紙の本
花咲家にまつわる怖くて悲しいお話
2017/03/23 12:31
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投稿者:ねこすき旅人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
植物と話をする不思議な能力を持つ花咲家の家族が出会った怖くて悲しいお話です。ただ、読んでいて怖いというよりは、色々考えさせられるお話が多かったです。特に火車のお話は、凶悪な犯罪が多くなったといわれる今の社会において、犯罪の被害者やその家族がおかれている悩みや葛藤、後悔を感じることができるお話だと思いました。
幸せを一瞬のうちに奪われ、崩壊してしまった家族の苦悩、許そうとしたが、再び発生した凶行に対して死後の復讐という形で、犯罪者を断罪する。被害にあった人や関係者にしか分からない気持ちを代弁しているかのようで、色々考えることが出来ました。
他のお話は怖いというより不思議で前向きになれる気持ちのお話が多く、続編も楽しみです。
紙の本
『花咲家の怪』
2016/10/26 20:23
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
風早駅前商店街にある老舗の花屋「千草苑」の人たちは
植物と会話ができるふしぎな力を持っていた
そんな花咲家にまつわるシリーズ4作目の本作には
“ほのかに怖い”短編が4つ
動物虐待がモチーフの第三話「火車」は
著者の強い思いがこもった秀作
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『怪』ということだけど、怪談というよりは、不思議な存在が描かれたという感じ。
人ならぬ存在の持つ優しさや悲しさ。
1話目から涙腺が崩壊。
なんて優しい幽霊さんたちなのだろう。
りら子の言葉は、桂を慰めるだめの方便ではないから。
「夏の川」の、ノスタルジックな優しさも素敵。
それだけに、「火車」が悲しすぎる。
あんな犯人がどんな非業の死をとげようとどうでもいいけど、皆川さんが手を下すことにはなってほしかったのに。しかも、ああいうふうになってしまうなんて。どうか、その後、皆川さんが救われる物語も書いてほしい。
エピローグも最高。猫ちゃんたちにつれなくされても、この話を思い出して気を取り直すことにしよう。
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怪、というタイトルは分かっていましたが、まんま怪談だとは思っていなかったので、ホラーは苦手な私は少々びくびくしながらページをめくりました。
1話の桂の話はとても可愛らしく美しかったです。りら子も良いこと言うなあと。火車の話は切なかった。実際にこういった事件が起きている現状、いっそ文字に起こされた村山先生の、こういった事件に対する怒りや悲しみが表されているようです。
第4話、こっくりさんなんて、私が小学校くらいのときに禁止されたような気がしますが、クラスの隅っこにいた私はやったことがなくやり方も知りません。が、こんなふうに明らかに怖いものに変貌した「こっくりさん」を、それじゃうちにおいでよと言ってしまえた有城少年は結構な大物だったのだなと変に感心してしまいました。おどろおどろしいはずの4話ラストは茉莉亜の魔女っぷりが圧倒的すぎてすごかったです。彼女は本当に底知れない。
最後の猫のお話は、これもまた村山先生の猫に対する愛情溢れるお話でした。猫は魔的なものを感じさせる動物なのかもしれないですね。
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【収録作品】プロローグ/第一話 別れの曲/第二話 夏の川/第三話 火車/第四話 約束/エピローグ 地上に光るは輝く瞳
花咲家の物語。第一話は桂の話。記憶を封印した理由は……。第二話は草太郎と絶滅した日本かわうその話。第三話は木太郎と年老いたパティシエの話。これは怖い。第四話は漫画家の有城が交わしたいくつかの約束と茉莉亜の話。
優しい語り口の、何気ない話なのに、琴線に触れてくるのは、想像力をかきたてられるからだろうか。著者の猫好きがよくわかるエピソードも。
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怪 とは言え 優しい記憶の集まりのようなもの。暖かい色の不思議な出来事たち。皆川さんも赤い色を燃やし尽くすのを止めてゆっくりと燃える暖かい赤に戻って来られるといいのに‥‥
そして猫さんたち いつも守ってくれて あ・り・が・と・う♪
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タイトルに「怪」とついてはいるけれど、怖くはなくて、優しい、ふしぎなものたちのお話が多いです。
でも、第三話の『火車』は、とても悲しいお話でした。
何も知らずにいれば、火車にならずに済んだかもしれなくて、最愛の娘とも、また会えたかもしれないのにと思うと、もう。
とは言え、結局、全話で泣いてしまったんですけれども。
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うーん?今回はちと雰囲気が違ったなぁ。
そしてなぜイラストが変わったんだろう。大人の事情なんだろうか…
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シリーズ4作目です。
今回は、怪談特集?みたぃですが…、
何となく辛気臭ぃ雰囲気も感じられ、
あまり、印象はよくなかったかも…。
特に、第三話は、よくなかったな~。
そんな中、第四話は、本シリーズの、
良さ、らしさが出ていたでそぅか…。
第四話は、
本作品のテーマであった怪談話が、
有城先生から、セピア色で語られ、
マリアさんの能力も自然に絡んで、
ちょっとした事件もありつつの、
暖かくて優しぃ雰囲気のお話に、
バランスよく仕上がっていました。
二人の今後も、気になる感じで…。
全話、第四話のよぅなお話だったら、
高評価をつけるところなんですが…、
今回は、第四話が底上げして、
とりま、ふつぅ評価といぅことで…。
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【あらすじ】
鍵盤に手を置くと指が自然とメロディーを奏でる。弾けないはずのピアノなのに、まるで魔法のように。そして桂は思い出す。会えないはずの少女に会った記憶を(「別れの曲」)。かすみ草を使って優しいお見舞いの花束をつくる木太郎。届け先は老いたパティシエがひとり住まう家。彼には遠い日に亡くした愛娘がいた(「火車」)。哀切で愛らしく、ほのかに怖い短編集。
【感想】
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「別れの曲」桂が焼け焦げたはずのお屋敷でピアノを教わった体験を語る
「夏の川」木太郎さんが目撃した百鬼夜行
「火車」娘を亡くしたパティシエの魂の話
「約束」漫画家の結城先生のコックリさん、ロボット、ベテラン漫画家さんとの話
タイトルに「怪」と入っているように、ホラー要素が入っている話ばかり。
中でも「火車」は、ホラー要素というよりも切なさの残る終わり方で印象的だった。
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花咲家シリーズをここから読んでしまったのも悪いのだけれど、地の文がですます調なのが意外に没入感を阻害されてしまった。村山さんの本はこれが初めてで、最初はこの作家さんが合わないのかとおもったんだけど、今読んでいる竜宮ホテルはすごく面白いので、やっぱりですます調のせいかと…
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村山早紀さんの作品は大好きなのだけど、酷い目にあったり、自己犠牲をしたりする猫たちが出てくるのだけは辛い…と、ちょっぴり間を置いていたのだけど、火車は、なんとも、心に残る話だった。
今回、猫ではなくて、人間と愛猫が一緒に怨霊化して復讐してしまう。それで成仏するならスカッと(スカッとまではしないか)まあ、一件落着な感じがあるのだけど、そのまま、善悪とか愛情とかなくなってただの怨霊になってしまう哀しさ、恐ろしさがある。
人を呪わば穴二つ?
酷いニュースが流れると、物凄い怒りに駆られるのだけど、報復するのも簡単なことではなく…悲しくて悔しいなあ。なんでそんな奴らがいるかな。
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村山早紀さん「花咲家の怪」読了。花咲家の面々による少し怖い短編集、4話。末っ子桂の夏休みバイト先の怪談話「別れの曲」、父草太郎の百鬼夜行の思い出話「夏の川」、花咲家で食べた美味しいケーキとお見舞い話「火車」、ハロウィンに送る長女茉莉亜と漫画家のラジオ怪談特集「約束」。いつもと雰囲気を変え、背中がぞぞーとするような物語も入ってます。でも最後は白猫ちゃんで癒されます。茉莉亜と漫画家の竹友の今後の掛け合いも楽しみになりました。面白かったです♪
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2020.8.24スタート。2020.8.31読了。2020年の⑮。★★★☆☆。自分より弱く儚い者、人であったり生き物であったり花や植物であったり……そのようなものを壊すやつだけはなにがなんでも絶対に許さんぞ!!!と思ったり、獺祭の意味を今さらながら知ることが出来たり、私もこっくりさんの正体は低級霊などではないぞとほっこりしたりの4つの短編集でした。