紙の本
高校生まで道徳もどきの教科が導入されるらしい
2018/05/04 05:04
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投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
道徳が教科になって久しい。昨年は幼稚園まで日の丸とか君が代を押しつける学習指導要領の改訂が行われたが、今度は、高校生にも愛国心を押しつける改訂が加えられるらしい。学校の先生で作る組合、全日本教職員組合は、今度の学習指導要領の改訂についてこんなふうに言っている。「憲法が位置づけられていた必 履修科目『現代社会』がなくされ、それに替わるものとして『公共』がつくられます。『公共』では、『規律ある生活』『社会の形成に参画する意欲と態度』『義務を果たし責任を重んずる態度』『伝統と文化』『我が国と郷土を愛する』などが強調され、国民の権利の保障より、愛国心など特定の価値観や規範意識を押しつける道徳教育を、小・中 学校から高校まで貫こうとしています」
なにやら、教育勅語を暗唱する幼稚園を優遇していた疑惑がもたれている首相だが、高校生まで、道徳でどうにかしようとしているらしい。
本書は今の道徳を知る上で愕然とする内容である。
道徳は真理の探究ではない。「●●しましょう」「●●してはなりませんという教え方になる。著者は「『なぜ』をタブーにすることでオトナのメンツを守っている」といい、なぜ今、道徳の教科化なのかと問う。実際に使われている教科書の紹介が記述されるが、これが「トンデモ本」なのだ。子どもを持っていなければ、道徳の教科書なんて読む機会がないから、ちょっと唖然とする。
著者は道徳的な視点から論じると、「他人の価値観を否定する乱暴な結論に陥りがち」と警告。やっぱり多様な人々の考え方を出し合い、人々の英知で社会を見ていくことこそが求められている。そのためには、価値観を教え込むことよりも、一人一人が考え、そして考えたことを出し合うことを、妨げない教育が求められているんだろうなーと思った次第。
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なぜ人を殺してはいけないの?
2017/04/30 23:32
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投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
道徳の授業は退屈だったということしか覚えていません。先生もしんどかったのか、あまい道徳の時間自体もなかった気がします。そのつまらない道徳についておもしろく読めました。道徳についての語りは思い先行しがちですが、著者は実際に道徳の副読本(今後は教科書」)で扱われているトピックスも紹介しながら、論を展開しています。最終章の人を殺してはいけない理由についての論考も興味深く読みました。
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中2長女が先にあっというまに読み終えて曰く「やっぱり道徳の授業は寝ていてもいいということが改めて確認できた」
傑作選として道徳の副読本に出てくる教材を紹介して分析しているのがおもしろい。30年前からかわらず載っているエピソードがあってなつかしいし、ちょっと攻めの姿勢で作られたとある教科書会社の本からのエピソードにおどろかされもし、内容や扱い方の変遷ぶりを知ることは興味深い。
勉強=自分のなかの経験と常識をぶち壊す行為、ゆえにそんな苦痛をのぞまぬ大人は勉強しなくなり、経験と常識がサビついた「偏見」にとらわれて乱暴な議論や間違った判断をしがちになる。統計データから学び科学的に考える習慣づけをしようという主張の説得力はやはり筆者の面目躍如。
むすびは「人はなぜ人を殺してはいけないのか」というテーマにこたえる形で筆者の考えるほんとうに教えるべき現実的な「道徳」にたどりつく。共感するところの多い話だった。
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道徳の馬鹿らしさを披露しており、痛快に読めた。若いひとには是非よんでもらい、毎日の行ないに生かして欲しいものだ!
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既存の日本の道徳教育に一石を投じる一冊。
戦前の修身から丹念に分析しており、道徳の教科書の矛盾点を余すところなく指摘している。
その論説自体は賛否両論あるだろうが、大人のための道徳教育ではなく、本当に子どものための情操教育というのが必要だということを痛感した。
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絆が大切とか
みんな友だちとか
周りのたくさんの人たちの「正解」に飲まれそうになったとき、ぐっと引き戻してくれる本。
ひろき、目を覚ませ!
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「みんなの道徳解体新書」読了。はっきり言ってどうでもいい話。子供だからって、道徳の授業聞いただけで人が変わるわけないじやない。
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学校の勉強として道徳って必要なの?というか、可能なの?現代の日本人は道徳心が低下しているの?などの「なぜ?」について書かれている。印象に残ったのは、現代の道徳心が低下している、というより、昔の人は自分についても他人に対しても鈍感だったという点。あと、教科書に収録されてる作品が面白かった。
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はあ、面白かった。
道徳の教科書のエピソードに突っ込みを入れる第三章では吹き出した。
道徳を教科にするというのは本当にとんでもない話で、教師もそれを望んでいるとは思えない。日本政府(自民党)は何を考えているのか、考えたらぞっとする。
道徳の教科書には、まあちゃんとした物語もあるのだろうけど、基本的には道徳的な読み取りができるように書かれたもので、文章としてはB級もいいとこ。
こんなのを読んで、感想を言い合ったり作文を書かせたりするくらいなら、授業を「読書」として、文学の一級品に触れさせた方が、読解力も上がるし、人間としても磨かれると思うが。
日本文化に対する誇りを~とか言ってるんだから、それこそ日本文学の名品でも読ませたらいいんじゃないの。小学一年生にだって、詩を読ませればいいじゃないの。本当に「道徳」って無駄だと思わざるを得ない。
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道徳が教科に格上げということで、はいはい、と思いつつ本書を読んでみました。著者はイタリア人、って言うわけではなく日本人のようです。読めばその内容からしていくら何でも外国人なわけは無く、どうも内〇朝△のペンネームという推測も。内容的には”「昔はよかった」病”の道徳教育版と言った感じだが、道徳教育に限定されている分、本書はちょっと内容的には薄いかな。日本の道徳教科書(副読本)を分析した内容の紹介と鋭いツッコミが満載の前半は読んでいてなかなかおもしろい。後半はほとんど「日本を取り戻せ」的な保守的政治家への批判に費やされている感じが強くて少し退屈だった。著者の意見も、ちょっとそれはさすがに言い過ぎな無いか、という感じも散見されました。
現状の若者がどんどん不道徳になって恐ろしい犯罪が増加しているから道徳教育の教科が必要だ、という主張自身には二重のウソが含まれている。まず犯罪が増え不道徳になってきているという前提に何の根拠も無いし、道徳教育を強化したら皆が道徳的になって犯罪が減るという証拠も無い。実際には戦前の修身教育を受けた子ども達は成長して大人になってたくさん罪をおかしている。そもそも道徳教育なんてのが何のためにおこなわれていのか。子供たちよ騙されるな!というところでしょうか。その辺の著者の主張には賛同します。まぁ、子どももその辺はある程度分かってると思うんだよね。実際。道徳関連の本だとかが伝えたいことの建て前なんてあからさますぎて、はいはい、って感じで面従腹背で過ごしていると思う。子どもだって。
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おもしろかった。
副読本への突っ込みが特に。
正論を言っていると思うが、一部にそう思わない箇所もあった(組体操のピラミッドは人が死ぬとは思ってないと思う等)。
以下はメモ:
必要とされるのは、友達を作る能力ではなく、友達でない人と話せる能力。
勉強とは過去の経験と常識をぶち壊す行為。だから大人は勉強しなくなる。
なぜ人を殺してはいけないか→ほとんどの大人は人を殺してもいいと考えている→死刑、戦争、自動車
我々いつか人を殺してしまうかもしれない。だけど人を殺さないよう努めることはできるし、そう努力するべき。そのためには自分とは違う人間が世の中に存在することを認める努力が大切。
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吹き出しちゃうところが結構あるので公共の場で読まない方が良い。
全てに賛同する訳ではないけど,道徳は教科として教えるものじゃないんじゃないかと改めて思う。
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まずは船橋図書館で。「道徳」を科目として教えることが大人のアリバイづくりに過ぎぬことを喝破。読むべし買うべし。ただ、これまでの道徳の教科書(副読本)の紹介とそのおかしさを指摘する中盤がやや多すぎか。
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こういう風に考えて、道徳の授業をつくっていけばいいと、わかった。スゴくステキなことに、気がついた。すべては、多様性を認めるところから、始めていこうと思う。
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道徳に切り込む!
相変わらず鋭い!
日本人の道徳心って昔より高まっているという衝撃。
副読本にツッコミを入れるのは相変わらずのスタイルで最高。
何故人を殺してはいけないのか?
↓
われわれはいつか人を殺してしまうかもしれません。だけど人を殺さないように努力することはできるし、少なくとも、そう努力するべきです。そのためには、自分とは違う人間が世の中に存在することを認める努力が大切です。(p174より)