紙の本
タイトルから想像したものと違った
2017/04/19 21:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
遺伝を医学的に捉えたものなのかと思ったが、遺伝によって人生が決まってしまうため、現在の教育に疑問があるという主張をしたいがための本であるように感じた。
遺伝と共有環境と非共有環境の3つのうち、遺伝と非共有環境によって才能は決まり、共有環境は年少時には意味があっても、年長になるに従い意味のないものとなっていくとのことであるが、データとしてそうであったとして、あまり実感がわかないものがある。
なんだかデータがあって、正しいと思い込まされているような、少なくとも前半の自然科学的な話と後半の社会科学・人文科学的な話が強引に結び付けられているような感触を得た。
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家庭環境が子供に与える影響、こんなに少ないのかなー。どうも納得できないな。
天才が持つビジョンっていうのもあいまいだなー。
統合失調症が淘汰されないで残っている意義。
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双子の母として、納得できる内容
遺伝と教育の関係はタブー
そこにあえて踏みこんだ本書は社会的意義が高いなと感じる
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「日本人の9割が知らない遺伝の真実」
ベストセラーの「言ってはいけない」の売れているうちにと言うことで出版された本である。急いで書かれた割にはよくまとまっている。著者は行動遺伝学、教育心理学が専門の慶応の教授で、既に遺伝について数冊の一般向けの本も出しているためだろう。
内容はきちんとデータを示して学術的な面から遺伝、教育について説明しているので納得できる。そして、「言ってはいけない」のようにセンセーショナルな書き方はしていない。
それでも、「知能や性格、才能について遺伝は無視できないほど大きな影響を持つ」と認めており、「人間は年齢を重ね様々な環境にさらされるうちに遺伝的な素質が引き出され、遺伝の影響が大きくなる」と若いうちよりも年を取ってからの方が遺伝の影響が大きくなると言っている。
また、最近注目されているのが、「やり抜く力、粘り強さ、自己制御能力といった非認知能力がIQのような認知能力以上に仕事の成功に影響を及ぼす」と言うことであり、その一方で「あらゆる文化は格差を広げる方向に働く」とも言っている。
そして、「社会にはいろいろな才能が必要とされており、才能の発見とはまだ発現していないものを発現させるのではなく、既に発現しているものの中に文化的・社会的価値を見いだしていくことだ」と著者の明るくまっとうな意見を述べているが、本書全体を見れば自分を規定しているのは遺伝だと言うことであり、なんとも、やっぱりそうかと言う気がしてならない。
そこで、ふと思い出すのは寅さんのオープニングのテーマ曲の一節である。
「どぶに落ちても根のある奴は、いつかは蓮の花と咲く」
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知力含め人間の能力の約半分は遺伝に依り、青年期以降より濃く遺伝の形質が現れる。
歳をとると母親に似てくる娘、ってまさにこれ。
残りの半分も、共有環境(家庭内のしつけ等)よりも非共有環境のほうが能力に影響を及ぼすということ。
子育てするうえでの結論としては、
本来その子自身が持っている特徴をよく見極めてあげることが大切ということ。
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橘玲さんのベストセラー『言ってはいけない』へのアンサー本的に出された本。
『言ってはいけない』で引用され橘さん流に解釈された内容を本来の意図で説明されています。
『言ってはいけない』にショックを受けた人には是非読んで欲しいなぁ。書店でも隣で平積みして欲しい。
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〈本のまとめ〉
多重知能理論(Multiple Intelligence)
知能には複数の種類があるという立場です。多重知能理論では、言語的知能、内省的知能、視覚・空間的知能、博物学的知能、論理・数学的知能、対人的知能、音楽的知能、身体・運動感覚知能という8つの知能が別個に存在すると考えられます。(略)
もう1つが、一般知能理論(General Intelligence)です。頭のよさのベースとなる「「一般知能」が存在しており、この能力に大きな個人差がある。そして、一般知能を装飾するような形で、文学的な能力や数学的な能力、博物学的な能力など特殊知能がくっついているという考え方です。
私は、教育に関心を持つものとして、多重知能理論を一応尊重しますが、進化理論や行動遺伝学のエビデンスからは一般知能理論を支持する立場です。
知能をつかさそる特定の部位があるわけではなく、まさに能全体が知能にかかわっています。
人間の性格を表す5要素
・Openness to experience
(経験への開放性、または好奇心の強さ)
・Conscientiousness(勤勉さ)
・Extroversion(外交性)
・Agreeableness(協調性)
・Neuroticism(情緒不安定性)
極論すれば、人間は頭のよし悪しと、性格のよし悪しという2次元の値によって分類できる・・・(略)
科学的な表現とはほど遠いのですが、遺伝的に突出した才能がある人は、他人が外から気づくまえに自分の中で「見えている」・・・(略)
知能や性格を始めとしたさまざまな心的能力は、遺伝の影響がおおむね50%程度であることがわかっています。
収入には遺伝の影響が2~4割程度あるということがわかっています。
ほとんどの人が、科学的に不当な頑張りを強制されている
IQは70%以上、学力は50~60%くらいの遺伝率があります。(略)
つまり、学力の70%~90%は、子供自身にはどうしようもないところで決定されてしまっているのです。
かわいい子には旅をさせよ、そして自分にも
(略)
知能を含め、人間のあらゆる能力は半分程度が遺伝によって規定されています。現在の知識社会において、知能が特に重視され、それが社会階層や収入とも大きく関わっているのは確かでしょう。
しかし、それを以て「遺伝だから仕方がない」と諦めるのは早計です。私たちの社会を構成している無数の才能の、豊潤な可能性を見逃してしまいます。
あらゆる能力が遺伝することをきちんと認め、多彩な才能を評価する文化をみんなでつくりあげていく。小規模なコミュニティを維持、活性化できる社会制度をつくる。そうした取り組みによって、遺伝的な素質が発現する可能性は大きく高まります。
素質を高められる環境を探求し、適応し、生存する。そして旅をしながら私たちは、「本当の自分」になっていくのです。
「かわいい子には旅をさせよ」といいますが、それは大人も同じ。私たちはみな死ぬまで旅をし続けるのです。
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科学的な分析に基づいた内容と、理想としての教育論が混在している。理念的な教育論は、現状への批判と現実的な要素を踏まえていない持論のため、著者は科学者として記述しているのか良く分からなかった。カーネギー分類のように、高い理念を持って大学を分類した結果、商業的な大学ランキングになってしまったという批判があるように、行動遺伝学も十分に注意をしないと短絡的な優生学としの結論に偏る危険性があると考えられる。
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遺伝と非共有環境によってだいたい規定される。
遺伝の規定率が.4~.9である。遺伝形質を軽視する教育や社会政策に疑問を持たせてくれる。遺伝形質の決定論ではなく遺伝形質を個人的特性としてそれを活用する生き方ができれば個人も社会もハッピー?問題は遺伝形質に由来する個人的特性をどのように見いだすかか。
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どこまで受け入れるかは人それぞれだが,受け入れた後の対応もまた人それぞれで,モチベーション維持ができる人はそれこそ本来優性な人だけではないか,と捻くれてみる.
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橘さんの本と違って最終的にポジティブな感じに本をまとめている。
行動遺伝学。
遺伝による差異が生まれるのは仕方がないことと前提した上で、どうすればいいか?を提示。
好きなこと、得意なことを小さなコミュニティのなかでトライアンドエラーを
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社会をキッザニア化せよというアイデアはなかなか面白い。才能は確かにあるが、それだけが全てを決定している訳でも無いし、自分自身の向き不向きを知ってそれを活かすためにも知識は必要だろう。
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橘玲の「言ってはいけない、、、」が売れたおかげでこの本が出せた、と著者は卑下するが、行動遺伝学についてきちんと書かれた本。橘玲の本に比べるとはっきりしない物言いになってしまっているが、社会科学系の研究とはそういうものなのだろうとも思うし、誠実に書くとこうなるのだろう。
・「知能」とは何か。一つにはハワード・ガードナーらが唱える多重知能理論があり、言語的知能や内省的知能、博物学的知能、音楽的知能など8つの知能が別個にあり、それぞれの子供の特性に応じた教育を施そうというもの。教育現場では非情に人気がある。もう一つが一般知能理論で頭の良さのベースとなる「一般知能」が存在しており個人差も大きい、という考え方。
・性格に関しても、2013ころからGFP(General Factor of Personality)という一次元の値で評価できるという考え方がでてきた。情緒不安定性をマイナス、それ以外はプラスの値として合計したもの。
・一般知能、GFPという立場をとると知能も性格も遺伝の作用が大きく、親の子育ての仕方は子供がどう育つかにあまり影響を与えていないということになる、
・Haworth 2010(Mol Psy:1112)
知能に及ぼす遺伝の影響は年齢とともに大きくなっていく。児童には知能の大部分が環境的因子によって説明可能であるのに対し、成人期初期からは遺伝の影響の方が大きくなる。環境の中でも特に共有環境(家庭や親の影響)は児童期にはそこそこ影響力があるものの青年期以降は関係なくなっていく。
・行動遺伝学の知見からは個人の形質のほとんどは遺伝と非共有環境から成り立っており、共有環境の影響はほとんどみられないということになる。現代社会では昔のように一部の人だけが教育を受ける(非共有環境に大きな差がある)という状態ではないだけに遺伝的な差が顕在化しやすい
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簡単に言ってしまうと、人にはそれぞれ向き不向きがあるので、学校の成績だけで人を判断するのではなく、その向き不向きが見つけられ、それを伸ばしていけるような社会のしくみを作るべきである、というのが本書のメインの主張である、と理解した。
個人的には、自分には向いていないとされる分野の仕事なのにそれをどうしてもしたい、という場合が困ってしまうな~と思った。
あと、あとがきで「本書は橘玲の『言ってはいけない』の便乗本」のため「急いで出す必要があった」とはっきりかいているところが正直で好感が持てた。
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デスティニープラン…
(byガンダムSEEDディスティニー)
行動遺伝学を悪く使えばデュランダル議長のデスティニープランが実現するんじゃないか?
各人の遺伝子特性によって社会的役割が決定される究極の管理社会が実現すれば全人類規模で人材の適材適所が実現される…
本書はそんな本ではありません(笑)
遺伝子特性を無視した努力を「強制」することがよくないのであって各人の努力を否定するものではありません。
行動遺伝学は新しい学問で僕は最近よく聞くようになりました。
才能と遺伝
収入と遺伝
どちらかといえばあまり繋げて考えたくないエリアやと思います。
勉強はムダなのか?
努力はムダなのか?
この辺を読み解くような本なのかなと思います。
知能が遺伝する
とすればまず知能とは何か
それは「具体的事象から抽象的法則を導いて他の事象に当てはめて論理的に問題を解決する能力」といえます。
さて知能は遺伝するのか。
詳細は本書を読んでいただくとして結論的に知能や性格といった才能と遺伝には切り離すことができない大きな影響があるとわかります。
でも才能は遺伝があれば発現するものではなく環境が大きく影響を与えます。
その人が遺伝子に導かれるというか完成形に既視感を得るんやと思います。
そのために親はいろんな経験を子供にさせないといけないし
子供が才能に気づいたら親のエゴは捨てて子供の人生は子供に預けないといけないんやなあと思いました。
その辺がディスティニープランとは違うんですよね(笑)