紙の本
一読の価値があると思います。
2019/08/12 17:21
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投稿者:マルヲ - この投稿者のレビュー一覧を見る
当時は入ってくる情報が多いうえに専門的なことは解らないこともあって、自分は何が起こっているのか知らなかったんだなと、改めて感じています。
この作品は、どのような経緯で何が進んだのか?が、解りやすく書かれています。
学ばねばならないこと、活かさねばならないこと、そして何よりも、傍観するしかなかった身として知っておくべきことが、書かれていました。
一読の価値があると思います。
紙の本
あの日、現場で起こったことを知りたくて読む。驚愕する。
2021/07/27 15:55
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
これ、ほんとにあった話なの?と思いつつ読む。いや、実際、東日本大震災を東京でだけれど体験し、家族は福島にいて、福島原発の映像は心配でココロが押しつぶされそうになりながら何度も観た。しかし、その時、その現場では何が起こっていたかもわからなかったし、東電やこの国のリーダーたちのふるまいもよくはわからなかった。ここに描かれているのは、日本に原発が存在する限り、また起こりえる事実。だから、できるだけ知っておかなければと思う。
紙の本
あの日を境にして
2020/11/12 09:22
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本が壊滅していたかもしれないという、当時の状況が克明に伝わってきました。現場作業員たちによる決死の突入と、東電本店や官邸との距離感も印象的です。
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
福島第一原発の事故当時の所長であった吉田さんのことが描かれいますが、興味深く読むことができました。本人の言葉を聞きたかったです。
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あの時イチエフで闘った人たちの壮絶な記録。決死で日本を救ったことは日本人の多くがイメージしているものの、それが具体的にどういうことだったのか、何が起こっていたのかは実はみんなよく知らない。あの時日本が北海道の一部、人の住めない場所、西日本の三つに分断される寸前まで行っていて、それを彼らにより回避されたことも知らない。公開テレビ会議と合わせて見るとよい。本当に色んなことを考えさせられた。
福島第一原発のこと
かつて陸軍飛行場として特攻隊を送り出す場所が、何の因果か原発となり街を破壊するまで。終戦とともに飛行場は国土計画の元で塩田になり、その後松林になり、これまで外国人などいなかったところにGEの外国人たちが村を作り、原発ができ、最後は町がなくなった。冬場になると都会に出稼ぎしていたり役場に金がなかったりした貧しい町はの財政はよくなり、医療費は無料になり、地域の雇用を生み出した。この地域で東電に就職して原発に勤めるのはいかに誇り高いことであり、いかに東電がこの地域に深く溶け込んでいたか。地域の雇用を生み、いかに地域に溶け込んでいたか。そして最後の危機を死を覚悟して救ったのもまた、多くがこの地域の人間であったか。
そのとき起こっていたこと
情報の錯綜、混乱する現場、という表面的な言葉だけではなく、何がそこで起こっていたのか。全電源喪失して刻一刻と迫る圧力上昇とメルトダウン。何も見えない真っ暗闇のなか、余震と津波と水素爆発と放射能の恐怖に手動ベントしに死を覚悟しての突入。線量が上がり中操と免震重要棟に入ったら出られなくなる隔離状態。誰を死なせ誰を逃がすかの極限を超えた判断。700人ほどが立錐の余地もない不眠不休の中床に所狭しと倒れ込む免震重要棟。装備がどんどん尽きて来る様子。水がなく血尿で一杯になったトイレ。菅総理の対応については、東電に覚悟を決めさせたという1点を除いてはひたすら混乱を大きくし対応を遅らせたの一言。
人間について
自分が死ぬかもしれないと分かったとき、人は何を考えて何をするのか。家族のために避難する者、故郷を守るために命を投げ打って復旧に打ち込む者、それぞれ。また命を投げ打った者たちについて、また故郷というものがいかに人間を突き動かすのか。
家族について
死んで行くものは何を思うか、残された側は何を思うか。それが自分だったらと思うとどうか。
仕事について
本当に人の役に立つ仕事というのはいかにも当たり前にそこにあるものを、当たり前にそこにあらしめる為の仕事で、感謝されることも注目されることもない。目立つ仕事や華やかな仕事がちょっといい事言ってもてはやされるが、そんなものは小さい事だ。本当に尊い仕事とは大して金も良くないが何かあれば何よりも先に世の中を支える仕事であろう。
他にも色々思ったけど、とりあえず以上。
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本書の著者である門田隆将の『記者たちは海に向かった』や佐々涼子の『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている』などは読んでいたが、あの時に原発の現場では何が起こっていたのか、東日本大震災から10年経つ今だからこそ知っておこうと思い本書を読むことにした。原発そのものには色々な思いもあるが、未曽有の災害の中で命を賭して被害を止めようした人たちがいた。被害に遭われた方も多くいらっしゃると思うが、それでも彼らのおかげで最悪の事態が避けられたことに感謝しかない。
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門田隆将(1958年~)氏は、中大法学部政治学科卒、新潮社勤務を経て独立した作家、ジャーナリスト。芸術祭 テレビ・ドラマ部門 大賞(2010年)、山本七平賞(2010年)などの受賞歴あり。
本書は、2011年3月11日の東日本大震災に伴って発生した福島第一原発の大事故について、同原発の所長を務め、現場で陣頭指揮をとった吉田昌郎氏とそのほかの多くの当事者へのインタビューをもとに書かれたノンフィクションである。2012年に出版、2016年文庫化された。また、2020年には「Fukushima50」として映画化された。
福島第一原発事故については、原子力発電に関する専門性の高いものを含めて、様々な視点から書かれた多数の著書が出ているが、過去に例のない、日本という国の国土や歴史を大きく変えてしまう可能性のあった大事故(実際に変わってしまったとも言えるが)に直面して、その時にその場所にいた人々は、どのように考えてどのように行動したのかを綴った記録として、本書は極めて貴重なものである。
私は原子力について詳しい知識があるわけでもなく、その時にその場所でどのような対応をするのが最も適切だったのかを自ら判断する能力は持たないが、本書に描かれた現場で必死にできる限りのことをしようとする人々の姿、「こいつなら一緒に死んでくれる、こいつも死んでくれるだろう、と、それぞれの顔を吉田は思い浮かべていた。「死」という言葉が何度も吉田の口から出た。それは、「日本」を守るために闘う男のぎりぎりの姿だった」というくだりに、涙を堪えることはできなかった。
事故の対応に関しては、吉田氏が東京電力本店の命令に反して注水作業を続けていた件が象徴的に取り上げられることが多いが、当時原子力安全委員会委員長を務めていた班目氏は、意思決定過程に対する不信感は示しつつも、「吉田氏の判断がなければ東北・関東は人の住めない地域になっていただろう」と述べており、原発を知り尽くした現場の長としての吉田氏の判断と行動が非常に重要な意味を持っていたと言えるのだろう。
極限状態の中で、リーダーとリーダーを信頼してついていく同志が日本を救った貴重な記録である。
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あらすじ(背表紙より)
2011年3月、日本は「死の淵」に立った。福島県浜通りを襲った大津波は、福島第一原発の原子炉を暴走させた。全電源喪失、注水不能、放射線量増加…このままでは故郷・福島が壊滅し、日本が「三分割」されるという中で、使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いを展開した男たちがいた。あの時、何が起き、何を思い、人々はどう闘ったのか。ヴェールに包まれた未曾有の大事故を当事者たちの実名で綴る。
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本としてまとまっているかはよく判らない。あの事故を知らない人が読んだら全く判らないだろう。それでいいんだろうけど。
班目証言よりは全然客観的じゃないかと思う。
事故の意味ではなく、その現場でギリギリの応対をした人たちのドラマ。
どっかの首相が後でどれだけ言い繕っても、邪魔だったことは間違いなさそうだ。
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福島第一原発の事故から7年が過ぎた。今この本を読んで、あらためて日本という国を半分失うほどのものであったこと、吉田所長と現場で関わった東電の社員、自衛隊、官邸、それぞれの死をも覚悟した必死な思いが伝わってきた。日本人はここまでできるんだ、自分の命を投げ捨ててでも人々や国を守ろうという気持ちがいざという時、発揮できるのだと思った。吉田さんという人がその時所長でなかったらどうなっていたのだろうかと思う。彼は仏教に深く心酔し生と死というものを若くして考えていたという。
残念だったのは、同じ日本人でありながら「現場の東電職員が所長命令に背いて撤退した」というようにでっち上げを書き上げ、世間に広めた朝日新聞社だ。なぜだ!そこまで日本を嫌いなら出て行け!とだけ言いたい。彼らの国や政府を陥れようとする報道に影響を受けることなく、何が正しいのかを私達国民は自分の目で、頭で考えていかなければならない。
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2018年11月10日読了。
456ページ
門田隆将氏による、吉田昌郎氏へのインタビューと3.11直後の福島第一原発を制御すべく闘った男たちのドキュメント。
多くの言葉はいらない。
彼らがあっての今の日本がある。
もし吉田昌郎氏以下、原発職員が奮闘しなかったならば、今の日本は三分割されていたかもしれない。
久しぶりに本を読んで涙が出た一冊。
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東日本大震災の記憶が薄れないよう、みんな読むべき。
原発の賛否、当時の政権への評価は抜きにして、未曽有の大災害に対して、現場がどうなっていたのかを知ることができてよかった。
(とはいえ、無視することになった官邸の指示や、首相の行動や演説など、現場と政府の距離感は課題である)
無知な人が無自覚にあれやこれやと評論することが愚かだと、改めて気付かされた。
自分なら、「最少人数を残して退避!」の命令に、どう向き合って、判断するだろう。。
職務とはいえ、仲間が津波で命を落とし、自分の命も、家族の安否もわからない状況で、原発を守り抜いた方々に感謝したい。
『吉田や現場の人間が闘ったのは、会社のためでも、自分のためでもない。世のなかで一番、大切なものを「守るため」ではなかっただろうか。
それは「命」である。』
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2019/02/21 016
福島第一原発事故の事故発生直前から1週間ほどのドキュメント。多くの人にインタビューした内容から切迫感のある作りになってる。
あの爆発の映像を見たのは、地震で帰宅困難者になってからようやく家について、テレビをつけてすぐだったなぁとか、いろいろ思い出しながら読んだ。
今は落ち着いてるけど、落ち着いた状態にするまでの綱渡り感がすごかった。危険を顧みず、日本を守るために頑張ってくれた現場の方々に頭が下がるとともに、当時の首相のお粗末さが思い出されます。
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8回目の3/11がやって来た。当時、会社の
東北大震災で押し寄せた真っ黒い津波の映像に驚愕し慄いた。そして福島第一原発事故…
阪神淡路大震災を経験した自分であるが、当時、原発事故の混乱はテレビの中の出来事に思えた…
その後、沸騰水型原子炉は構造的に問題があったとか、東電の経営側が当事者意識が薄いとか、民主党政権が事態をより混乱させたとか、色々言われていたこともあって、この国は一体どうなっているんだって気持ちにさせられた…
近年、日本の近現代史に興味を持つようになって大東亜戦争をちゃんと知ろうと考えるようになった。関連図書をそれなりに読んで来て少しは自分なりの考えも持てるようになって来た。戦争を契機にこの国が抱えた問題、国民が抱えた問題も分かるようになって来た。そしてこれから私達はどうするべきなのかを考える事も出来るようになった。
中国北朝鮮韓国その他日本を取り巻く国々との関係や基地問題、少子化、人口減少などの問題の原因とか打開案とかと向き合えるようになって来た。多種多様な問題の一つとして日本のエネルギー問題を考える上で福島第一原子力発電所、当時、そこで何が起こり、誰がどう動いて、何をどう対処していったのか?彼らはどう戦ったのか?そう言うのをちゃんと知っておきたかった。
ちゃんと知っておくべきだと感じるようになっていた。そんな気持ちで本書を手に取った。読んでみて最初に得た正直な感想は、不謹慎かも知れないが「面白い」だった。本書はノンフィクションであるが故、出てくる言葉にも動機にも行動にも想いや熱さが感じられる。その熱量がとても人間臭さや日本人ぽさを感じて面白いのである。でも言っておくが愉快痛快ではない。
後半は目頭が熱くなり過ぎて読み進めるのが大変だった…
本文は言うまでもありませんが、あとがきや解説までとても素晴らしい文章で驚きました。この一冊は必読するべき一冊です。
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2020年映画化!福島原発を描く
佐藤浩市と渡辺謙が共演!「Fukushima 50」映画化決定。
約50名の作業員の物語。