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自分に厳しく他人にも世の中にも厳しいオーヴェ。
自分のルールがあり崩す事はない。
妻を亡くし、生きる気力を失うオーヴェに、ズカズカと入り込むパルヴァネ一家。
物語は良くある、淋しい孤独な老人が人と繋がり変わって行く姿を描きます。
良くある物語だけど……泣けます。
妻の墓の前で「淋しいじゃないか」と毎回、呟く切なさ。
孤独だったオーヴェの周りに、いつの間にか人が集まり、まるでドタバタ劇のような後半。
真面目に生きて真っ直ぐ生きて来た者への幸せな時間。
人の思い出の中で生きれるって幸せな人生だと思う。
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偏屈親父の物語だが、信念を持ち筋が通った親父だから、ただの偏屈でなくて、愛される親父の物語だった。面白くて読むページが進む。
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偏屈なじいさんが隣近所の人と交流して…実は過去にこんなことがあって…そしていつの間にか……。
こういう話って大体おもしろい。“偏屈なおじさん(主人公)”って意外と優しいから、読み進めるうちに気付けば彼に対して愛を抱いてるんですよね。笑 今回もそうでした。
物や専門家に頼りがちな現代人(若年層)を風刺する描写がちょいちょいあり、“便利すぎる世の中”についても考えさせられました。
初のスウェーデン人著者の小説。帯の通り、笑いと涙の感動作です。ぐっとくる場面がたくさんありましたが、個人的には、ソーニャが「人を愛することは家に引っ越すのに似ている」と語ったシーンです。
これがデビュー作とは驚き!
(※主人公の名前の由来には笑った)
スウェーデン版の映画も観ました。小説通りで、おもしろかったです。ハリウッド版の映画化も考えられているようで、トム・ハンクスさんがこの偏屈なじいさんを演じるという噂を聞きました!もし本当の話なら、ぜひ観てみたいです!
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スウェーデンの偏屈なおじさんが妻に先立たれて職を失い、妻のところに行こうとして何度も自殺を試みるも、隣人たちのせいで失敗する物語。
偏屈なおじさんは自分の信念があって、一貫して妻を愛していて、周りに好かれている。読者も最初は偏屈じじいって思うけどだんだんオーヴェが好きにぬっていく。
パルヴァネやイミーなどの隣人たちがまた良いキャラしていて、にぎやかで楽しそうな団地だなと憧れる。
クスッと笑えて、そして泣けます。淡々とした文体がまた良い。
スウェーデン人が家や家族を大切に思っている価値観を感じました。
久しぶりの小説だったので少し読むのに時間がかかりましたが、とても面白かったです。
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序盤でつまずき、長年積読でした。
読み進めていくにつれ、読みやすくなりました。
オーヴェの良さや温かく個性的な周りの人々、最愛のソーニャ。全てが良かった。
途中もクスッと笑えるシーンが多々あり
心がじんわり。
今年最後にこの本を読めて良かったです。
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何なんだこの偏屈オヤジは…鼻につきすぎて全然すらすら読み進められない…と、初め〜中盤ちょっと前までは思ってたけど、そこからがすごかった。面白かった。クセ強人間オーヴェのことが気になってしかたなくなってしまった。映画になってるのは知らなかったから、これから見たい。
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最高です。
映画から入り、原作に至りました。
笑える上に感動させられます。
主人公であるオーヴェは度が過ぎる偏屈オヤジ。
しかし、読み進めるうちにそれはただ変であるのではなくて、オーヴェ自身の信念に拠るものだと解るにつれて面白さに加えて尊敬や愛着が湧いてきます。
本当に面白くてサクサクと読み進めてしまうのですが、ただただ楽しんでるだけなのにオーヴェの生き様に心打たれている自分に気付きます。
心にじんと染みるものを感じさせつつも、説教くささなんてない。(もちろんオーヴェはオヤジなのでちょっとした説教は垂れますがw)
人生の大切なものを笑いで包んでくれているように感じました。ソーニャの教え方もこんな感じだったのかなと。
あと個人的に気になった事。
オーヴェの手紙の最後の文章にあった
「住居エリア内に車を入れさせるな」
これ笑いどころなんですかね?
自分はずっと堪えていたのに、この文章でやられて涙腺崩壊しました。
何故かわかりませんが。
ともあれ最高の小説です。
映画も最高なので未読or未視聴であれば是非是非おすすめします。
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オーヴェの周りにいる人と同じように
読み進めるうちに彼に対する印象が変わっていった。
苦手に思っていた最初の頃は読むスピードも遅く
だんだんと好きになって行く中盤にはグングンと読むスピードが上がっていった。
最後は
人生ってそういうものなんだね
と 悲しい気持ちとホッコリする気持ちが入り混じったような気持ちになりました。
出逢えて良かった一冊
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オーヴェの真っ直ぐな生き方や考え方は面白いほど固くて、ここまで自分を貫ける良さを感じた。
オーヴェとソーニャの関係が好きです。
映画も観ます!
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映画を見る前に予習で読みました。
オーヴェは初見変人だが、信念のある人間でした。
ちょっと日本語訳がわかりづらいなとおもったけど、その辺りはオーヴェのような癖のある感じを表現するためか?と捉えて読みました。
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2023.11.5 読了。
無愛想で頑固な偏屈な59歳のオーヴェ。愛する妻に先立たれ、長年務めた職場からも早期退職を言い渡され孤独な日々を送っていたが向かいの家に賑やかな一家が引越してきてオーヴェの生活がだんだんと変化していく。
映画が上映されているのを観たくて(結局観られなかったのだが)興味を持ち原作を読んだ。450ページほどとちょっと長めだがどんどん読み進めたくなる作品。
オーヴェのような偏屈なおじさんが近所に住んでいたら厄介だろうなと思っていたが読み進めていくうちにどんどん彼を好きになってしまう素敵な作品。
陰と陽が引かれ合うように彼の人生に色を与えた妻のソーニャもとても魅力的な女性。
読んでいると自分と関係する人々全員のどこかに「ソーニャ」をみて、ソーニャの死後もにどう思われるかで行動し続けるオーヴェのソーニャへの愛が深くそこに笑いを感じたり悲しみに思えてしまったりする。
オーヴェの生活は孤独なはずなのに隣人たちに巻き込まれクスッと笑ってしまうユーモアがあったりしんみりする場面でつい涙が溢れてしまったりした。
「幸せなひとりぼっち」という邦題に全て詰まっているような作品だった。
オーヴェがソーニャを見つけたように、オーヴェの友人のルネとアニタのように、そんな人生をかけられるような出逢いがあったら本当に素敵だと思う。
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トム・ハンクス主演の『オットーという男』という映画を、映画館で見た。この映画は、スウェーデンの映画『幸せなひとりぼっち』のリメイクだそうで、本書はその原作本。
始めは、この作品がコメディだとは知らずに映画を見ていた。トム・ハンクス演じるオットーが常に怒っていたし、何度も自殺を図ろうとするから。でもオットーが死のうとするたびに、必ず邪魔が入って死ねない。まるで神様が彼を死なせまいとしているように。それがなんともおかしくてつい笑ってしまったのだけど、のちにこれがコメディだと知り、なんだ笑って正解だったんだ、とちょっとホッとした。そして切なさが残った。
後日、この原作を読んでみたら、映画以上にクスッと笑えるところがたくさんあり、映画以上にギュッと切なくなった。映画には描かれていなかった、主人公オーヴェの過去をたっぷり知ることができ、オーヴェが何を大切にして生きているのかがよくわかったから。映画を見ただけではわからなかった深みを、とことん味わえた。
オーヴェという男は、怒りと哀しみでできている。いつも怒ってばかりで気難しく、とにかく間違ったことが嫌い。〈正義、公正、勤勉な労働、正しいものが正しくある世界。それを守ることでメダルや卒業証書や褒め言葉がもらえるわけではないが、それが物事のあるべき姿だという理由でオーヴェは信念を貫い〉ている。そんなオーヴェだが、読者は、読めば読むほど彼のことを好きになっていき、読み終わる頃にはもう家族のように大好きになっている。
訳者あとがきにあるとおり、〈ジワジワとくる、すごくいい本〉です。この作品に出会わせてくれた夫に感謝。
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映画"OTTO”は、スウェーデン発の本書を原作とする映画のリメイク。
OTTOにじんわりと良さを感じたので、原作を読むつもりで本書を読んだ。
もちろん基本的な話の流れはOTTOと同じ。
ただ、OTTOにはOTTOなりの、本書には本書なりの細部があり、それぞれのエピソードが、それぞれに良い。
ややもすると偏屈じじいの暗黒面に陥りそうになった時に、本書を読む。または、映画を見直すことによって、偏屈になって自分の視野を狭めることよりも、相手を受け入れることが大事だという視点を思い出すべきだ。
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主人公の不器用さによって、いろんなトラブルが日々起きています。というより、主人公は不器用さを武器にしてトラブルを起こしていると言い換えてもいいかもしれません。自分も人生も悲観してませんが、愛する妻を無くし生きる意味を失います。何度も自殺を試みますが邪魔が入って中々死ねない。
彼が本当は誰よりも心温かくやさしい人だということをわかってくれる人が、ひとりでもいいからそばにいて欲しいと願いながら読んだ本でした。
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まだ半分あるけど、今年の一番! 元来堅物な男、陽気な妻の自己と死。周りの奴らはどいつもこいつも気に入らない。この世に未練なんかないのに周りが死なせてくれない。そんな男、オーヴェの行動は、全て自分がやると決めたこと。読者にはそれがわかるから偏屈だけど親近感が湧く。何より自分も本当は嫌われることを恐れずにそう行動したい。結果周りのオーヴェを見る目や関係性は変わったけれど、オーヴェ自身はそんなに変わっていない。もし自分が先に死んだら、夫には私の本棚からこの本を見つけ、手に取って読んでもらいたいな。