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今年の芥川賞受賞作。劇団を舞台にした話で、同じく俳優や脚本家を目指す人たちにとっての劇団での生活の心情、人間模様は作中のような感じだったろうと、富良野塾の裏側も垣間見えたような感じもしてくる。富良野塾の先入観が出てしまったからなのだろうか、富良野塾のイメージとはなんか違うものも感じられ、ドラマチックさが前面に押し出され、しんせかいが開けてくるような展開は薄かったのかなと感じる。先生と谷との間で動く主人公の心と互いの距離感、どこかふわっとした印象で芥川賞作品にしては淡々と読めてしまった印象である。
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しんせかいをよみました。しんせかいは第156回芥川賞受賞作品です。
主人公の「スミト」が著名な演出家のもとに弟子入りし、山奥の「谷」で共同生活を送るという内容です。この話は、作者である山下澄人さんが、青春時代を過ごした倉本聰率いる富良野塾での日々がモチーフになっています。富良野塾では俳優や脚本家を目指す若者が共同生活をおくりながら、地元の農家から依頼される作業の対価を生活費とし、暮らしています。そのような境遇においた若者のお話ということで、当然若者の青春群像劇が展開されるものと考えて読み初めましたがすこし景色が異なるようでした。
「スミト」には地元に残してきた恋人未満の女友達、「谷」で仲良くなった女性などがでてきますが、青春小説にありがちな男女の思いの交差はありません。また、「谷」での仲間たちとの会話も多くは空虚な交換が行われているにすぎません。彼のコミュニケーションに難があるのか、それともフィクションの中に主人公が存在しているのか私の中の疑問が芽生えながら話は終盤になり、スミトは読者に対して最後に思いも寄らない言葉を投げかけ物語りは終わります。スミトがここまで重ねてきた言葉はなんであったのかと考えさせられる物語です。
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普通に読めたが、何らかの賞が付くほどには私は感動しなかった。
一番感動したのは最後の数行。
あと受賞作よりも、その次の長いタイトルの方が面白かった。
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「カヌーの人の方がよっぽど時間も労力もかかっていたのだけど、色紙の方を何倍も喜んで、気持ちはわかる、」
独特すぎる。文体、構成。
内容は俳優養成所の話。
前半と後半の構成の分け方、2年目の説明の無さ。
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最後の二文。この終わりはないだろう、と思った。
たぶん、設定も登場人物もそれなりに含蓄があり、それぞれの世界を持っていたのだろうけれど、主人公があまりに無関心に無知で日々を過ごしているため、その繊細さに、読んでて何も気付けなかなかった。話を膨らませるところは膨らませて書けばいいのに。
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文藝春秋で読んだ."北海道の【谷】で少数の仲間たちと生活しながら,【先生】に演劇と脚本の指導を受ける"(堀江敏幸評)話だが,これが芥川賞?という感じだ.1期生と2期生が居るので名前がずらりと出てくる.それに先生の家族と常勤のスタッフ.スミトの感情が表に出ず,女友達の天との会話,手紙に少し現れるだけだ.村上龍は「つまらない」,高樹のぶ子は「あっさり感にも困った」,宮本輝は「ドングリの背比べ,語彙不足か?」,島田雅彦は「なぜこれが受賞作になるのか,よくわからなかった」,川上弘美は「なんだかいいんですが,うまく説明できないです」と散々なコメントがあった.該当作なしで良かったのでは,思った.
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芥川賞受賞で、予約したのを忘れてたほど、知らないまんま読んだ。
すぐ富良野塾だと気づいて俄かに期待したものの、淡々としてて盛り上がりもない。
とにかく読んだ。認めたくないが、多少我慢しながら読んだかもしれない。
そうして最後、せっかく読んだというのにおーい!っていうのに出くわした。
普段、ドキドキハラハラばかり好むから、好みではないが、良い作品なんだろう。
悲しいことに、わたしにはわかりにくすぎました。
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俳優を志す主人公の若々しい感性があふれる作品だ。短文の連続と、息の短い間合いの文章が続くのが特徴だ。おそらく演劇人独特の間合いなのだと思う。
描かれている富良野塾での生活は弟子と師匠の関係が印象的だ。もはやこのような教育の場は少なくなった。理不尽だが、一挙手一投足に注目する弟子の姿はなぜか懐かしい思い出を引き起こす。
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第156回芥川賞受賞作品の山下澄人氏「しんせかい」読了。
淡々としているがゆえに、山もなければ谷もない、青春小説と呼ぶには無機質で不可思議な小説が出来上がった感はあれど、最後の2行で一気に引き込まれる。ただ、読む人によっては一気に否となりそう。
もう一作品、掲載されている短編がありますが、掲載順が反対だともう少し「しんせかい」のイメージがつかみやすかったかも。
まあ、芥川賞らしい作品でした。
『ゴロウ・デラックス』
#239:2017年2月23日放送分
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つまらない。飛ばし読みしてなんとか読了。絶望的に展開に興味が持てない。たまに、これが芥川賞かというつまらない作品かある。この作品がまさにそれである。
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倉本聰の主宰する「富良野塾」での作者自身の体験をもとにした小説。二期生として入塾した19歳の若者の体験をメインに綴っている。時系列が前後し、曖昧になり読者を戸惑わせるが、これは主人公の若く人生の先行きが定まらず、不安定な心情と体験を表現しようとしてるからだろう。
私は「富良野塾」とは俳優や脚本家を目指すエリート集団と認識していたが、それよりもまるで「北の国から」を体感するような過酷な自然の中での生活が前提にあるということだ。その環境の中で主人公はなかなか自分の今後を定めることが出来ずにいる。
「辛い」ということばが心に残る作品だった。
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率直に言っておぼえていないのだ、この本、実際に読んだのかどうか。読み終わったのは今日のはずなのに。昨年の暮れに新聞の書評欄に紹介されていて、読みたいというか、おそらくそれほどの思いもなく、純文学なんて自分で選書できないから、する術もないから、そんな紹介に頼ったのだ。案の定、読むほどのこともなく、そういう意味では期待を裏切らなかった。読み手を意識せず、読ませたい、伝えたい確たるテーマをもたず、あえて靄に包んだかのごとく書きつらね、それを称して純文学か。作中のぼくはどうであれ、昇華を得られない読書によってときを費やしたぼくはたまらない。合点がいかなければ読むな。いくわけないから、彼はもう読まない、きっと。
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一般的な評価は低い。
やたらと句読点が多く、不思議な文章のリズムの中で、
演劇塾と言う名の変わった日常が延々と続く。
時には俯瞰から「谷」を見下ろし、時にはクローズアップされる。
淡々と一年が終わり、この一年の意味は分からない。
でも私はこの空気感は好み。
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演劇と脚本の住み込の無給自給自足の学校での、スミトの1年間。
緩やかに過ぎている日々。栄養失調になったり、行事での些細なトラブルなど、
【先生】やケイコ、故郷の女友だちの「天」とのちょっとしたやり取り。
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富良野塾の二期生としての自分の経験を踏まえて…らしいのだが、珍しい体験というだけで何にも私には響くところのない芥川賞でした。文芸春秋の評をうっかり先に読んでしまって「裸の大将」という表現を見つけてしまったので、もう最初から最後までその語り口でしか入ってこなかったせいもあるのかも。
何につけても青春は痛いものだが。