仕事に効く教養としての[世界史]II
2016/11/08 20:50
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投稿者:哲人政治 - この投稿者のレビュー一覧を見る
出口さんの著書はほとんど購入してますが、その理由に私達と同じようにビジネスの世界で切磋琢磨しつつもこれ程までにも勉強をしている職業人は未だかってお会いしたことがないというのがその一つです。出口さんとさわかみ投信の澤上会長との紀伊國屋サザンシアターでの対談は本当に凝縮された内容でした。この本を読む事でその対談の内容が深く理解することが出来ると思います。特に今後の世界の国々の有望な地域を教えてくれているのが本書であると思います。
六章「ルネサンスは神の手から人間を取り戻す運動だった」は秀逸
2018/05/06 22:48
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投稿者:hashed - この投稿者のレビュー一覧を見る
出口さんの本は本当に面白い。だが、それらの内容を「ビジネスに役立つ教養」として理解するにはどうしたら良いのか、わからずにいた。しかし、六章で急激にハラオチした。ルネサンスは、ギリシャ哲学がイスラームを経由してヨーロッパに入ってきたものだ、ということは歴史好きならわかる。しかし、ルネサンスとは「宗教のくびきから人間を解放するもの」という捉え方・視点の変換は、どこで役立つかはわからないが「高い視座を持つ」ことの、大いなる参考になる意見だった。物理的な人間の動きに注目するだけでなく(それも大事だが)、そこで起こった思想・ココロの動きに注目すること。それは、ビッグデータ時代の今だからこそ、忘れてはならない視点なのではないだろうか。
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<目次>
はじめに 人間にとって教材は過去しかない
第1章 激動の16世紀。世界史の流れはここから変わった~カール5世、新大陸への到達、宗教改革
第2章 イスラム世界が歩んできた道~21世紀のテロ問題を冷静に見つめるために
第3章 豊かな国インド~なぜ始皇帝もカエサルも登場しなかったのか
第4章 エジプトはいつも誰かに狙われていた~」「世界の穀倉」をめぐる支配の歴史
第5章 日本文化に大きな影響を残した唐宋革命~平和はどのように築かれたか
第6章 ルネサンスは神の手から人間を取り戻す運動だった~里帰りの3つのルートとメディチ家
第7章 知られざるラテン・アメリカの歴史~スペインの支配、独立運動、キューバ危機
第8章 母なる大地アフリカの数奇な運命~暗転していく歴史と奴隷貿易
第9章 ドイツを統一したプロイセンと第一次世界大戦~フランク王国からヒトラー登場まで
第10章 21世紀の世界はどこへ向かうのか~超大国アメリカと世界の国々
<内容>
出口の歴史第3弾!口述筆記だからか、読みやすくすらすら入る。『仕事に効く』シリーズでは第2弾だけど、南米やアフリカ(やや簡単だけど)、インドなどちょっとマイナーな地域を取り上げた今回。死して世界は繋がっていることを再度教えてくれる。参考文献もしっかりしていて、索引もついている。かゆいところに手の届く本です。
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前作は、ジェットコースターのように歴史の海を駆け巡ったが、本作は、のんびり船の旅といった感じ。
普段、あまり意識を向けない地域、国にスポットが当てられていて、前作とは違った面白さを味わえた。
ますます歴史が好きになりました。出口さん、いつもありがとうございます。
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ムハマンドの作ったイスラム教 わかりやすく合理的、商人的。
砂漠で生まれた宗教だから、人を寄せ付けぬ峻厳さがあるというのは当てはまらない
クアルーン ムハマンドが死んで18年で作られた。生前を知っている人の話をきいてまとめられた
聖書 イエスの死後50年
仏教 ブッダの死後500年
イスラム教 降伏して納税せよ イデオロギーより現実的利益を優先
ユダヤ教、キリスト教のYHWHという一神教は嫉妬深くて信者が他の教えに心を傾けることをなかなかゆるさない。
アッラー かなり合理的で寛容な神様
イスラム帝国が他の地域を支配する時、年には軍隊を進駐させず、軍営都市を作った
プラトンによってアテネに創設されたアカデミア
ギリシャ・ローマの古典が集積
529 ユスティニアヌス一世によって閉鎖
そこの教授をサーサーン朝ペルシャがうけいれた
ジュンディーシャープールの大学
サーサーン朝ペルシャを滅ぼしたのはアラブ軍
ジュンディーシャープールで大量のギリシャ・ローマの古典を発見 大翻訳運動
1085 トレドでキリスト教国カスティージャが大量のアラビア語の書物を発見 ラテン語へ翻訳
12世紀にイスラム諸国を介して、ヨーロッパに復活したギリシャ・ローマの古典ぶんかによって、学問や芸術の花が咲き、各地に大学がうまれた ルネサンス
アラブ人の大学者 イブン・スィーナーとイブン・ルシュド すなおにアラブ人と認めたくなかったので、ラテン語の名前をつけた アウィケンナ、アヴェロエス
イスラム教にはプロの宣教師がいないので、東南アジアの人々には布教されることはなかった。けれども逆にそのことで東南アジアの人々はイスラム教に興味をもった
仏教 自己解脱を中心におく 小乗 ー 大乗
ギリシャ・ローマの芸術や学問が3つのルートでヨーロッパに里帰りした
西方のスペインを経由、南方北アフリカのイスラム世界からシチリアを経由、東方を侵略した十字軍や東ローマ帝国を経由
古典古代の文化を継承してできた3つの有名大学
アカデメイア、ムセイオン、ジュンディーシャープール
11世紀末ボローニャ大学 12世紀パリ大学、オックスフォード大学
リベラルアーツ 文法、論理学、修辞学、算術、幾何、天文、音楽
フィレンツェの三大銀行 英仏100年戦争で英を支援 仏の勝利で借金を踏み倒されて潰れた その後台頭したのでメディチ家
トルデシリャス条約 南米新世界でポルトガルとスペインを分割
アルゼンチン 20世紀初頭 GDPで5指にはいる
南アフリカで英国、トランスバール共和国と戦う アジアが手薄になったので日英同盟 1902
アメリカ アメリゴ・ヴェスプッチに由来
アフリカ 北アフリカカルタゴの南に居住したひとをafriと読んだことに起因
ヨーロッパ フェニキアの王女エウローペ
アジアの語源はアッシリア語の日の出、アスasu
ローマの国境ライン、ドナウ川 周辺に住んでいた、ラテン語を話さなかった人 theudeiskがdeusche(民衆本来の言葉を話す人々の国、地方)
プロイセン王国の第7代 ヴィルヘル1世
首相 ビスマルク(ユンカー出身、大地主貴族)
ローン 陸軍大臣
モルトケ 参謀総長
ベェルサイユ宮殿で行ったドイツ皇帝ヴィルヘルム一世の戴冠式
ビスマルク フランス人の怨念を明瞭に意識していた
ヴィルヘルム二世 ビルマルクを罷免
ビルマルクは社会保険の父
GAFA google apple facebook amazon
シラク三原則 子どもをもつことによってあらたな経済的負担が生じないようにする、無料の保育所を完備する、3年後の女性が職場復帰するときには、その3年間づっと勤務していたものとみなして、企業はうけいれなければならない
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世界史の第2段。
南アメリカとアフリカの歴史に興味をひかれました。病原菌の侵入によって滅んだ南アメリカの国々。新大陸を巡って争うヨーロッパ諸国。アメリカの勃興。
資源と奴隷として駆り出されるアフリカのひとびと。
歴史はこの先も続いていくのだろうけど、全ては過去の積み重ねであり、世界の覇権争いも歴史の必然の様な気もします。
歴史は、物事を短絡的にではなく、悠久の時間で捉える姿勢を学ぶ学問なのではと改めて思います。
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そのときの別の地域との関わりなどを勘案しながら、世界史を縦横に読んで行くことができます。本書は前著では触れられなかった地域の歴史を語ることにより、様々な視点からの歴史の見方があるということを学ぶことができます。なかなか語りにくい、アメリカやアフリカの歴史も、分かっている部分をつなげてできるだけ理解しようということは、グローバルな時代には必要なことだと思います。この視点を持つことのきっかけとなったと思います。広大な世界史はやはり1冊では語れませんし、1つの地域に偏っては理解が不足します。このような全体からの書をいくつも読んで行くことが必要だと、その広大さを感じています。
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出口さんの語る世界史は、相変わらず分かりやすくて面白い。特に、本書では、一般的な日本人にとってあまり馴染みのないイスラム世界、インド、ラテンアメリカ、アフリカの歴史も取り上げていて、一読で全部理解できるわけではないものの、これらの地域についてもそれぞれの歴史があり、これらが相互に影響を及ぼし合っていたことなどが分かって面白かった。さすがに、アフリカのような広大な地域について短い紙数で語り尽くすことは難しいが、それでも、地域の文明、地理的特徴、外部からの影響などの概要は掴むことができる。前著についても、今一度読み返してみたくなる。
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世界史を一気読みする感覚でページが進みました。インプリケーションも押し付けがましくなく、組織論とリーダーシップ論に触れることができる本書です。
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近代以降に歴史の中心となった欧米ではなく、中東などの高校世界史で触れられることの少ない地域にスポットを当てています。
まだ自分は世界史に詳しくなくて、周辺地域に関して勉強するモチベーションもあまりないので途中で読むのを止めてしまいましたが、今後詳しくなった時に改めて読み直そうと思います。
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イスラム世界やインドの歴史をザーッと紹介してくれていてとても面白かった。唐宋の歴史で宋名臣言行録が紹介されていて大好きな本なのでさらにこの本が好きになった。巻末の参考文献を目安にもう何冊か読んでいきたい。その国を知るには歴史を知らないと。
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続編ということで期待して手に取ったが、期待を裏切らない内容であった。
前著では扱っていなかった中東・アフリカ・アメリカ、そしてそれらをつなげるための西欧の動きとしてルネサンスや近代ヨーロッパを取扱い、最後に20世紀を総括しつつ21世紀の展望を記している。
中学や高校の授業では点としてしか認識できない歴史を、見事なまでに線としてつなげている。
ぜひとも受験勉強の休憩時間にでも読んでほしい本である。
一般論として、新興国や戦乱や内戦で疲弊した国がテイクオフするとき、すなわち自力で歩き始める時に一番大切なことは中間層を育てることです。そして、中間層が育つためには、国内産業の振興が不可欠です。それにはお金が必要です。それとともに人口が健全に増加していくことが必要です。
つまり、今の日本は二極化、少子高齢化とどちらも逆行した方向に歩んでいるという事なのです。
お薦め図書は購入リストに反映。山川出版の歴史ものは定評がある。
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・将来、何が起こるかは誰にもわからないけれど、悲しいかな、教材は過去にしかない。これから展開されていく21世紀の世界で、何が起こるのかは、同様に誰にもわからない。けれども人間がつくりあげてきた過去の歴史の中に、何かヒントはないだろうか。それを上手に探せばひょっとしたら、いろいろなことがわかるかもしれない。
2015年9月の国連サミットで2030アジェンダSDGs Sustainable Development Goals が採択された。2001年に策定されたミレニアム開発目標MDGs Millennium DevelopmentGoals に至るプロセスによって世界は着実に良い方向に向かっている。
・1日1.25ドルみまで生活する極度の貧困層は1990年の時19.26億人から2015年には8.36億人へと半分以下に減少。
・5歳未満児の死亡率は出生1000人あたり90人だったものが2015年には43人へと半減。
・若者の識字率は1990年の83%から2015年には91%まで上昇。
,安全な飲料水を得られない人は1990年の12億人が2015年には6億人へと半減(割り当ては23%から8%へと低下)。
・栄養不足人工は1990〜92年の10.11億人が2014〜16年には、7.95億人へ元気に見込(割合は19%から11%へと低下)。
・ジョセフに平等なリーダーシップの機会は1995年は11.3%だった女性議員の割合は日本は11.6%で大きく遅れをとっているが)2015年には22.1%まで上昇。
・電力を利用できないひとは1990年には20億人を超えたが、2015年には11億人以上と半分近くまで減少(割合は38%から15%へと低下)。
2016年5月、アメリカ大統領として初めてヒロシマを訪れたオバマ氏は核兵器なき世界を主導する責任に触れた歴史的なスピーチを行なった。その中で広島で平和に生きる子どもたちについて述べ、全世界の子どもたちが平和に生きることができる未来を選択しなければならないと続けた。オバマ氏は間違いなく歴史に学び、世界が良くなることを信じて次の世代(子どもたち)に夢を見たくしたのだ。
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現代の論点を世界史の観点からわかりやすく描いた本。ISの勃興やアフリカの開発が遅れている背景などが腑に落ちる内容だった。出版から早く読めたので足元の動向まで記載があり大変参考になった。
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世界史大好きおじさんの第2弾。『全世界史Ⅰ・Ⅱ』を刊行して割りとすぐにこの本も出しているので、筆者の熱意が感じられる。前作で触れられなかったアフリカやラテン・アメリカまで言述されており、前作と合わせて読めば教養としての世界史は表題通り身につく。ただし、筆者の主観の箇所は、やはり注意が必要。