ(T.T)
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ようわからんが自伝?エッセイ?自分の体験をもとにした話?かつてのわたしはクリープハイプがすきだったが、仲良くなった男が途端に気に入らなくなったせいでそいつが好きだったクリープハイプも好きじゃなくなってしまった。完
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クリープハイプのボーカル尾崎世界観さんの小説。
はっきり言うと、話としては全体的に暗く、そんなに好きじゃない。
けれど、怒りや不安などの負の感情が剥き出しの状態で文章を通して伝わってくる。
暗くて読みづらい部分は多いが、文章は鋭く深く突き刺さってきた。
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私小説感すごいけど、気持ち悪いし、ついていけなくなってきたなと思ってたらそのまま終わってしまった。貧乏なのに時間はあるとか、気がふれそうになるのはわかる。
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卑劣な描写が多々あるが、ほかの小説と違ってこの小説は現実的にありそうな形で書かれている。人間臭さ、主人公の温度を感じられる小説だった。
途中気が重くなって読むのをやめたけど、再度読み読破できたのでよかった。
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夢も希望もないようなバンドマンの鬱屈した日常/ これは小説じゃないだろうという気もするが、純文学でも良いか/ 3の「こんなバンドが売れるわけがない」のくだりと、バイトの先輩のおっさんが生意気なママ3人組みにアル中で震える右手を使って、セックスしたらと言うくだりだけ面白かった/ 作詞で比喩が評価されているようだが、うまい喩えなど皆無で所詮は物書き素人である/ 下手な比喩がしつこい/ 全体的に松本人志の影響下にあるな/ バンドのことは1mmも知らんし知りたくもない/
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比喩が長くて独特で面白いなあと思ったり、状況説明が不充分なので展開が把握できずにモヤモヤしたり。
下品な表現に眉をしかめることもあったが、これもこの人の味なんだろうと思う。
ATM操作の描写「憎しみを込めて強く挿入するが、機械のペースでゆっくりと吸い込まれてゆく。」ってとこが、凄く自分にあるあるで良かった。
曲でも本でも、「羅列」って言葉が好きだなあこの人。
起承転結ってものはこの本には無く。でも、読み終わった後も、味が長続きする未来のガムみたいにまだ噛んでいたい気もした。
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「誰かが言ってたんだけどね、比喩って古くなるんだって。どんなに優れたものでも必ず。時代の中で古くなっていくんだって。あなたの詩は比喩が多いでしょ?一度聴いただけですぐわかる程に。だから古くなるんだって。素直にまっすぐに、っていうのは基本じゃない?何をするにしても。だからね、どうしてもそうしないなら、ある程度音楽でやってから、小説でも書けばいいじゃない。どこかの編集長にそそのかされて勘違いして、好きなだけ比喩を使ってら小説でも書けばいいのよ」
最大のノンフィクション。「バンド」を読んでから祐介を、その後ゆーことぴあ(短編映画)を観るとこの小説の祐介と言う人物が浮き上がる。登場人物の台詞が生々しくて好き。最後はもう1人の祐介が客席で噺を聞いてる描写はそうきたかと思った。
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2020年4月10日読了。冴えないバンドマン祐介のあきらめとあがきの日常。クリープハイプのボーカル尾崎世界観による小説。音楽を始めた頃に抱いていた夢・希望が擦り切れてどん底を漂うバンドマンのやるせない感じを硬質にねちっこく書き込む文体には彼の歌同様なかなか惹かれるものがある。主人公がやけに女性にモテるのはバンドマンあるある?フィクション?著者ならでは?ラスト、大イベントを設定するとか何らかのカタルシスをもたらす展開になっていたらもっと一般ウケというか読みやすい小説になったろうに、観念的な終わり方でお茶を濁した?ような感があるのは残念。