紙の本
『バンドガール!』
2016/08/07 19:41
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学5年生の沙良は誘われてガールズバンドのドラムを担当することに
初心者の沙良を励ましてくれるメンバーと楽しく練習を重ねるが
音楽性の異なるライバルのバンドとトラブルがもちあがる
3月の発表会にむけてあるアイディアを実現しようとするのだが...
大震災と原発事故により状況が一変した近未来の日本を舞台に展開する
“ちょっぴり社会派”のガールズバンド・ストーリー
コンセプトは「てがるに本格読書」
偕成社の新レーベル「ノベルフリーク」から濱野京子の新作をどうぞ
紙の本
バンドに挑戦
2016/10/02 22:15
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
バンドに初挑戦!
初心者故のあせり等々、わかるなー。最初はみんな初心者だとは言ってもなかなか。
ちょっと近未来が舞台。
作者のメッセージを感じる。
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突然首都が北海道に移っていたり、あれあれ?っていうことがちょいちょい。
小学生がバンド活動を頑張っている様子はなかなか面白い。音楽をやっている人なら気持ちが分かることが多いんじゃないかな。
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・ここちよいお話ではありました。
・首都が北海道にある近未来、バンドを組む4人の小学生女子。ライバルバンドと競いあう。
・リーダーどうしの仲が悪い二つのバンドだが、五年生メンバーたちがなにやら画策を始める。
・この日本で他のまったく関係ない作品も作れそうだ。
▼簡単なメモ
【葵】→豊田葵
【池上順】わかば児童センターで音楽関係の指導員をしている。
【大原漣/おおはら・れん】五年生で同じクラス。ブルートパーズのベース。
【楽器】この時代、楽器は高額なので個人で持つことはあまりない。楽器屋もない。
【関東】ほとんど見捨てられた地域。仕事も少なく植物の生産工場とか限られている。
【小松涼香/こまつ・すずか】六年生。ブルートパーズのリーダー。莉桜と何か確執があったらしい。
【沙良】→森岡沙良
【少子化】市内に三つある小学校の中でいちばん大きい若葉小学校ですら一クラス15人、全校で180人くらいしかいない。ぼくらの学校は一クラス40~50人で全校では1200人くらいいたからなあ、そういう小さい学校はむしろ憧れ。
【新城莉桜/しんじょう・りお】バンドのリーダー。メインボーカル。小学六年。
【涼香】→小松涼香
【豊田葵衣/とよだ・あおい】バンド仲間。ギター担当。小学五年。
【日本海西部大地震】この地震とその翌年の火山噴火、原発事故によって日本はいくつもの地域に分断された。今でも北海道以外ではいくらか放射能汚染が残っている。
【廃墟公園】大きな団地だったのを改築して住民の憩いの場にするはずだったが見るからに廃墟って感じであまり人気はない。沙良や漣はけっこうここが好き。
【巴旦杏/はたんきょう】主人公たちのバンド名。スモモのこと。アコースティックギターを使い生の声で歌うしっとり素朴系か。
【福島友麻/ふくしま・ゆま】ブルートパーズのドラム担当。凄く上手い。幼い感じだが意志は強そう。話してみると気さくで仲良くなれた。南小から自転車で30分かけて来ている。途中には廃墟街もあり必ずしも安全ではない。プロドラマーを目指しているが関東在住では難しいと思っている。
【ブルートパーズ】小松涼香たちのバンド。アップテンポでノリのいい曲とボーカロイドによる歌。
【フレッシュグリーン】後にできた新しいバンド。
【ボーカロイド】ボカロにボーカルを任せることは普通になっている。
【北海道】首都がある。首都が東京から移転したときは大量の移住が発生したが今は抽選でほんの少数ずつの移住しか認めていない。
【舞奈/まいな】沙良の友人。いっしょにミニバスケットをしていたがチームが維持できなくなって解散。舞奈はダンスを始めた。
【美宙】→矢野美宙
【森岡沙良/もりおか・さら】主人公、語り手。若葉小学校五年生。ドラム担当。初心者でもあるしなかなか自信を持てない。《自信がないって、あんまりかっこよくないなって、自分でも思った。》p.148
【森岡直希/もりおか・なおき】沙良の父。
【森岡玲美/もりおか・れみ】沙良のママ。中高とブラバンで大学ではバンドを組みボーカルをやってたらしい。
【矢野美宙/やの・みそら】バンド仲間。ベース担当。ベース歴は一年。小学六年。メガネでショートカット。優しく大人な性格。
【友麻】→福島友麻
【莉桜】→新城莉桜
【漣】→大原漣
【わかば児童センター】主人公たちが練習する場所。防音設備もある。バンド練習しているのは2グループ。ひとつは巴旦杏、もうひとつは小松涼香がリーダーをするブルートパーズ。多くのサークルがあり、3人以上いれば登録でき、5月に登録したら翌年3月まで活動できる。少子化でサークルを成り立たせるのはなかなか大変らしい。
【忘れられない歌】「忘れられた歌」という禁断の曲が「忘れられない歌」という曲になった。
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バンドの活動を通して自分に自信のなかった少女が成長する王道の物語。
そこに「あったかもしれない未来」の設定で社会性を帯びさせるのは、いかにも濱野作品ぽくそこも魅力。
音楽活動の楽しさ、反発する友情、深まる友情、淡い恋心?と面白さ満載な1冊。
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小学5年生の女の子、森岡さらが、6年生の新城りおたちと一緒に地域の児童センターにバンドのグループとして登録し、ドラムを担当することになるストーリー。助言はするものの、子供たちが自分で考えながら活動することを見守る、児童センターの指導員がいるのがよい。
一方で、この小説の舞台は、日本海西部で起きた大地震によって、西日本に人が住めなくなった近未来。この作品は、学校から外の世界に出たことによって、その世界にいる地域の大人たちに触れ、その人たちと子供たちがどのように関わっていくかを描いた小説だといえる。とても面白いテーマをもった小説だと思う。
(『中高生のための本の読み方』大橋崇行著 p.110 部活、だけじゃない より)