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生きていると死んでいるの違いは何か?
細胞の観点からわかりやすく説明がされておりさらさらと読めた。
DNAは人間に必要なたんぱく質の設計図で、RNAにコピーするときのコピペミスによって多様性が生まれる。1回のDNA複製でだいたい12箇所ミスる。
人間の細胞は、受精卵やその後しばらく(ES細胞)は手にも足にもなんにでもなれるが、分裂が進むと設計書にカーテンがかかり手なら手の細胞にしかならない。
iPS細胞はすでに特定の細胞になった状態から、設計書のカーテンをあけて違う細胞になれる。
高校のとき生物でならったような単語も出てきましたが、こうやってわかりやすく体系的に学ぶことでこんなにも面白い分野だったのかと思いました。
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http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18376
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メモ:生物学はバイオロジー、生命科学はライフサイエンス。生物学のほうがより大きな範囲。DNAを主体とした生命観。
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進化には多様性が重要。多様性は余裕から生まれる。余裕は無駄が存在する。無駄に見えるものが実は重要な役割をしていること、多々あるのかもしれません。
タンパク質が細胞を作る
消化酵素もDNAも。アミノ酸やビタミンは補酵素にすぎない。結局はバランス。バランスの良い食事。
がん細胞をとっても、DNAのエラーは消えない。神経細胞だけは生まれ変わらない。
遺伝子組み換え食品が危惧されるのは、それが遺伝子にどんな影響を与えるか不明確だから。
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生物学をほとんど学んでこなかった学生に向けて生命科学を分かりやすく教えたいという想いから書かれた本。池上さんが聞き手となった対談形式になっており、初学者でも用語などに引っ掛かることなく読み進めることができた。タンパク質のリサイクルのところでは2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典さんがオートファジーについて解説している。
第一章「生きているって、どういうことですか」
第二章「細胞の中では何が起きているのですか」
第三章「死ぬって、どういうことですか」
第四章「地球が多様な生命であふれているのはなぜですか」
特別対談「どうして今、生命科学を学ぶのですか」
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一般ピープルが日ごろ聞けない(気にも留めない)純粋な疑問を、池上さんが素人目線で疑問に思ったことをなんでも聞いてくれるので、分かりやすく科学導入の勉強になる。
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「生きているとはどういうことか」、「死ぬってどういうことか」と言った興味深いテーマがあり、東工大の教授が最先端の知識を交えて生物学のイロハを解説するという内容に惹かれて購入した。
昔の生物学は博物学のような授業が行われており、暗記科目とされていたが、現代では生物とは何かという根本原理を扱った生命科学が新しく加わっているとのことだ。
「自分とは何であるか」という問いは、昔から哲学の観点から考えられてきたが、ここ数十年で生物学の観点から考えられるようになってきた。
細胞レベルで考えた時、
「生きているとは」
細胞ひいては生命の共通するである特徴境界・代謝・自己増殖が維持されているとき
「死ぬとは」
細胞の代謝ができなくなったとき、境界がなくなったときが細胞の死である。
しかし、これらは細胞をどう定義するかによって答えが変わってくるので、絶対的な解ではないことには注意が必要だ。
本書では、遺伝子、DNA、ゲノム、万能細胞、ES細胞といった最近話題の事柄についても、素人に分かりやすく説明されており、勉強になることがたくさんあった。
それにまつわる倫理的な問題も懸念されている今日では、生物学は社会人として知っておくべき教養だと感じた。
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『WHAT IS LIFE?』で生命科学に興味を持ったので、図書館で借りてみた。
本当は『動的平衡』が読みたかったけど、なかった。
細胞の定義が「境界」「自己増殖」「代謝」とシンプルに書かれていたのが良かった。
セントラルドグマは初めて聞いた。DNAとRNAって何が違うのかと思っていたけど、なんとなくわかった。
コラーゲンのくだりは面白かった。でも、実際にコラーゲン摂取している奥様方には言わないようにしておこう。そこは理屈じゃないだろうから。
生命の維持は動的にしか維持できない。でも動いた先に何があるか、わかっていない。
今まで、たくさん進化をしてきたけれど、それは「たまたま生き残った」やつら。結果オーライ。
同じところから始まって、いろいろなものの一つとして生きている「自分」は、何者で、これからどうしていくのか。
「つながっている」なんて考え、前の自分にはなかったなぁ。
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「この世界は、セントラルドグマという統一原理から始まる多様性に溢れた世界である」。
一般人も興味をそそられるような身近なトピックを織り交ぜながら、生命とは何か、という問いに対し、一つ一つ順を追って、池上彰とその道の第一人者との対談形式でわかりやすく説明されていく。
項目の順番が絶妙で、一つの説明を聞いて疑問に思ったことが、ぴったり次の章で説明されていき、すらすらと読める。文系読者にもとっつきやすいよう、概念的な理解に焦点をあてられている点もありがたい。
「ヒトのDNAの95%は無駄な部分だが、その無駄が多様性を生んできた」といった生命のあり方は、現代の企業などの組織論にも使えるという池上彰の考え方には強く同感する。
何十億年という長い時間をかけて構築されてきたこの自然のシステムに、私たちはもっと多くを学ぶべきである。進化や分子生物学の本を読むごとに、現代社会で生きる私たちにこそ、これら生物学の知識は必要であると思う。