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結果的にめちゃくちゃタイムリーなテーマとなったが、刊行年がやや古いため、現在進行中の出来事であるロシア-ウクライナの問題は当然ながら取り上げられていない。
おそらく本書は安倍内閣時のいわゆる「周辺事態法」に触発されて書かれたのだろうけど、そのカバーする範囲はかなり広く終戦から現在までをリアリズム的な視点でカバーしている。特に面白かったのは、内閣法制局の解釈が年月を経るごとに硬直化・保守化をしていったというあたりで、官僚的世界の極地をのぞいた気になる。
こういった内容がもう少し基礎知識として広がっていけば、もう少し安全保障の議論も冷静に出来るのだろうけど、今のSNSの反応見ていると、そういった期待は夢なんだろうな・・と思わざるを得なかったりもする。