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紙の本
地下鉄テロを軸としたクライシス(危機)小説としては異色な展開に驚きでした。
2019/07/30 09:44
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
地下鉄テロを軸としたクライシス(危機)小説としては異色な展開に驚きでした。むしろ経済・社会問題の基礎講義を読んだような雰囲気を感じた作品でした。著名な経済評論家:鬼童征夫の弟子たちが地下鉄テロを実行するが、その目的・主張が声明としてネットに流されるに伴い、やがて師弟の公開理論対決の様相を呈していく結末に新しいクライシス(危機)小説の形を見た気がする。確かに事件は起きるし、残された爆弾を捜す危機感はあるが派手さは無く、むしろクライシス(危機)小説としては地味である。しかし、作品の大半を占める経済・社会問題の議論は簡略化されているがゆえに判りやすく引き込まれる。何故?目的は?と誘われてついつい一気読みでした。著者の腕力に脱帽。
なお、題名の「ダンジョン (dungeon, donjon)」 とは「地下牢」を意味し、城などの地下に造られた監獄や地下室を指す。日本語化するなら『東京地下迷路』とでもなるのかな。
<蛇足;思わぬ収穫>
現在、危機的問題となってる「年金」問題。何故、自分が貯めた金で「年金」を受け取る仕組み(自世代内完結型)にしなかったかという疑問をかねてから考えていたが、本書で判りやすく解説してくれていた。従来の「年金」制度(次世代支援型とでも言うか)の時代は、インフレ、人口増が前提だった。つまりインフレのため積立金は年を経過するほど目減りするため次世代からの支援が必要であり、人口増の時代には問題なく機能した。しかし、1980年頃からインフレが止まり、人口減少に転じた結果、次世代の年金拠出額(支援額)が減少に転じたのである。後は、規模の縮小した次世代が、増大した現役「年金」世代を重い負担で支えるという現状が出現した。要するに、1980年頃の社会環境転換点で自分が貯めた金で「年金」を受け取る仕組み(自世代内完結型)への転換が必要だった。時既に遅し。妙薬無し。
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