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「自分には禍いの塊が十個あって、その中の一個でも、隣人が背負ったら、その一個だけでも十分に隣人の命取りになるのではあるまいかと、思ったことさえありました。
つまり、わからないのです。隣人の苦しみの性質、程度が、まるで見当つかないのです。プラクテカルな苦しみ、ただ、めしを食えたらそれで解決できる苦しみ、しかし、それこそ最も強い苦痛で、自分の例の十個の禍いなど、吹っ飛んでしまう程の、凄惨な阿鼻地獄なのかもしれない、それは、わからない、しかし、それにしては、よく自殺もせず発狂もせず、政党を論じ、絶望せず、屈せず生活のたたかいを続けていける、苦しくないんじゃないか? それなら、楽だ、しかし、」
「いや、それもわからない……考えれば考えるほど、自分には、わからなくなり、自分ひとり全く変わっているような、不安と恐怖に襲われるばかりなのです」
読み返すたび、隣人の喜怒哀楽を思い、葉蔵の生活に息が詰まる。
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恥の多い生涯を送ってきました・・・廃人同様のモルヒネ中毒患者、大庭葉蔵の手記。
太宰治本人の自伝。
大地主の息子で、学業も優れていたのに女、酒、終いには麻薬に溺れ精神病院に入院。
日本文学者は、文学に長けている分、精神面が不安定でコントロール出来ないんだと思う。
太宰治の精神面に触れた。
'08.08.31読書完了
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かっこよかったから、あえて改訂版を選択しました(笑)
これは多分他の人もそうだと思うけど共感というか、自分に投影して読んでしまいました。
読んでよかったし、すごく影響を受けた作品。
出来れば、若い時に読んだのが良い。
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9月10日読了。
よっぼどの物好きじゃないと面白いとは思えないのではないかと思う。
なぜこの本が有名になったのかといえば、それはおそらく、やがて自分は人間として失格であると悟った主人公と、
その著者である太宰治本人の経験が、類似している点にあるだろう。
それだけ奥が深いと言うところか……。
読んで置いてそんではないと思うが。
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2015年9冊目。
この本に自分の弱く狡い内面を重ね合わせた人は本当に多いと思う。
内面の掘り起こしが半端ではない。
人間を愛することができず、恐れ、尊敬されることにすら恐怖し、道化を演じつづける大庭葉蔵。
3つの成長段階の中での苦悩が生々しく綴られる。
「世間」に対する葉蔵の気づきは初読の際に強く印象に残っている。
何度も読み返したい作品。
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●桜桃●
もったいぶって、なかなか笑わぬというのは、善い事であろうか。
生きるという事は、たいへんな事だ。あちこちから鎖がからまっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。
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ジャケ買い。w
昔少し読んだけどその当時は確か高校生くらいで
確か入り込むことができずやめた、『人間失格』。
こういうの読むと、他人から理解できる人の部分なんて
その人間の何の説明にもならないって思う。
私はどう足掻いてもこの人の小説を嫌いになれない。
『桜桃』より
「生きるという事は、たいへんな事だ。
あちこちから鎖がからまっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。」
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友達に「確実に落ちる。見てはいけないものを見てしまった感じ」と言われ、ビビりながら読んだ
でも、主人公のやっている事はある程度、誰でもやっている事で
むしろ、こういう考えの人間がいたという事に救いを感じる
まぁ、確かに求職中には読まない方がいいっすね(笑)
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私は好きだなー
何が言いたいかなんて全然わからなかったけど
あとがきまでで一つの作品なのかな
あとがき読み終った後に、ちょっと泣いた
松山ケンイチが見せたいのでこの表紙のを選んだ
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次から次へと不幸が舞い降りて・・・きっとどんどん深みにはまっていくんだろう・・・後味は悪いんだろう・・・っとわかっていても読んじゃう本。ところどころ自分に重なる部分とかあって、私も内に狂気を秘めてる!?な〜んて(笑)レベルが違うよね。人間に対する洞察力がすごいと思いました。さすが名作☆
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太宰治が自分のように思えた。
自分と重ねながら読んだ。
考え方がすごく似てて、
たまに読むのが辛かったけど、
今の自分の感情を表現する言葉を
たくさん学べた。
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自分はこの人には共感しない、あるいは共感するという人が半々くらいいるのではないかと思う。
そんな私は後者の共感する人。
話は決して明るい、ハッピーエンドなものではなく、とことん暗くて不幸としかいいようがないが、
その面白さにずるずる惹き込まれていく。
読んだことがないという方は是非読んで欲しい。
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・人間失格
久しぶりに読んだらやっぱり違う。
読んだ後に、物語としてどうだったとかいう感想が残る作品じゃなくて、
一つ一つの文章から太宰治の思想、叫びが滲み出ている作品だと思う。
「世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?
世間じゃない。あなたでしょう?
世間じゃない。葬るのは、あなたでしょう?」
世間一般は私を葬るどころか私の事なんか気にもしてないわけで、
私を葬るのは私を見ている誰か、って事だろうか。
一般の人々は自分の事を気にかけてなんかいないことに気づいたから、
「いままでよりは多少、自分の意思で動く事ができるようになりました。」じゃないのかな。
ああ、でも、その誰かは私の事をいったいどう思ってくれているんだろうか。
「ただ、一さいは過ぎていきます。」
・桜桃
「生きるという事は、たいへんな事だ。
あちこちから鎖がからまっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。」
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話としてはどんどん破滅に向かうばかりなのですが、それでも読むのをやめられない。太宰氏の筆力はすごい。
ようちゃんはみんなに愛されていて、普通に生きていくことだって出来ていたはずなのに、不幸感度が人の100倍くらいあるために、彼には堕ちていくしか選択肢が見出せないんです。
太宰氏の文章表現が素敵です。
最後の1行に救われました。
《所持》
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松ケンキター!!
…じゃなくって(笑)
これは5月病の人は読まないように。
5月に読まないように。
気づいたら太宰を手に屋上に上がっているかも。