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カンパン夫人 フランス革命を生き抜いた首席侍女 みんなのレビュー
- イネス・ド・ケルタンギ (著), ダコスタ吉村花子 (訳)
- 税込価格:3,190円(29pt)
- 出版社:白水社
- 発売日:2016/08/25
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紙の本
革命を雄々しく生き抜いた女性
2019/10/03 20:42
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投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブルジョワ階級から異例の出世をして、王妃の首席侍女に上り詰めたカンパン夫人の生涯を余すところなく描いた伝記作品。
ブルボン王朝時代は、とにもかくにも階級ですべてが決まると思いがちだが、本人の努力と才能が宮廷人の目に留まり異例の出仕を叶えたというところが、新時代の到来を感じさせる。父親の女子教育に対する考え方やそれに十分応えられる才能と高い意識の持ち主であったことが彼女にさらなる幸運をもたらす。
やがて革命の渦に否応なく巻き込まれてゆくのだが、亡命など全く考えず最後まで王妃たちに付き従う忠誠のひとでもある。王妃の取り巻きたちがそそくさと亡命したのとは大違いだ。チュイルリー王宮襲撃の場面は臨場感にあふれて圧巻だった。王に従い最後まで宮殿内で近侍していた人々がかなりいたことも初めて知った。
宮殿から生きて逃れられたのも全くの幸運だと思う。
そして革命後の王党派の残党狩りに息をひそめて生きながら、家族の生活のために女子教育のために学院を創設、やがてのちのジョセフィーヌ皇后やその娘のオルタンスの知遇を得たことから学院経営も軌道に乗る。ナポレオン肝いりの学院の運営も任されるほどの信頼を得る。
とにもかくにも二度の政治体制の激変に立ち会い、そこから不死鳥のごとく蘇った意思の強さと人生への飽くなき渇望がすごいの一言に尽きる。女性だけでなく困難な時代に生きるすべての人への指針となる生き方を示してくれた稀有な女性だ。
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