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批評とは、「価値を伝える」こと、伝えたいことを、ちゃんと書けるようになろうというコンセプトで、文章術を伝授しているのだが、そのノウハウ本的内容構成もすばらしいが、
それ以上に、この本自体が、面白みのある単行本となっているところが魅力的。
筆者の奥深い思慮と考察が強烈に反映されていて、批評本を超える見本的著作となっている。
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評の言葉を持ちたい。他人がどう受け取るかは気にしないでネットに文章を投げてきましたが、最近は価値が伝わる言葉を使いたいと思うようになっています。難しいですけどね。
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批評の書き方を解説してくれている本。
批評の意味、批評を書くための準備はどんなものか、実際の批評の書き方、書いた批評を校正する、批評を貫くの章に分け、一つずつ例文を載せて解説してくれている。
なるほど、この本の通りに書けば、レビューも少しはマシになるかも。
「こと」を言い換える、書き出しの情報整理など、すぐに実践できる方法も載っているので、今まで書いた文章も校正できそう。
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批評とは「価値を伝えること」
P25 以下引用
愛なき者、語るべからず。
対象を愛せない人間が対象の現状や未来やらをどうこう書いたところで、説得力のある文章や、読み手が行動を起こしたくなるような文章は、どうしたって生まれてきません。
読者が書き手と同じ目線で内容を咀嚼できなくなるからです。
もちろん愛だけ売るほどあっても文章は紡げませんが、しかし、その愛なくば、第一歩を刻むことすら難しい。
私はそう思います。
引用終わり
私はこの文を読んで、読者と言うよりも話の聴き手だなと納得しました。
書籍 プロカウンセラーの聞く技術 東山紘久
に書かれていた、カウンセリング的な積極的傾聴がふと思い出されました。
ASKするな、LISTENせよ。
話を聞いて話を聞いて、話を聞いて、話を聞く。
それが前提としての愛の態度なのかなと似たものを感じました。
私はこの本を文章術の一つとして参考にしたくて手に取りました。
図書館の日本語・論文の書き方、手紙の書き方などのジャンルの棚にあったので借りて読みました。
私はWebサイトで本の感想を書いています、自分の調べたことをどうやってまとめたら楽しく書けるかなと考えています。
私のような不特定多数に読まれる文章でありながら、伝えたい相手が明確になりづらい文章を書く人には読んで参考になると思います。
逆に論文や手紙のような相手がはっきりしている文章を書く人には、読んでもぼんやりしか感じられないと思います。
なぜなら、書き方や手順がはっきりしていて、そのようなテンプレートに沿って文章を整形するリズムで書ける内容なら
これが面白い、これはつまらない、これは美しいと書く必要はないからです。
はじめに課題として、「このようなことについて調べ、レポート3枚にまとめて提出しなさい。」
これなら読まれる相手は課題を出した人で、正解としての方向性が大まかに示されているから
課題の目的からそれない範囲で情報を収集してまとめ、自分の意見を添える程度で完了する作業です。
この本の中で「批評」が意味するのは、「価値を伝えること」です。
一冊の書籍の批評なら相手は著者であったり、同じ本を読んだ読者や、どんな本なのか気にしている人だったりします。
書く内容は本の内容を上手に要約することではなく、書籍の世界観を読み込んで感じた、あくまで主観的な意見をどう伝えようか。
テンプレート的な書き方にできないし、感情的にも傾けない、そのバランスをとって言葉を並べて感じたことを伝えたい人にはとても響く内容です。
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編集者として働く筆者が、経験を生かし、批評の基礎について語る本。批評=価値を伝える文章らしい。
ためになる部分もありつつ、矛盾してないか?と感じる部分もあった印象。
誤読されるように書き上げろと書いてあったが、そう言われると疑心暗鬼になり、学べる点が少なくなってしまう気がした。
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何か軽いものをと、図書館で気紛れに手に取ったのがきっかけ。脱力の装丁とタイトルのわりには、いやいやどうして。
読みやすさと内容のバランスがすばらしい。随所に見られる漢語も格調とリズムをつくり心地よい。修辞にも造詣が深い様子。ホントのところはわからないが、筒井康隆をだいぶソフトした感じを受けた。ルビに漢字って筒井先生も好きそうな発想、期待したい。
しかし、ここでもタモリ登場とは。。文化人オブ文化人。
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情報が溢れ、趣味や嗜好の多様化が進む中で、「価値を伝える文章」すなわち、批評は、判断の指針となるため、今後ますます求められることになる。
批評は、「対象に対する丁寧な観察と文脈への沈思」によって為され、それゆえに、他者に対して変化を与える契機となる。
よって、批評を知ることは、指針を「与えられる」側から「提示」する側へ導き、また、自身の趣味や嗜好などの対象について、より理解を深化させる技術にもなる。
具体的な批評するための技法については、後半になるにつれて、私にとって癖が強いと感じるものがややあったので、全て納得はしなかったが、単なる「いかがでしたか?また見てね!」で終わらせない著者の意識はまさに、他者を変化させ得る「批評」そのものであると感じた。