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井上ひさしの長女が書く食事まつわるエッセイ。副題のとおり、最初の頃は父・井上ひさしとの思い出にちなんだことが綴られる。井上ひさしというと人のよさそうな馬面のおじさんというイメージだったのだが、読んでみると意外と気性の激しい人だったよう。
後半になるにつれ、井上ひさしが登場することは減り、息子との二人暮らしの食卓の様子が綴られることが多くなる。どちらかというと、こちらのほうがパート勤めしながらのシングルマザーの日々の雑記のようで温かみや切実さがある。言ってしまえば、高名な父の名を借りた何てことのないエッセイで、著名人の生活をのぞかせてもらう楽しみも後半にはないのだけど、そのぶん裸一貫で生きているつましき美しさがほの見えてくるような気がするのだ。
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料理が苦手で下手という方の食べ物エッセイ、珍しい。おっしゃるわりには、ごはん作りは丁寧でおいしそうだけどw
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井上ひさしがいた風景,というのがちょっと違和感あった.井上ひさしもいたかもしれないけれど,息子とか母親とかさらに言うなれば都氏自身の風景である.こんなにたくさんの食べ物にそれぞれ何かしら思い出があるのは幸せなことだと思った.
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食べ物にまつわるエッセイ集。
高校生のとき、アガサ・クリスティーに夢中だった都さん。徹夜で仕事をする父親・井上ひさしさんの書斎でクリスティーを読む話「カップ麺」が良かった。
父親が娘を、娘が父親を思う気持ちが伝わってくる。
サラサラと活字が入ってくる。
井上都さんは、「週一回、夕刊にコラムを書かせていただくのは大変でした」と話される。
2年間の連載。
都さんの作品を、また読みたい。