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紙の本
これで終わり?
2017/01/10 22:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前、河出書房新社から出ていたLXX(七十人訳)の邦訳はトーラーが出たきりで終わってしまったが、このイザヤ書は、それ以来の邦訳となる。版元に質問したら、邦訳者の秦剛平氏との付き合いで、これ一冊だけ出るような答えが来たが、せめてエレミヤ書ぐらいは出してほしい。エレミヤ書は邦訳の底本となっているマソラ本文とLXXでは章節に異同があるので、それを日本語で読んでみたいから。
出来ればドイツ聖書協会がLXXのドイツ語訳を出しているから、日本聖書協会がLXXの全訳を出したらいいのだが。
訳者あとがきでオボを引き合いに出して、古代でもコピペが行われていた事を書いているが、印刷技術など無い時代に巻物や粘土板で著作を記すには、暗唱するまでに記憶したものを元にして書くだろう。
この邦訳者は鋭い洞察と余計な想像力を元にして著書を書く人だが、本文注では、まともなものだ。ただし河出書房新社版では邦訳者が関わった新共同訳と新共同訳のカトリック側の研究者達の翻訳であるフランシスコ会訳(当時は、まだ分冊版が揃った頃だ)と岩波版(やはり分冊版が揃った頃)を参照しているが、このイザヤ書では岩波版だけだ。
これは評価していいのは差別語をそのまま訳している事。それとヘブライ語聖書との異同を注釈に書いている事だ。ただし、これは底本になったゲッティンゲン版LXXとドイツ聖書協会が刊行しているヘブライ語聖書の校訂本BHSとの異同であって、存在しない原本でない事は注意すべき。
田川建三訳の公同書簡とヘブライ書の巻では、名指ししないが秦剛平訳を否定的に言及しながら、新約聖書が書かれた頃のLXXは断片を除いて存在しないし、写本として残っているのはキリスト教徒が書き残したものだけだと書いている。ヘブライ語聖書にしても、原本が残っているわけでもないし、ちょうど80年前の1937年のドイツという頭が痛くなるような時代に完本が出たBHK第3版以降の底本になっている「レニングラード」写本(未だに裏切り者のボリシェヴィキの頭目の名前を冠したソ連時代の地名を使っている)も11世紀の写本だから、突き詰めていくと古い写本や古代訳の写本を元にして、「これが正しい聖書の原文です」と推測するしかない事になるが。
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