紙の本
ヴルスト?
2016/09/19 21:27
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投稿者:焚き火料理人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
解説にも書かれていますが、ヴルストが堪らなく食べたくなります。そもそも今まで食べてきたソーセージがドイツの本場とどれだけ違うのか知りたい。それほど没頭して読破です。
紙の本
この作家、中年オトコと、人生行き詰った若造のコンビを書かせたら、右に出るモノいないんじゃあないの!
2020/11/13 22:17
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
脱サラ後に人生転落の中年オトコ・髭太郎と、人生のスタートも着れない若者勇人。ふたりは、偶然、墓場に面したぼろアパート「かなめ荘」の住人同士として出会う。といういか、髭太郎のヴルスト(=ソーセージ)の真髄を探る旅に、受験生であるべき勇人が一方的に巻き込まれてゆく...。
この物語には、ヒトが生きて、シゴトをするってどうゆうことかに対する、作家の考えがそこかしこに透けている。それが物語の背骨のように働いて、ここかしこでなるほどと思わせられる。究極のヴルスト作りも、人生のひとやまも乗り越えて、主人公ふたりの物語のエンディング。読後は、とっても爽やかです。
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以前読んだ「佳代のキッチン」が面白かったので、同じような面白さを期待して本作を手に取りました。
導入は少し唐突な印象。勇人が高認受験する理由は明らかですが、髭太郎こと伸太郎がヴルスト作りに取り組む理由が序盤明らかにされていなかったので、途中まで荒唐無稽感というか、リアリティが薄い感覚がありました。
けれど中盤でそれが明らかになると、欠けていたジグソーパズルの中心が埋まって何の絵か初めて分かったときのようなに、すべて要素が繋がって、なるべくして作り上げられた人物設定と人間関係だと認識。さすがプロの作家としての仕事に感服いたしました。
ストーリーや設定の完成度を別としても、ソーセージとパンを食べたくなる描写の巧みさはこれまた秀逸。日本では食べられないだろう「メット」を食べてみたくて仕方ありません。
あードイツ行きてー
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奇妙な環境で、打ち込むものを見つけて、ひたすら突っ走る主人公。
いつもの原さんのパターン。
今回はソーセージ作りに突っ走る中年男と、それに巻き込まれる受験生の主人公という構図です。
意外にまともな背景だったし、ちょっと吹っ飛び方が不足かなぁ
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おじさんの情熱に巻き込まれつつ成長していく若者の物語。
最初から最後までヴルストを作って、食べて、研究して…なので、読んでいてお腹が空いてくる。ヴルスト豆知識も楽しい。
ドイツで豚の生食ができるって初めて知った。ドイツ旅行のガイドブックには確かに書いていなかった。
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シズル感たっぷりのストーリー展開
ひねった結末では無いが、小刻みにザワザワ胸騒ぎさせてくれる展開は、小気味良くて気持ちよかった
とびきり美味しいソーセージ食べたい!
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ソーセージ等をほとんど理解しておらず接していた事に気付かされた。細かい事まで知ることが出来、色々試食していきたいと思わせる内容だった。
主人公の成長後の姿をまた別のストーリーで描いてほしい。
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ふられた彼女を見返すために高卒認定試験を受けようとする若者と、ヴルスト作りで人生をやり直そうとするおじさんの話。
おじさんの情熱に若者が巻き込まれて行くという原宏一作品の王道のような小説だった。一旦どん底に落ちた人間が這い上がる姿は元気が出る。
最後が都合良すぎたのはご愛嬌。
ビールを飲みながらヴルストを食べたくなること間違いない。
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ヴルスト作りに苦心する二人を描きつつも人生の本質も見えるような気がする。
学校だけが勉強の場ではなくて、正しい道でもない。
自分の信じるものに突き進んでいく力ってすごいものがあるなといつも思う。そんなものを早く見つけたいといつも思う。
髭太郎に出会った勇人は最初は災難だったけど、結局はそれが道標にもなる。
著者はこの作品の中のどれだけのヴルストを味わったのだろうか…ぜひドイツに行って味わってみたい。
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原宏一さんの本は前から好きで、今回も“外したくない”との思いでこの本を手に取ったが。
期待以上に面白かった‼︎
ソーセージ作りに関する話がメインだが、とにかくソーセージ作りの描写が抜群にうまくて、ついソーセージを食べたくなるし、登場人物の個性や個々のストーリーがとても面白く、あっという間に読破してしまった。
熱をもって人生を駆け抜ける楽しさや面白さを実感し、また羨ましくもなった。
間違いなくオススメの本‼︎
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高校を中退して中華料理屋に入ったはいいが、彼女との喧嘩から、料理人をやめて大学を目指すことにした勇人。一人、独学で勉強するために住んだアパートの1階では、退職して独学で本格ソーセージ(ヴルスト)作りを始めたばかりの髭太郎こと藤巻がいた。勇人は髭太郎に勉強の邪魔をされているうちに、ソーセージ作りに取り込まれていく…。
ソーセージをひたすら「ヴルスト」と書き続ける、少々無理のある部分に引っかかりを禁じ得ないのはともかく、割とあっさりと読める軽めのドラマの脚本のような一冊である。
キャラクター付けのあまりされていない勇人が、強烈な髭太郎、大家、飛田爺などに振り回されていくという、漫画やドラマにうってつけのストーリー展開で、最初から最後まで、読みにくいと感じる部分は感じないであろう。
また、ヴルスト作りは、最初に大失敗、そこからなにが足りなかったのかをなんとなく気がついていくという、積み上げていくストーリー展開も王道のものである。
しかし、いろいろと足りない。
作者の書きたいことはわかる。でも描きたいものは始終ぼんやりとしており、書きたいこと書きたいことと前のめりで詰め込まれている。「誰々がなにをした、次に誰がこうして、その次には」という具合で、特に会話文を中心に作り込みの甘い部分が目立つ。こといちばん重要な髭太郎のセリフが、取ってつけたような説明口調で、もうちょっと会話のシミュレーションを行ってから書いてほしかった。
また、肝心のヴルスト記述は、最初から最後までフワッと曖昧なのも痛い。特にドイツで本物をという部分は、作者がドイツ旅行したのかな?〇〇駅から90分、そこからICEに乗って、なんて書いてるけど、これはガイドブックの引き写しではないかな?という解像度の低さ。まあたぶん、ドイツでヴルストを食べたところから、本作の着想を得たのであろうことは理解できたが、ヴルストのモノとしての説明から、ドイツの風景に至るまで、フォーカスのボケた素描を眺めているような感じである。
一番描かなきゃいけなかったヴルストの味、改善してきた味なども、「うまい」だけで良いのか?
文字の多いプロットという印象の1冊である。